公立学校の民間委託について書いたところ(7/31:アベノミクスで公設株式会社立学校 )
、たくさんの方から反響があった。
なぜ公立学校の民間委託なのか。私はこんな風にみている。

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学校の公設民営を検討 文科省、国家戦略特区で【7月31日付神奈川新聞1面】
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/politics/554155.html?rss

一部、報道されているようだが、公立学校の民間委託を国家戦略特区で

行うなどということは全くと言っていいほど知られていない。
それどころか、国家戦略特区がどんなものなのかすら伝わっていない。公立学校の民間委託についてレポートしたところ、初めて知った、学校教育現場
でも知らない人がほとんどだと思う、いつ決まったのか、なぜ、民間参入か、
学校法人で無く、株式会社なのか、責任所在はどうなるのか心配だ、などなど
反響が大きかった。私はこんな風に見ている。
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【公立学校の民間委託は自治体との協議で】公立学校の民間委託は、レポートしたように、今後地方自治体と

区域会議との協議になる。神奈川新聞が取り上げたのも、神奈川県が国家戦略特区6区域のひとつ東京圏の

中で指定されているからだ。

【定義の無い公教育という言葉を文部科学省が使い始めた】

新聞記事 には、文部科学省が、英語や理数教育に特化したり、不登校の児童生徒を専門に受け入れたりするなど、既存の公教育にはない特色ある学校が設立できると判断。

と書かれているが、赤字の部分が気になる。

公教育とは何をさすのか。
学校教育も教育基本法 (6条)と学校教育法 に学校の定義付けがされているので、そこで行われる教育であることがわかる。学校教育法は、学校は、 幼稚園、小学校、中学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校、大学及び高等専門学校で、国、地方公共団体、学校法人のみがこれを設置することができると定義している。

この記事は、学校教育ではなく、公教育という言葉を使っているので、国、地方公共団体、学校法人以外が設置した学校をさしているということがわかる。
(文部科学省の教育基本法担当部署に問い合わせたが、公教育の定義について答えていただけなかった)

【公立学校民間参入に関る事情】
そこで、誰が運営するかという話しになるが、これまでの議事録から、NPOなどに限るはずはないと思っている。
というのも、レポートにも書いたように学校に関る規制緩和を提案したのが
「新しい学校の会」という構造改革特区で学校分野に参入した株式会社立

学校の集まりだからだ。私は公立学校への民間委託には反対の立場。

しかし、民間委託なら、既存の学校=学校法人になぜ運営させないのか。
なぜ株式会社か。

 

◆利益を配当出来ない学校法人
それは、学校法人だと利益を「配当」出来ないから。
学校法人は利益の分配を禁じられている。
(公立学校の民間委託とは、非営利分野に営利目的の株式会社が参入するということだ。
この間の規制緩和は、それをどう突破するかのせめぎ合いだったともいえる。)

◆優遇策=減免税、補助金を受けられない株式会社ところが法で優遇策をうけられるのは国公立学校か学校法人立学校と

定められていて、株式会社立学校だと減免税や補助金を受けることができない。
株式会社立学校は、法人税や固定資産税を減免してもらったり、補助金を

受けたいし、学校経営で儲けて利益を配当したいのではないか。当初はNPOなどが公立学校の分野に参入するかもしれないが、最終的には

株式会社に減免税や補助金を受けられるしくみを作り、株式会社が
公立学校を受託できる仕組みを作るのではないか。
特区の歴史からみれば、構造改革特区で株式会社に学校を経営を認めた。
国家戦略特区は構造改革特区の規制緩和を活用できるとしたので、
これを一回り国家戦略特区で広げようとしているのだろう。

【非営利ホールディングカンパニーで医療が投資対象に】

ひとつ気になっているのは「非営利ホールディングカンパニー」

という考え方を厚生労働省が作ったこと。
これは、名目は、医療法人・社会福祉法人を統合し大規模化しようというもので、

医療法人や社会福祉法人を統合し大規模になった法人をさす名称。ホールディングカンパニーの期待される効果には、医療や福祉が商業化される様子が

・医療機器設置、医療事務、仕入れ等の統合や資金調達の一元化による調達コスト抑制等、経営効率化
・ 急性期医療から在宅に至る医療介護サービスを計画的・効率的に配置。
・ 職員のキャリアアップパスが拡大。職場の魅力が高まり、医療介護分野の雇用吸収力増加
・ 健康・予防サービス等を行う民間事業者との連携により、公的保険外のヘルスケア産業も活性化。
・ 大学病院等の参画を可能とすることで、研究開発、医療イノベーションの促進も期待。

また、検討すべき事項には、

法人(株式会社)を社員に認める、議決権な ど法人の意思決定を自由にする、剰余金の

公立的活用(配当、再投資)を認める、営利法人に投資できるようにするとあり、ほぼ株式会社と同じになってしまう。

自治体の協議を市民が注視し、住民が非営分野を守るために声をあげていく必要がある。
特区に指定されたのは6区域だが、他の区域も安心してはいられない。
「成功」すれば全国展開。
特区は経済政策だから、公立学校に株式会社が参入できれば、新しいマーケット
ができたことになるから当然評価は「成功」となり、全国展開は可能だろう。
そうなれば、次は、株式会社と学校法人が競争する段階に移行する。
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特区による規制緩和は国家戦略特区のサイトに。http://www.kantei.go.jp/jp/singi/tiiki/kokusentoc/index.html

法律はこちら  学校の民間委託は附則2条の4 70ページ。
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/tiiki/kokusentoc/pdf/140401_kokka-hou.pdf

今のところ、6つの特区の中の大阪が提案している。
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/tiiki/kokusentoc/kansaiken/dai1/shiryou2.pdf

区域会議の関西圏をみると色々書いてある。

http://www.kantei.go.jp/jp/singi/tiiki/kokusentoc/kuikikaigi.html各分野の規制緩和の趣旨は有識者のヒアリングから読みとれる。

14 新しい学校の会 12 大森不二雄教授 の議事録。
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/tiiki/kokusentoc_wg/hearing_y/index.html

国家戦略特区とは