国家戦略特区・構造改革特区の基本方針案についてのパブリックコメント について、論点整理してみました。

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その前に、国家戦略特区をご存じない方はこちらへ↓

【国家戦略特区とは】

1.特区という区域を限定した規制緩和による経済政策
2.目的は、世界で一番ビジネスがしやすい環境を創出すること

*日本経済社会の風景を変える大胆な規制・制度改革というように、ありとあらゆる規制をビジネスしやすくなるかどうかという判断基準で緩和していく。

・都知事選でクローズアップされてきた国家戦略特区とは

・国家戦略特区に関するこれまでのレポート

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規制緩和は、医療、雇用、教育、子育て、介護、まちづくり、環境、税制、地方自治、公共事業・・・などあらゆる分野におよぶ可能性があります。

下記は、WGで出された、規制緩和のメニューです。

http://www.kantei.go.jp/jp/singi/tiiki/kokusentoc_wg/dai5/hearing.pdf

パブリックコメントなさりたいのであれば、ご自身が守りたい制度、緩和されては困る制度、気になる制度について自由に発言するのが良いと思います。
以下は、制度から見た問題点です。。基本方針だけでなく特区の問題についても書いています。
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国家戦略特区法・構造改革特区法基本方針案論点整理
【法の下の平等】

そもそも、特区による規制緩和は、法の下の平等でも問題。
今の日本のしくみは、ほぼ同じ税金を払い受けるサービスもほぼ同じ。にもかかわらず、ある地域だけ、しかも企業だけ税金が安かったり、安く人を雇えるようにしたり、簡単に首をきれたりするのはおかしい。
特に、構造改革特区で法の下の平等から減税などは行わないとしていたのに、今回、行うようになっている。行うべきではないと考えるが、なぜよくなったのか、説明すべき。

【規制を経済政策で変えることの問題】

規制を経済をよくするためとしかとらえていないが、規制は、国民の生活を守る役割もある。規制をなくした時の影響について=雇用規制をかえたり、医療の規 制を変えたりすれば、仕事がなくなったり、医療保険料が高くなったり、医者に掛かりににくくなったりする可能性がある。それを、きちんと説明せずに、国際 競争力をあげるために規制をなくすのはおかしい。説明責任もはたすべき。

【特区法による一括改正の問題】

どうしても、規制をかえたいというなら、一つ一つの法律をかえるべき。パブリックコメント、規制改廃への影響、議決などの手続きが省略されているが、それ を省略することの正当性は示されていない。提案され行われる個々の規制緩和について、1.特区として行った場合の、経済効果、財政効果、税収への影響、利 用料等価格への影響、公共、公益をどう守り維持するかという制度根幹への影響、サービス提供や利用に関る影響、制度の持続可能性へ影響、影響の及ぼす範囲 (区域や所得層)等々につき、つど、パブリックコメントを取るべきである。
【国家戦略特区法でパブコメしなかった問題】

だいたい、パブリックコメントは、国家戦略特区法成立の時に、行うべきだった。法律ができたあとに、意見をきくのは、順番が違う。

【国家戦略特区諮問会議への白紙委任の問題】

しかも、国家戦略特区法に、国家戦略特区諮問会議に規制をかえるための重要なこの基本方針を作ることをまかせているのは問題。民主主義でなくなる。
国会で決めた時には、この方針は決まっていなかった。国会は、国家戦略特区諮問会議に基本方針を白紙委任したということで、そいういう国会への信頼をなくした。

政府も、国家戦略特区法案提出時に、国民に対し、国家戦略特区方針案について、示すべきなのに示さなかった。説明責任を果たしていないし、国家戦略特区諮問会議に白紙委任した点で国民に対する責任を放棄していて問題。

【歴史的経緯を無視した問題】

これまで、長い時間かけて、日本が日本国憲法のもと、国民生活を守るためにつくってきたたくさんの制度がこの国家戦略特区法という法律ひとつで、経済活動 という視点だけで書きかえることができてしまう。こんなやり方で規制緩和するのは、歴史的経緯を無視しているし、議会制民主主義や法治国家というしくみも 無視していて、国家戦略特区とその基本方針に基づく規制緩和は無効。

【透明性・説明責任の問題】

こんなに国民生活に大きな影響がある特区だが、多くの国民は知らない。インターネットによる周知だけでは不十分で、多くの国民が知らないままに、医療も福 祉も教育も変えるのはおかしい。大きな変化であることは、政府自身が認めているのだから、広く国民に説明すべき。国だけでなく、特区を申請した自治体も住 民に影響も含め説明すべき。
基本方針には、情報公開とか透明性と改定あるが、法律ができあがるまでや、基本方針の作り方をみていると情報公開は、不十分。結果情報の公開だけでなく、意思決定の過程情報まで含め事前に情報公開すべき。

【十分に時間をかけない問題】

スピードを重視すると言っているが、国民は急いでいない。なぜ。急ぐのか、急ぐことによる国民へのメリットを示すべき。逆に、急いで説明を十分にしないで 規制緩和を行えば、国民にとって、メリットは何もなくて、デメリットばかり。十分時間をとり、情報公開と説明責任を果たしたうえで議論を重ね規制について 検討すべき。

【評価基準の問題】

しかも、国家戦略特区法は、経済政策なので、それで評価されても、国民生活にとってよい規制緩和であるかどうかわからない。
にも関わらず、その評価で規制緩和が決まり、法律がかわるのはおかしい。
国民の信頼のもとに成り立っているのが政府なのだから、一部だけの利益でなく国民全体の生活を支え、良くするための評価が必要。

【民間議員に権限を与える問題】

特区による規制緩和は、規制緩和を進めたい民間議員と政府による会議が権限を持つ。選挙で選ばれた議員ならば、選挙で落選するかもしれないという意識も少 しは働くかもしれないが、規制を変えることを望む民間の議員に、国民の制度をまかても、結論は決まっており、なんら抑止力がはたらかなくて問題。

【特定の企業を優遇する問題】

産業競争力強化法で、企業単位の規制緩和を許しているが、それを国家戦略特区と連携するとしている。特定の企業を優遇することになりかねず、公平性において大きな問題がある。

【影響が大きいにも関わらず特区で行う事の問題】

区域が大きい。都道府県やバーチャル特区など、区域が大きく法律改正すればいいのになぜ特区でするのか。特に東京が特区になれば、都内だけでも日本の人口 の1割になるし、影響するエリアは、1都3県、あるいは、1都6県にもなって法をかえるのとかわらない。必要な、議決や、パブリックコメント、国民への説 明などさまざまな手続きを逃れる「ための」特区ではないのか。

【中央主権と自治権侵害の問題】

地方分権でスタートしながら、結果として中央主権になった。地方自治が無視されており、問題である。

【議決した解釈を基本方針により変えてしまう問題】

法の目的のこえない条件で議決した構造改革特区の規制緩和のメニューだが、こえて緩和できるよう解釈をかえている。

◆法の目的をこえ適用されようとしている規制

・学校設置会社による学校設置事業
・学校設置非営利法人による学校設置事業
・条例による事務処理の特例に関る事務の合理化事業
・病院等解説会社による病院等解説事業
・市町村教育委員会にりょう特別免許状授与事業
・公私協力学校設置事業
・市町村による狂犬病予防員任命事業
・地方公務員に関る臨時的任用事業
・特定某業者による特定酒類の製造事業
・特産酒類の製造事業
・地方公共団体の長による学校当施設の管理及び整備に関する事務の実施事業
・民間事業者による特別養護老人ホーム設置事業
・社会保険労務士を活用した労働契約の締結に関る代理事業
・再生資源を利用したアルコール製造事業
ほか、条例や政令などで定めるもの

【パブリックコメント提出の詳細】
  期限は2014年2月13日