7月28日の「形骸化している東京都・大田区のまちづくり行政=角地における建ぺい率緩和の法令の趣旨と建築の現場=」 に関わりアドバイスをいただきましたので追記します。

現在、大田区の建築審査会に審査請求した方は、大田区の決定を不服として、国土交通省に審査請求しています。

国土交通省への審査請求は、年間10件程度だそうですが、結果が出までに1年程度あるいはそれ以上かかると聞いています。
対象建築は出来あがってしまうと「訴えの利益がなくなる」とされ住民側は、なすすべをなくしてしまうのですが、そうした視点からいえば、現在の国への審査請求は適正に機能しているとは言えない状況です。

そこで、国への審査請求の制度は不要ではないかという議論もあると聞いています。

分権の視点から言えば、まちづくりの法令に基づき行った建築確認等については、自治体に審査請求し、その結果が不服であれば訴訟という手続きに行くべきであり、国への審査請求は不要という考え方があるのも理解できます。

しかし、現在のまちづくりの現場においては、住民の生活権が軽視され、事業者の経済的な論理主導で法令が作られ、解釈され、運用されてきています。

ここに問題を感じるなら、制度を変えなければならないわけですが、それを住民が公に発することのできる場が審査請求であり、陳情・請願です。

現在の制度が、実態に合わなくなっていることを住民がうったえる場が、陳情であり請願ですが、大田区議会ではマンション紛争を「私人」間で解決すべきこととして陳情請願の対象にしていません。【5陳情されない場合(6)参照】 こうした悪しき大田区議会の慣例が大田区のまちづくりを周辺自治体よりも更に問題あるものにしています。

先日、大森北のマンション建築に端を発し、液状化とワンルームマンションの問題について陳情が提出されましたが、結果、大田区ではワンルームマンションの規定の一部変更を考えています。
住民の声が、公に発せられることは、制度の改正につながる大きな力なのです。

国・自治体における、議会への陳情・請願と行政への審査請求。これらがの持つ意味合いを考えれば、そのどれもが重要です。

そうした意味で、国への審査請求が仮に形骸化しているとしても、また、地方分権といわれても、まちづくり、都市計画の根本には建築基準法、都市計画法等の 法律があるわけで、そこ=法が変わらなければ、変えられないことも大きいわけですから、この制度は残し、きちんと機能させることこそが重要であると考えま す。