大田区下丸子の都営アパート

・14階建て、築40年のHPC造
・世帯数約200

維持管理は東京都住宅整備公社による

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現在、大田区下丸子の都営アパートは、スーパーリフォームと呼ばれる住宅の大規模改修を行う計画です。

この大規模改修について、いくつかの問題があり、住民と東京都、そして、維持管理を東京都より委託されている指定管理者「東京都住宅整備公社」との間でやりとりしています。

[1]ひる石=飛散性アスベストの取り扱いについて

~東京都に求められるコスト意識・リスク管理~

下丸子都営アパートは、天井に飛散性アスベストである「ひる石」が使われているため、かねてから東京都と住宅整備公社との間で、扱い方について話し合ってきました。

これまで計画されていた改修は、住みながら行うものだったため、密閉することが困難でしたが、今回は、転居して改修工事を行うため、密閉し除去を要望しましたが、住宅公社は、固化剤による封じ込めを提案し、それを東京都も了承しています。

この固化剤による封じ込めは、最近国土交通省が認めた工法のようで、ひる石を固化することでアスベストを飛散させずに天井ボードを張ることができるそうです。

しかし、飛散性アスベスト除去は、解体時に行わなければならないものです。今回、除去してしまえば、固化費用は不要です。
また、固化してもアスベストはそこに存在しますので、万が一の地震によるアスベスト飛散のリスクは残ったままです。

当初、ひる石の扱いについて工法が明らかになっていなかったため、予算の積算根拠をみればわかると思い求めたところ、都営住宅のスーパーリフォームにかかわる予算の算出根拠が存在しないことがわかりました。

23年度予算は、22年度と同じ金額だから積算根拠は無いと言われ、それでは22年度予算は?とうかがうとそれも無い。最初は、積算基準に基づき予算要求された”はず”ですが、示されませんでした。

こんないい加減な予算で、都営住宅の維持管理が行われているわけですが、それでも、東京都住宅整備公社は都営アパートの維持管理を行うにふさわしいということで、特命随意契約により選定されています。

確かに、選定理由には、

ア 都営住宅等及び共同施設の管理を効率的かつ適正に行うために必要な執行体制を確保することができること。
イ 安定的な経営基盤を有していること。
ウ 法その他の関係法令及び条例の規定を遵守し、適正な管理を行うことができること。

効率的という言葉がありますが、費用の積算根拠も無い状況で、何をもって効率的なのか理解に苦しみます。
加えて言えば、こうした「いいかげんな」予算建てで、何をもって「安定的な経営基盤」と評価できるのでしょうか。

[2]住民への説明のありかた。東京都・東京都住宅整備公社間のあいまいな責任の所在

一方で、スーパーリフォームにあたっては、転居が必要であり、当初から、移転先などについて、不安をもつ住民が住宅公社に確認をしていましたが、その対応にも問題があります。

住宅公社は、当初書面で、工事は、建物全部を一斉に改修する1クールで行うと説明していましたが、それを、移転先が確保できなくなったので2クールに一方的に変更してしまいました。

1クールと説明したのちに、合意書をとりつけ、その後2クールに変更されたため、住んでいる建物内で、少なくとも1年間改修工事をしながら住まなければならなくなりました。
現在、騒音や振動の中過ごさなくてはならなくなったことに不安を覚える住民と、東京都、住宅公社と住民とで交渉中です。

住民と東京都や住宅整備公社とのやり取りをみていると、東京都は住宅整備公社に委託しているとして指導責任を果たそうとしていません。

民間賃貸住宅において、大規模改修が行われる際には当然行われるべき「十分な説明」や「工事への配慮」に欠けています。

まさか、東京都は、民間より安く住ませてやっているのだからこのくらい我慢すべきと思っているわけではないと思いますが、都民の権利としてのあるべき住宅政策とはほど遠い状況です。

スーパーリフォームが行われて13年になりますが「何か言ったら住み続けられなくなるかもしれない」という住民の不安を良いことに、行うべき十分な説明と、人権を重んじた対応がとられてこなかったとしたら問題です。

この間、継続して関ってきましたが、東京都、東京都住宅整備公社の思わしくない対応に、都議会議員や国会議員、国土交通省、弁護士などまでかかわり、要望を重ねてきています。

住民が住宅の改修において、議員や国、弁護士まで介入させなければ、権利を行使できない状況は問題です。