「TPP参加交渉からの即時脱退を求める大学教員の会」シンポジウムに参加して分かった即時脱退の理屈

「TPP参加交渉からの即時脱退を求める大学教員の会」シンポジウムに参加し即時撤退の理屈になるほどと思った。
そこで、発言していらした大妻女子大学の田代洋一先生の

TPPはその輪郭から「関税並びに物品・サービスの貿易及び投資に対するその他の障壁を撤廃する」ことが明らかになったわけだが、

自民党決議では、

仮に交渉参加を決断する場合において、TPP が国民生活に大きな影響を及ぼし得ることから、以下の諸点を確実に実行すべきである。この場合において、特に、自然的・地理的条件に制約される農林水産分 野の重要5品目等やこれまで営々と築き上げてきた国民皆保険制度などの聖域(死活的利益)の確保を最優先し、それが確保できないと判断した場合は、脱退も辞さないものとする

とされている。
自民党は、主要五品目や国民皆保険制度など聖域を確保して交渉に臨むがそれが出来ないのなら脱退すると言っている。TPP の輪郭が明らかになり、障壁撤廃だと言っているのだから、交渉継続は有り得ない。即時脱退じゃないか。

というのは分かりやすい。非常に明快な論理だと思った。

一方で、外務省の発表を改めて読んでみると、非常に興味深い。

特に、包括的な市場アクセス

○包括的な市場アクセス:我々の労働者とビジネスにとっての新しい機会及び我々の消費者にとっての即時の利益を創出する ために,関税並びに物品・サービスの貿易及び投資に対するその他の障壁を撤廃する。

o Comprehensive market access: to eliminate tariffs and other barriers to goods and services trade and investment, so as to create new opportunities for our workers and businesses and immediate benefits for our consumers.

今さらながらだが、TPPは、貿易協定。経済のための協定ということだ。

そこに想定されているのは、worker。
TPにおいて、私たち国民は、「働いて富を生み出し、生みだされた富を消費する対象」という存在である定義づけられているということだ。