大田区は、一般会計予算の規模を毎年ふくらませてきています。
平成23年度予算は2360億円。この5年間に300億円以上も
予算ベースで増えてきたことになります。
現在、大田区は、入ってくる税金だけでは
区政を執行することができず、基金を取り崩しています。
大田区はその理由について、
経済状況悪化と高齢化に伴う福祉費増大。
それに待機児対策などをあげて説明しています。
確かにそうした理由もありますが、
果たしてそれだけが大田区の財政悪化の要因でしょうか。
私は大田区が行っている土地の購入に
問題があると考えています。
平成22年度の予算で大田区は取り崩す基金の額は100億円。
その6割は買った土地の返済にあてられているのです。
そしてそれらの土地の購入目的として目立っているのが、
緑地公園用地です。
大田区ではこの10年の間に緑を約60万㎡減らしています。
しかし、大田区には緑を守るための有効な政策がありません。
そして、大田区が唯一緑を守るために行っているのが、
土地を買って緑を守ることなのです。
高度経済成長期、税収にゆとりのある時期ならまだしも、
基金を取り崩さなければならないこの時期に
土地を買うことには慎重にならなければなりません。
大田区がこの1年間に失った緑60万㎡に対して、
大田区が土地を買うことで守れば緑はわずか2.5%に過ぎません。
土地を買って緑を守るには限界があるのです。
高度経済成長期、税収にゆとりのある時期ならまだしも、
基金を取り崩さなければならないこの時期に
土地を買うことには慎重にならなければなりません。
私は、緑を守るのであれば、まちづくりのルールを
きちんと定めるべきであると考えています。
大田区に緑化の規定はありますが、
お願いベースで守っても守らなくてもよいため
結果として緑は減っていくばかりなのです。
大田区では昨年の12月にまちづくり条例を策定しました。
私は、緑化のルールが盛り込まれることを期待しましたが、
大田区はそうした一切のルールの義務化を行いませんでした。
結果、まちづくりのルールについては形骸化した条例になっています。
お隣の世田谷区では、300㎡以上の開発に
緑化を義務付けることで緑を守っています。
大田区においても緑化を義務化するべきであると考えます。