動画付き【大田区空き家の適正管理に関する条例】を廃止してはいけない理由

空き家対策が様々な場面で取り上げられるようになっています。
空き家の有効活用、一見良いように聞こえますが、土地と建物は個人の財産、そこに固定資産税がからめば、財産権・課税権に係る重大な問題への配慮も必要です。行政でも議会でもない民間委員でなる審議会に、特定空き家と指定されると固定資産税が6倍になり、解体を命じられたりします。重大な財産権の問題が、空き家対策だからと許されている雰囲気が心配です。

そもそも、際限なく開発を許し空き家を容認する都市計画には手を付けず、空き家だけを「対策」するのは、政策上の不備だけではなく、増税、開発促進などの意図さえ感じます。大田区の空き家条例廃止から、その理由について発言しましたので報告します。
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動画【大田区空き家の適正管理に関する条例を廃止する条例】に反対した理由
5分28秒くらいから

平成28年第3回大田区議会定例会(第3日) 都市整備委員会審査報告、討論、採決

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第109号議案 大田区空き家の適正管理に関する条例を廃止する条例について反対の立場から討論いたします。

 
私が、特に問題視しているのは、空き家対策特別措置法に基づき策定した大田区空家等対策審議会条例の運用です。

特措法に根拠をもつ特定空き家に関するガイドラインは、特定空き家の基準を定める重要な指標になっています。ガイドラインは落書きやねずみ、植栽などで特定空き家とすることができるなど、基準が緩く、個人の財産権を侵害しかねません。

これをもとに、つくられた「大田区空家等対策計画」などが運用されれば、審議会のメンバーが固定資産税情報をみることができるだけでなく、憲法が、「あらたに租税を課し、又は現行の租税を変更するには、法律又は法律の定める条件によることを必要とする」として、課税は法律という国会の議決を求めている原則が崩れ、審議会と言う議会制民主主義の外側にいる委員が、減税措置を外すという課税に係ることになります。

また、代執行というかたちで、個人の財産である建築物の解体に、やはり、行政ではない民間が関与することになります。

既に一部の自治体で始まっている行政代執行の事例は、相続人が特定できないなどの事例も散見され、法整備しなければならない別の問題まで、この特措法のくくりで処理しているようで気になります。

課税に関わる問題、個人財産の取り扱いを審議会と言う行政ではない機関にゆだねることは、日本の法体系からみれば非常に大きな問題です。

大田区空き家の適正管理に関する条例が存続すれば、憲法の基本に基づき執行されるため、こうした審議会にゆだねる形ではなく、これまでの法体系の中で執行されるので、安易な減税措置にはつながらず、解体(代執行)も他者の人権を侵害する場合という極めて限定的な、しかし、憲法で守られた財産権の範囲で運用されることになります。

そもそも、これほどに空き家の問題を作り容認してきたのは無秩序な都市計画体系を容認してきた政府です。ここに手を付けること無く、今も、マンションを作り、大きな土地を細分化する開発を許しなら、空き家は困るから、大変だからと「特別措置」法まで作るやり方は、マッチポンプ政策的で違和感を覚えます。
取り組むべき法整備が違っています。
憲法尊重・擁護義務を課せられた私たち地方議員・公務員が絶対に守らねばならないことであり、効率性だけで判じるべきではなく反対といたします。

大田区の決算書から見る【税金の負担は大きくなるばかりなのに暮らしやすくなった実感がない理由】

大田区報を読んでいると、良いことばかりで、世の中バラ色に見えます。
でも、子育ても、介護も、教育も不安はつきません。

子育て環境を整えるのも、老後のケアを支えるのも、義務教育を充実させるのも大田区の役割は大きいわけですが、そことの関係はどうなっているのでしょう。

大田区の財政状況と、区政の実態とのかい離をこんな風に考えてみました。

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第98号議案 平成27年度大田区一般会計歳入歳出決算

第99号議案平成27年度大田区国民健康保険事業特別会計歳入歳出決算

第100号議案平成27年度大田区後期高齢者医療特別会計歳入歳出決算

第101号議案 平成27年度大田区介護保険特別会計歳入歳出決算

のすべての議案の認定に反対の立場から討論いたします。

 

地方分権の自治体への影響は、はかり知れません。
475もの法律を一括で改正した地方分権一括法は、それまで国の機関委任事務だった多くの事務を自治事務とし、地方自治体の責任を大きくしました。

地方分権で行われた三位一体の改革では、国の地方交付税減らしとも言われていますが、大きくなった自治体の権限に伴い、

・国庫補助負担金改革

・税源移譲

・地方交付税の見直し

が行われ、財政的にも地方自治体に大きな影響を与えています。

地方分権前の自治体財政と地方分権以降の自治体財政は、果たして同様の指標で見ることが適当でしょうか。

特に、地方交付税の削減により大幅な減収が起きたことから、権限に見合った税財源の移譲が行われなかったという評価になっていますが、
・地方交付税交付金の交付団体と不交付団体
・影響額の大きかった保育における待機児の多く出た都市部と地方

では、その影響が大幅に異なっているにも関わらず、三位一体の改革の影響やその後の自治体財政に及ぼした影響についての評価が、十分に行われてきていないのではないでしょうか。

款別質疑で取り上げたように、三位一体の改革が大田区財政に与えた影響は、平成18年から19年の一年間だけで、税源移譲による特別区民税の定率化で、32億円の増収。一方、国庫補助負担金改革の影響で36億円の減収です。多くの交付団体はこれに加え、地方交付税交付金の削減もありますから、その影響額も計り知れません。

ところが、23区だけはなぜか、特別区交付金、財政調整割合を52%から55%へと大幅に増やしています。

この財政調整交付金割合の変更は、清掃の都区移管が行われた平成12年に44%から52%になって以来のことです。
三位一体の改革と同時に行われた、この特別区交付金割合変更の大田区への影響額は、平成18年19年の比較で76億円にも上ります。23区総額で450億円ですから、減収になったであろう、多くの交付団体や不交付団体と23区とではまったく別のことが起きていたと考えるべきです。

そして、55%になって以降23区を中心とした都市部で待機児童が大幅に増えたわけです。

私たちは大田区の財政評価にあたり、地方分権で自治事務化されたこと、平成19年以降、大田区の財政構造が大幅に変わったこと、同時に保育をはじめとした区民の行政需要中での社会保障需要も大きく変化をしてきたことを自覚し、それにふさわしい使い方をしているかという視点で点検しなければなりませんが、そうした視点でみれば平成19年以降、優先度の低いところに税金を投入してきたと評価しています。税源移譲が行われた19年直後の平成20年秋にリーマンショックが起こったため、三位一体の改革による影響額が見えにくくなくなってしまいましたが、私たちは増税と財調割合の増を忘れてはなりません。

しかも、国は国庫補助負担金を廃止すると言いながら、私(わたくし)立保育園の国庫補助負担への補助を続けたことから、大田区は、私(わたくし)立保育園で待機児を解消することを選んできています。

今回の款別質疑において、民営化前の区立認可保育園、民営化後の区立認可保育園、民営化後の私立認可保育園とのおおよその定員一人当たり運営経費の比較から、必ずしも私立認可保育園の運営経費が安くなったと言えないことが判明しています。

株式会社に委ねれば、その一部が直営ではあり得ない株主配当に流れるうえ、保育士など労働者の賃金が』下がります

それを押してでも得られるメリットの検証ができていないのは問題です。今すぐ検証し民営化を見直さないと税負担が増すだけでなく格差が広がり大変なことになります。

たとえば、
一般財源比率、自主財源比率といった指標があります。

三位一体の改革以降、国庫補助負担金が廃止され、自主財源である住民税が増税となったわけですから、自主財源額は増えるはずですが、増えなかったのはリーマンショックだけでなく、国や東京都の補助金だのみの事業を行ってきたことにも原因があるのではないでしょうか。

自主財源比率が減っていて財政運営上の制約となっていると大田区は指摘していますが、リーマンショックで景気の厳しい時に住民税負担が区民に重くのしかかったことも忘れてはなりません。

自ら制約のある補助金を選び、それをもって財政上の制約を理由に、保育園の待機児や特別養護老人ホーム、障がい者施策など、必要な社会保障需要を先送りする方便に使われたなら問題です。

しかも、都と区の特別な関係から依存財源として扱われている特別区交付金ですが、限りなく自主財源に近い財源です。

これは、昨年の決算特別委員会の答弁、

「自主財源の確保は大変重要。特別区の場合、一般の市町村では、本来自主財源である市町村民税法人分と固定資産税は、都が一旦賦課・徴収した上で特別区交付金として交付されるため、依存財源と位置づけられているが、特別区交付金は、23区の固有財源とされている点で、他の依存財源と性格が異なり、必ずしも国や都などに依存した財源とは捉えていない。仮に、特別区交付金を自主財源と仮定した場合、自主財源割合は、68.03%となりまして、政令指定都市の自主財源割合平均の56.69%よりも高くなっている。依存財源という表現に入れるのは必ずしも正しくない」
からもわかります。

平成27年度決算で、特別区交付金を加えた数値は66.7%で平成26年度決算に比べ少し低くなっていますが、昨年の政令指定都市との比較でみれば十分に自由度の高い財政状況です。

大田区は、社会保障需要は積み残しながら、区政70周年、空の日などのイベントに莫大な税金を投入し、蒲蒲線は、ボールペンを作って宣伝してでも実現させようとしています。これらの財源は、三位一体の改革で得た財源ではないでしょうか。蒲蒲線誘致の運動はむしろ埼玉県民がすべきだと思いますが、不公平な保育料、深刻な在宅ケアより優先すべき課題でしょうか。自主財源を使って広報すべきは羽田空港の飛行ルート変更の問題ではないでしょうか。

また、
経常収支比率と言う指標があります。
財政の硬直化を表す数値ですが、上下水道や消防など大都市事務を東京都にゆだねている大田区が、一般市と同じ指標で評価されるのは、どうかという視点に加え、地方分権と規制緩和で民営化が進んでいますから、経常費である人件費が削減され、当然、経常収支比率が改善されていなければなりません。

ところが、今年になってようやく80%を下がりましたが、これまでの指定管理者制度の採用含め、民営化や民間委託の効果が表れているとは到底言えない数値です。

そもそも、行政需要を満たすべき多くの課題は、人によるケアであり、教育です。私は、人を消費財ととらえ、コスト削減すべき、と言う経済論理を公共サービスの場に持ち込むべきでは無いと考えています。そうした意味では、人件費+物件費(委託+システム経費)が抑制されて初めて効率化が達成できたことになります。電算化する、システムを使う理由は、人が行っているより効率的になるからです。

大田区の場合、マイナンバーの政策利用もしないと言っていますから、システム化に期待するのは効率性・利便性でしょう。ところが、この人件費+物件費は増えるばかりです。人を減らすよりシステム経費の方が高くつくなら、莫大な費用をかけたシステム改修が効率的と言えるでしょうか。

しかも、財政課に聞いても、物件費の中の委託費がいくらになっているのか、すぐに数字が出てきません。これで決算の認定をと言われても何を評価しろと言うのでしょうか。職員を減らすことで効率的になったかどうかの検証すらしていない現状は民営化の評価にすら値しません。

地方分権とそれに伴う民営化で、これまで使ってきた自主財源比率、経常収支比率、人件費率など、財政評価の数値がほとんど意味をなさない状況になっています。

決算の数値が意味をなさないことを示すものに、民営化の手法の1つ、指定管理者制度の利用料金制があります。

利用料金制を採用していなければ、大田区の歳入に計上される利用料ですが、指定管理者制度の利用料金制を採用すると、歳入歳出から除外されます。

たとえば、平成26年度決算で特別養護老人ホームの利用料金44億円は大田区の歳入から外れてしまっています。27年度決算での利用料金は27億円になっていますが、17億円減ったわけでは無く、長寿園運営の特別養護老人ホームの一部が民営化されたから、その利用料からも除外されてしまったということです。

平成26年度一年間の指定管理者制度の利用料金の合計は、約63億円にものぼりました。

今年も同様に、指定管理者制度を採用する各施設について利用料を調査しようとしましたが、教えてくださる施設担当部署とそうでない部署とに分かれ比較ができませんでした。それだけ利用料金が大田区の歳入とは無関係になってしまっていることの表れで、部署の中には最初「開示請求せよ」というところもありました。

さらに問題だったのは、伊豆高原学園は利用料を知らせない協定になっていると聞いたことです。

これでは、指定管理者制度を採用する施設の利用料が適正かどうか区議会は判断することができないばかりでなく、大田区を運営するにあたり、区民にいくらのご負担をいただいているのか把握できなくなることを意味します。

伊豆高原学園という、区民の財産で、特定事業者が営利活動をすることになったということでしょう。こんな民営化をしていいのでしょうか。となれば、区民の財産で特定の誰かを儲けさせることを大田区が行うべきか、という問題にもつながり議論が必要です。

大田区の一般会計決算は、ほぼ毎年のように増え続けています。これは、区民に、「区税、都税、国税、利用料・使用料」で大田区のためにご負担いただいている総額で、区政を判断する重要な指標でもあります。

ところが、これまでの制度であれば、大田区の歳入としてきちんと把握出来てきたものが、ひとたび指定管理者制度や民営化になれば、見えなくなってしまいます。民営化されるということは、行政の管理からはなれ、市場化され、消費にかわるということで、財政処理がそれを明確に物語っています。

認可保育園の保育料は大田区の利用料ですが、認証保育所の保育料が歳入に入らないのは経済活動だということです。

仮に、認可保育園が指定管理者制度を採用し利用料金制をとってしまえば、大田区の歳入から除外されることになります。やるかやらないかは別に制度上は可能です。既に障害者施設、高齢者施設は採用しています。

平成27年度大田区一般会計歳入歳出決算は2573億円ですが、それ以外に、大田区民は、特別会計だけでなく、指定管理者制度における利用料金でおよその推計で65億円、認証保育所保育料で約1億円など、見えない負担を強いられています。

そしてその負担がより大きく見えにくくなっています。

費用対効果と言う言葉が使われるようになり、民営化がすすめられてきました。ところが、民営化が進んだら、費用負担の程度が見えなくなってきました。見えない負担を、私たちは評価することができるでしょうか。

国民負担率と言う言葉があります。

保育や介護や障害サービスが民営化で大田区の帳簿上歳入歳出から除外されていても、大田区民は負担しているのです。

民営化で利用料が大田区の歳入歳出決算表の外に出されれば、施設使用料や保育料が引き上げられても区民負担増は見えません。こうした財政上の数の操作は、区民に区民負担が見えにくくなるだけでなく、税金の使い方としても問題です。

物を買っても、箱物を作っても福祉費になりますから、福祉費が増加しても必ずしも受けられる福祉サービス供給量の増加につながるわけでもありません。

地方分権により社会保障の責任主体が大田区になったにもかかわらず、それにふさわしい使い方とは到底認められず認定することはできず反対といたします。

大田区の可燃ごみ収集を民間委託して心配な理由

【動画】37分53秒から

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大田区は可燃ごみ収集を民間委託するための一般財団法人を設立する経費を補正予算計上しました。私は都市生活に欠かせないごみ収集を全面的に民間に任せることについて、次のような心配が解消されなかったため、反対しました。
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補正予算は不要不急のやむを得ない状況の変化に対応するというのが基本です。

また、首長の権限は、地方自治法に規定されていますし、自治体の長だからと言って何をしても良いわけではありません。議会制民主主義における、合意形成の在り方は、予算執行における妥当性や正当性にもつながる重要なポイントです。特に、合意形成において区民や区民の代表である議会への説明が重要であると大田区も議案質疑の際に答弁しています。

しかし、今回の補正予算に計上されている環境清掃714万1千円は、可燃ごみの委託のための仮称一般財団法人大田区環境公社の設立にかかわる経費ですが、
①なぜ当初予算に計上することができず補正予算で計上しているのか

②なぜ委託しなければならないのか、委託することのメリットは何かなどについて、

議案質疑しましたが、委員会審議を通じ明確な説明は得られませんでした。

質疑に対し大田区は、「2017年4月から委託を開始しなければならない」と答弁しましたが、それでは2016年度予算に計上できなかった説明にはなりません。

大田区は、2016年1月に株式会社大田まちづくり公社の定款を変更し資源循環に関する業務を追加しています。

たとえば、ここを受託先にしようと思っていたが、急きょ変更しなければならない事由が生じ、一般社団法人大田区環境公社を設立しなければならなくなったというなら、株式会社まちづくりではだめになって理由を説明すべきです。今回の理由は未だにわかっていませんが、質疑の答弁にすり替えがみられ説明になっておらず問題です。

大田区は一般財団法人大田区環境公社を「安定的サービス提供を確保できる組織」「高い能力を持った組織」であるとして、委託を正当化しようとしていますが、「これから設立する法人」が安定的サービスを提供できる組織であったり、高い能力を持った組織であったりするはずがありません。

委員会で配布された資料に記されている内容は大田区の希望に過ぎず、どうやってそうした能力を持たせるかのしくみこそが重要ですがここの説明はありません。

特に、都市生活におけるごみの問題は、生きていく上で欠かせない重大な問題です。区民の中には、「ごみを集めてもらうために税金を払っているのではないか」とごみと税負担を直結させる方もいます。

こうした状況で、今後、収集を民間に委託すると言えば、気になるのが収集料金と労務単価の問題、そしてガバナンスの問題です。

大田区は、委員会配布資料の中で、ごみ削減量5%に対してごみ処理経費を13%削減したことを効果として掲げていますが、考えてみれば、退職不補充ということですから、一番給与の高い収集職員がやめるかわりに、非正規職員を採用していますから、その給与差分経費削減できるのは当然です。

本来、議会に報告すべきは、削減したと言っている処理経費における収集、運搬などの内訳や車一台当たりの単価の変化と、委託による経費削減をどう見込んでいるのかでしょう。場合によっては、上がっている部分と下がっている部分があるかもしれず、大田区の清掃事業から収集現場の職員がいなくなるという重大な政策転換を説明するにはあまりにも不十分な説明です。

大田区は、委託ありきで職員不補充を続け、委託に誘導しながら、収集能力が不足するので委託と言いますが、それではなぜ退職不補充にしてきたかの説明にはなりません。

しかも、経費削減ができてきたにも関わらず、委託に切り替える理由は何かを議会に説明すべきです。

ライフラインと位置づけるべきごみ収集を公務労働が担ってきたのは理由があります。しかも、ごみは地域独占事業です。大田区がごみを集めないからと言って、区民は他区や自分で処理することはできません。なぜ官だったのかどうして民間でよいのか、を明確に位置付けずに安易に委託すれば、今後の委託費の高騰や収集体制の質の低下、現場労働者の低賃金化、将来のごみの民営化などにつながる恐れがありますが、これらの議論があまりにも不十分です。

区民生活におけるプライバシーの塊である可燃ごみを民間に提供しなければならない仕組みは、大丈夫でしょうか。資源を抜き去り対策防止のために大田区の物と条例で位置づけましたが、全面委託になるのなら、可燃ごみの位置づけを条例で明確に位置付けるべきだったのではないでしょうか。

一方、この可燃ごみの委託にかかわらず、委託の経費削減のほとんどは人件費差額によるものですが、下がった人件費の分区民に還元されている実感はありません。公務労働を経費削減のために非正規化、外部化し、結果として低賃金労働者を作ってきた是非についての検証も大田区はしていません。

委託先は、一般財団法人ですが、環境分野への事業展開を今から視野に入れて設立しています。公益財団法人ではないので、委託による利益が区民の行政需要に直結しない公益ですら無い分野に投入される可能性も否定できません。

ところが、清掃事業の委託は議決事項ではありませんから、議会での審議はこの財団の設立と委託費盛り込まれた当初予算ということになります。

外郭団体ができれば、大田区の税金が流れますが、外郭団体は、議会へは財務内容などの報告だけで議会の関与は薄くなります。しかも、大田区が報告する外郭団体と位置づければの話ですから、観光協会のように、税金は投入されても報告は義務づけない外郭団体になるかも知れません。

こうしたこともあわせて審議に際して議会に報告すべきですが、こんなに重大なことがA4一枚の表面だけの簡素な委員会報告ですまされてしまっています。

ごみというライフラインの1つとして位置付けられるべき重要な施策の委託という大きな大田区政の方向転換であるにもかかわらず、説明も不十分なだけでなく、そもそも委託にふさわしい事業ではないことから反対いたします。

 

TPPや国家戦略特区などの規制緩和が大田区の施策・入札・契約などを通じ、 区民生活に与える影響と大田区のなすべき役割について

「TPPや国家戦略特区などの規制緩和が大田区の施策・入札・契約などを通じ、区民生活に与える影響と大田区のなすべき役割について」質問しました。秋の臨時国会で国会承認を得ようとしているTPPが地域経済や住民に与える影響について、今回は特に公共調達を事例に質問しています。

下線部が質問部分。
答弁は正確を記すために、議事録速報が上がってからとします。

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フェアな民主主義 奈須りえです。

大田区とは一体何をすべきところなのでしょうか。最近の大田区が行っていることは、本当に基礎自治体である行政が、子育てや介護などが足りていない中、最優先課題として行うべきものなのかと疑うものが目につきます。新しい大田区のイメージキャラクターを作り区歌があるのに区政70周年でイメージソングを作り、予算には全国初という文字が踊り、決算資料として出される「主要施策の評価」はいつの間に分厚い冊子になり、まるで民間企業のPRのようです。行政は宣伝しなければならないところだったのでしょうか。区民が毎日の暮らしの中で必要なセーフティーネットを張り巡らせる地道な事業こそが大田区の最優先課題ではないのでしょうか。

その一方で、長い歴史的な経緯の中で大田区民とともに行政大田区や、大田区議会が守り、積み上げてきた数々の区民生活を守るための法令などを「一部の経済利益」のために、緩和し、なかったことにしようとしています。羽田空港飛行ルート変更は、安全と区民の快適な生活を確保できない限り空港を撤去するとした空港撤去決議など大田区の歴史的経緯をからみればあり得ない話です。その撤去の決議があったから羽田空港は沖合に移転し空港跡地ができました。跡地開発さえできれば何のために沖合移転したかを忘れてしまうことの無いよう、区長には首都圏の空を守る気概をもって取り組んでいただきたいと思います。

この規制緩和のランドマーク的な施策が「国家戦略特区」です。

区長自ら手をあげ、主体的、積極的に進めていますが、国家戦略特区が何かといえば、区域を限定した規制緩和による経済政策です。

法治国家日本において、法令で作られた多くの「規制」は、私たちの権利=基本的人権を守るために存在しています。それを緩和すれば、法で守られている私たちの権利は無防備になります。規制緩和が進めば進むほど、無法地帯が広がり、弱肉強食で自己責任の範囲が広がる構図です。

大田区において旅館業法の適用除外を認めている「民泊」は、国家戦略特区のしくみを使っています。民泊で、大田区内では、旅館業法の適用を除外されるため、大田区は、民泊条例を設置した際にガイドラインを定め、消防への届け出や一人当たり床面積など、法が守ってきた安全や衛生、住環境が守られるよう努めています。

法令が求める安全、衛生、環境、雇用などの基準は、経済活動にとっては、コスト負担を強いられる邪魔な存在かもしれませんが、規制を緩和すれば、それまでその規制によって守られてきた区民に影響が及ぶということです。

 特区といえば、一般には開発途上国の経済政策ですが、国家戦略特区は先進国日本の首都東京含めた、大阪、名古屋、福岡など大都市圏がほぼ網羅されていて影響が大きく、「特区」とは言えない状況です。ILO(国際労働機関)は経済特別区を「外国投資を誘致するために特別な優遇策を付与された産業地区。地区に輸入された財は再輸出のために程度の差はあるが加工される。」と定義していますが、小泉構造改革特区以来、日本に設置されてきた特区は「規制緩和」に考え方が偏っている傾向があると郭洋春立教大学経済学部教授が指摘するように、規制を緩和し外国投資を呼び込むことが目的になっていて、特区内に輸入された財が加工されたのち再輸出されるといったことにはまったく触れられていません。

 しかも何のための規制緩和かといえば、2013年の日本再興戦略に「規制改革の突破口として国家戦略特区を使って世界から投資を呼び込む」と記されているとおり外国投資を呼び込むことが目的です。「日本再興戦略」改訂2015では「投資家の目を意識した経営が幅広く浸透し、企業の自己資本(株主資本)に対する当期純利益ROEの割合が10%を超える上場企業は、2年前の4社に1社から3社に1社になった。」と特区を評価しています。

そこで質問させていただきます。

多くの規制は国民・区民の権利を守るために存在しますが、区長は、国家戦略特区が、その規制を外国投資のために緩和する政策であることを認識したうえで手をあげているのでしょうか。

規制を緩和して外国投資家は利益を上げることができるかもしれませんが、権利を守ってきた規制を区民が失えば、区民生活に影響を及ぼします。
2014年4月の国家戦略特区ワーキンググループにおいて、民間有識者の「羽田空港の近くで『雇用ルールについての特例措置』や『医療サービスの提供』はあり得るのか。あり得るなら、外国人医師や病床規制もあり得るのか具体的に相談を」、という申し出に対し、松原区長は「ぜひお打ち合わせというか、そういう協議をさせていただければありがたい」とこたえています。

松原区長は、「雇用規制をさらにゆるめることや医療圏ごとに定められているベッド数を増やすこと、外国人医師に日本で医療行為を行わせること」について是非協議したいと答えているのです。

雇用規制の緩和で企業は経営の効率化をはかれますが、区民の雇用は不安定になります。空港の近くでベッド数を増やし外国人医師の診療を可能にすれば、高度医療、先進医療の拠点を作り、外国の医薬品や医療機器の売り上げを伸ばすことができますが、医療費が高騰することが予想されるだけでなく、周辺の病院経営にも影響を及ぼすでしょう。

 国家戦略特区は、経済政策のため、通常の法改正であれば行われる規制緩和の影響についての検証が無いばかりか経済利益をあげれば、雇用が不安定になっても、安全性が低下しても、効果があるとされ全国展開するしくみになっています。
そこでうかがいます。

・区長は、特区による規制緩和が、一部の投資家の利益のための経済政策であり、同時に、区民をはじめとした投資家以外の人たちの不利益につながるかも知れないことについてどのようにとらえ、国家戦略特区を区長の目玉の政策としているのでしょうか。

・また、区長は、特区の規制緩和によって区民の雇用や医療、安全や環境が守られなくなることについてどのように考えていますか。少なくとも、国が規制緩和の影響について事前に検証していない以上、大田区として規制緩和による影響を検証したうえで、区民生活に影響を及ぼす規制緩和策は行わない、必要な対抗策を講じるなどが必要だと考えますがいかがでしょうか。

こうした規制緩和による外国投資家のための経済政策は、区民生活だけでなく、経営者にも大きな影響を及ぼすととらえています。 そこで心配しているのが政府が今年の秋の国会承認を目指しているTPPです。TPPはモノの関税だけでなく、サービス、投資の自由化を進めるアメリカ、カナダなど太平洋12か国で結ぼうとしている国家間の経済協定です。

アメリカでは、いずれの大統領候補もTPPに反対の姿勢ですから、そう簡単にTPPが批准されることにはならないと思われますが、だからと言って、こうした国を超えた投資利益拡大政策がそう簡単にストップすることにはならないでしょう。同様の自由貿易協定は、TPPだけでなく、ヨーロッパを含めたTisaや二国間協定など様々な可能性があるからです。

今年2月に署名が行われたTPP協定について協定文の公開以降、日本、アメリカはじめ各国でも、国会議員や市民団体が分析と問題提起を続けています。それをみると、TPPが大田区内の事業者に与える影響が、いかに深刻か、規制がいかに区民生活を守っているのかがわかります。

今日はその中の政府調達と言われる物品購入や入札の影響について取り上げたいと思います。

たとえば、大田区では、建設工事や物品調達などにおいて、大田区内業者に限定した制限付き一般競争入札や指名競争入札を行っています。大田区内に限定しているのは区内産業育成の視点であり、その事業者が競争力を持った企業に成長発展していただくことが期待されるからです。区内の景気向上、雇用や受発注の確保という経済波及効果も狙っています。今回の補正予算に計上されているリフォーム助成もそうした視点で計上されているのでしょう。

ところが、TPPはこうした国や地域に限った制限も経済障壁とみなし、外国資本含め誰もが入札や契約に参加できる状況をつくるためのしくみです。一般原則として、外資と国内企業を区別し「現地調達」や「自国物品の購入や利用優先」をしてはならないとされています。

内閣官房のTPPについてのQ&Aでは、国と都道府県および政令市に限ると説明されていますが、協定文書には「協定締結後3年以内に適用範囲の拡大を達成するため地方自治体も含んだ交渉を開始する」「交渉開始前でも地方自治体を対象とすることについて合意できる」書かれていますから、当初から自治体を対象としているとみるべきで、国の説明のニュアンスとは、大きな温度差があります。しかも、批准後は政府調達に関する小委員会をおいて、対象機関の拡大、基準額の改定、差別的な措置の削減と撤廃を議題にしていくとしていますから、大田区の契約や入札は熾烈な競争にさらされる可能性が大きいということです。

大都市として一体的にみられることも多い23区が対象に加わる可能性は、他の自治体に比べれば高いとみるべきでしょう。

現時点での対象金額は物品で3300万円。建設で24億7000万円。建設技術サービスで2億4000万円。その他サービスで3300万円となっています。

今後のTPPの交渉で、地方自治体が対象になれば、今回の議案の防災毛布購入は消費税込みで9000万円を超えますから制限付き競争入札ができなくなり、たとえばアメリカ防災毛布という外資系企業が落札するかもしれません。大田区は、可燃ごみの民間委託の受け皿として一般社団法人を設立しようとしていますが、対象機関が拡大すれば、そこでの契約にも制限なしの入札をといった競争性を求められるようになるかもしれません。

対象が広り金額が引き下げられれば、区内事業者への影響は拡大し、区民生活にも影響を及ぼすでしょう。

受託会社が変わっても、現場で働く人は同じ、という話を聞きますが、外資が大田区の契約をとっても、働く人は同じで、賃金が下がったり下請け、孫請けの利幅が少なくなったりするのかも知れません。

今後は、水道、道路、建物などあらゆるインフラの施工・管理について民営化も視野にいれた外資との競争がおきる可能性が高いのです。TPPなど自由経済貿易で経済障壁が無くなったとき最も大きな影響をうける分野の1つがこの公共調達であると私はとらえています。

そこで、うかがいます。

日本政府は、TPPについて、秋の臨時国会での承認を目指していて、仮に承認されれば2年以内に発効する可能性があります。

私は、TPPは批准すべきではないと考えています。区長はこうした区内産業への影響を考えれば政府に対し、TPPに異を唱えるべきと考えますがいかがでしょうか。

異を唱えることをしないのであれば、少なくとも、TPP批准前までに、区内産業育成のために、制限付き競争入札などを行ってきましたが、それらをルール化条例化して、区内産業を育成するとともに区民生活を守るべきではないでしょうか。

準区内と言って大田区に机と電話を置いている事業者も区内ですから、外資も区内になりえます。

そこで重要になるのが、大田区という行政がなぜ区内事業者を優先しているのか、してきたのか、ということです。

区内で安定的な雇用を支え、区内調達で循環経済に資する。法令順守は当然のこととして、環境を守り、障害者雇用を支えるなど社会的責任を果たす。こうした事業者だからこそ、大田区民の税金を投入する意義を持つのではないでしょうか。

いま、規模の大きな事業者が大田区の仕事をとる。契約そのものの規模が大きくなっている。ように見えます。今回、解体と建設の一括発注議案が送付されていますが、最近の究極の一括発注といえば、点検を行わせ見つかった必要な個所の修繕までゆだねている本庁舎の耐震補強工事でしょう。大田区がTPPの対象になれば、契約金額の引き下げも気になりますが、こうした大きな契約が増えている状況は、大田区自ら外国資本に対して有利な契約を用意する形になっていると見ることもできます。介護保険の単価の改正により小規模事業者が厳しい経営を迫られているのも大規模資本優遇とは見られないでしょうか。

今や日本の大企業も大株主は外資というところが少なくありませんが、政府や大田区の外国資本優遇がこうしたところにも表れているのかもしれません。

しかし、日本の7割の雇用を支えているのは中小企業です。こうして大きな事業者に集約されたり、契約規模が大きくなれば、公共調達に限ったことではありませんが、淘汰されたり、下請けや孫請けが発生し、下請け孫請けの利幅が小さくなる可能性もあります。

日ごろの維持管理を怠り、まとめて大規模工事を大規模事業者に発注するより、手間がかかっても、地域の中小事業者にこまめに発注することで、長く大切に区民の建物の維持管理をすべき。物品調達すべきというのが私の基本的な考え方です。

グローバル化の潮流の中で、区民生活を守り、区民の雇用を守るのは大田区の責務です。

TPPという一つの危機を機に、少なくとも公共調達については、区民の税金で区内雇用を安定的に支える。区内調達で循環経済に資する。法令順守。環境配慮。障害者雇用。などを評価する政策入札・公契約条例のしくみを導入するなど、大田区の契約の在り方を見直すべき時期にきているのではないでしょうか。

TPPなどの貿易自由化により入札や契約を自由化すれば、税金の一部が外国投資家に流出し再投資される保証はありません。区民からお預かりした税金をどう使うべきなのか、区長の見解をお示しください。

Q4外国でも飛んでると言ってるけど? A密集市街地の低空飛行は世界の非常識

国交省はこうした密集市街地を飛ぶ例は外国にも国内にもあるとして、ロンドンのヒースロー、アメリカのニューヨーク周辺のJFK、ラガーディアなどの空港や、伊丹、福岡をあげています。

しかし、市街地までの距離が異なるうえ、緩衝帯が設けられたり、海や川を使っているなど、周辺環境も異なります。

かつて危険だといわれていた香港のカイタック空港は、廃止され、今は安全な島の空港に移転しています。そうした意味では世界の安全な空港への流れと逆行しているのが今回の飛行ルート変更です。

伊丹についていえば、危険だったからということで莫大な費用をかけ関西国際空港を作ったはずですが、「地元要望」で飛ばすことになっているという非常に特殊な事例です。

言ってみれば、移転させて成田国際空港を作ったにもかかわらず、羽田を再国際化させた事例とよく似ているかもしれません。

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 Q4海外でも密集市街地を飛行機は飛んでいるの?

国交省はこうした密集市街地を飛ぶ例は外国にも国内にもあるとして、ロンドンのヒースロー、アメリカのニューヨーク周辺のJFK、ラガーディアなどの空港や、伊丹、福岡をあげています。

A.市街地までの距離が異なるうえ、空港周辺には緩衝帯があり、海川などを利用して、離着陸が行われています。

飛行機事故は、クリティカルイレブンミニッツと言って、離陸後3分と着陸前8分に一番多いといわれています。
その事故の多い時は、万が一の事故の被害を最小限に抑える意味もあり、周辺に緩衝帯が設けられ、海や山、緩衝帯の上を飛んでいるわけです。

新飛行ルートは、着陸前の危険が大きくなる時に、東京の密集市街地を飛ぶ非常に危険なルートなのです。

国交省が、海外でも市街地を飛んでいると例にあげているニューヨークやロンドンは、市街地までの距離が異なるうえ、緩衝帯が設けられたり、海や川を使っているなど、周辺環境も異なります。

下図の緑の円、白い円がわかりますか?

10km、20km、30kmというラインがあります。
上のヒースロー空港からロンドン市街地までは20kmを超えていますし、その間には緩衝帯が広がっています。
以前に大田区の初代観光課長だった元JALの課長から参考図書とともに、海外では空港周辺に緩衝帯を設けるようになっているということを教えていただきました。

下はニューヨークですが、楕円の空港は海に隣接していて、海上などを使って離着陸しています。

伊丹についていえば、危険だったからということで莫大な費用をかけ関西国際空港を作ったはずですが、「地元要望」で飛ばすことになっているという非常に特殊な事例です。

言ってみれば、移転させて成田国際空港を作ったにもかかわらず、羽田を再国際化させた事例とよく似ているかもしれません。