大森赤十字病院に資金を貸し付けるという条例が出されました。

付託されたのは保健福祉委員会。
委員会審議の結果は可決でしたが、委員会審議の様子を聞いても
私が調査しても明らかになっていない不明な点があり、慎重に
検討すべきと判断して「継続審議」を主張しました。

私の「継続審議」の主張は否決され条例は可決。
大田区は今月末から大森赤十字病院に融資を始めます。

それでは、私が、何を十分審議し明らかにしたかったのか報告します


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この議案は、大森赤十字病院の改築事業に伴う資金を
貸し付けるための条例です。
経営困難な大森赤十字病院に資金を貸し付けることで
病院運営の安定化を図り、区民の健康と安全を守り
地域医療の発展に寄与することを目的としています。

貸し付け金額は16億1131万円。これを10年にわけて
貸し付けます。
返済期間は5年据え置きの20年間。

私も地域医療の拠点としての役割を長年にわたり
になってきた大森赤十字病院の建て替えを支援すること
にはなんら意義はありません。

しかし、この条例には大きく3つの大きな疑問があり
それが明らかになっていません。

貸し付けにあたっての3つの不安要因


①【明らかになっていない経営計画】

この貸付条例が日赤の老朽化した病院の改築の資金不足を
補うことが発端でありながら、具体的な経営計画について
何一つ示されていないことです。

例えば改築に総額でいくらかかり、そのうちの自己資金や
日赤本体および金融機関からの借入の状況などの全体の
資金計画も明らかになっていません。

実際に、資金提供は、建物はもう出来上がっていますので
改築代金支払いが当然終了してから、今後10年にわたって
行われることになります。改築資金で無いことは明らかです。

②【曖昧な、今後の大田区の地域医療に対する姿勢】

地域の中核医療機関は日赤に限りません。
確かに日赤の公的部分が全く無いとは言いませんが、
回資金貸し付けに伴い大田区と日赤がかわした覚書や協定書で
日赤に担っていただく地域医療への貢献は、他の医療機関にも
期待すべきことであると同時に、他の医療機関でも既に担って
いただいていることでもあります。

この条例ができれば、他の医療機関が経営困難になった場合
大田区は公平性の観点から、全く無視することはできなくなる
のではないでしょうか。

大田区の地域中核医療機関に対する方針が必要です。

仮に日赤の公的機関としての位置づけをより強固なものにする
意味合いがあるのであれば、今回の覚書や協定書だけでは十
分とは言えず更なる検討が必要です。


③【大田区が貸主になることの意味】

このところ、大田区が貸主となり低利で民間事業者に
資金を貸し付ける事業が増えています。

しかし、大田区が貸主になるということは、大田区が
債権管理をするということでもあります。
調に返済されていても債権管理にはコストがかかります
が、仮に返済が滞れば、債権管理にかかる手間は膨大です。

しかも大田区には病院経営のノウハウも資金貸し付けの
ノウハウも無いのです。
大森日赤は、大田区立病院では無く、一民間病院です。

資金援助するのであれば、市中金利と1%との差額を
補てんするなど、金利減免といった形で行う方法もあります。

貸し付け条例制定にあたっては、
①大森日赤病院の経営改善計画を明らかにすること。
②公平性の観点からも貸し付けを行うのであれば、
地域医療への貢献を更に強固なものにすることへの検討。
③.直接融資ではない資金援助の方法について検討する
こと。できないのであればその理由を明らかにすること

の3点について更なる審議をすることを要望し、継続審議を主張します。