~指定管理者制度・利用料金制の問題(大田体育館の区民利用が制限されてしまう)~

体育館の区民利用が確保されない点と生活保護予算の計上の問題から第四回定例会において補正予算(第4次)に反対しました。

区民利用が確保されない問題は、大きくわけて2つあります。

■収益目的利用が無制限に優先され、区民利用が確保されないしくみ■

第一点は、収益目的利用や自主事業が無制限に優先され、そのあとのあいたところを区民が利用するしくみになっていることです。
結果として、誰もが利用を希望する時期に収益目的の利用が入るなど、区民利用が制限される恐れがあります。
季節や曜日、時間帯などで上限を定めるなどして、区民利用についての確保のしくみを作るべきではないでしょうか。

利用料金制は、利用料金が指定管理者の直接の収入となりますので、指定管理者は、使用料の高い利用者に貸し出します。

蓋をあけてみたら、プロスポーツの利用割合が低く、区民利用が制限されないかも知れませんが、自主事業含め一定の歯止めのしくみを作るべきです。

利用料金制の区民利用と収益事業との関係は、大田体育館にとどまりません。
今回議決される公園プールにおいても同様の指摘が可能です。

二点目は、予約の方法です。


■収益目的の安易な場所取りに使われかねない予約の仕組み■

入場料を徴収する場合、2年前から予約可能なうえ、利用料金の納付期限は5か月前の前日で、しかも利用料の1割でよいという優遇されている条件です。
そのうえ、キャンセルの場合5か月前の前日までは、利用料金の全額を返還するというのですから、入場料を徴収する事業者は、とりあえず予約して5カ月の前日までに考えればよいことになります。

体育館ではありませんが、品川区のきゅりあんでは1年前から予約でき予約してから一カ月以内に利用料金を支払うよう定めていてその間に利用審査を行っています。大田区は利用の承認は受け付け順、しかも受付の順序は入場料の多いか少ないかしかありません。
たとえば、受け付けが確定するのは、料金が支払われてからとする。そのうえで、安易な場所とりに使われないようキャンセル料金のありかたなども十分に検討することが必要です。

特に利用料金制が採用され区有財産が収益目的に使用される機会が多くなっているため、今後、きちんと整理していかなければならない課題です。

今回送付された規則をよく読んだところ、10ページの付則に規則の施行は来年の6月30日だが、指定管理者は、規則施行日前に指定管理者が予約できると定めています。

規則施行後に、体育館予約の有無について教育委員会に重ねて確認しましたが、予約はまだ受け付けていないと発言し、求めたところ空欄の予約簿を持ってきました。

興行を目的としたプロスポーツであれば、準備や広報の関係で既に、1年後2年後のスケジュールは決まっているのは当然ですが、一年をきっているにも関わら ず、一件も予約が入っていないというのです。先日、ためしに、大田区総合体育館 2012年でインターネットで検索をかけてみたところ、来年の夏のイベン トの開催が大田区総合体育館で行われるという案内がみつかりました。

規則に予約の方法をしめしていながら、なぜ予約状況を公表できないのでしょうか。求められれば、どの日に予約が入っているといったうぐいすネットで公表している程度の予約状況は、速やかに公表すべきです。

公共施設であるにもかかわらず、情報を公開せず、また、説明せず、私物化したような利用を促している現状で、公平な公共施設利用は確保されるのでしょうか。

大田区が、事前に一部の区民に対し利用が厳しくなると言ったのは、こうした背景があったからではないでしょうか。

大田区の管理下にありながら、このようなあいまいな予約状況で、はたして指定管理者になったときの利用許可が適正に行われるでしょうか。

私は、これまで、再三にわたり、条例制定時に規則も同時に示すよう発言してきて、ようやく、一部示されるようになってきました

条例で大きな枠組みを定めても、規則いかんで、その内容は大きく異なります。
規則も大田区総合体育館条例議決時に示されていることがどれほど重要か、今回の体育館の利用規定で明らかになったといえます。

補正予算には、指定管理者の開設準備経費等が計上されていますが、このままの状況で、適正な体育館運営と区民利用の確保は望めません。