「特別区制度と課題」と題した23区の区議会議員向け研修会に参加した。

主催は公益財団法人 特別区協議会。

大阪都構想否決直後のこの時期に、都区別区制度をテーマに研修とはタイムリーな企画だと思い参加した。

しかし、参加して気になることがあったので、その場で質問したうえ、翌日、電話にて口頭で指摘し、後日、文書にて送付するとお伝えした。本日付で、以下の文書を送付した。


 

2015年8月7日

公益財団法人 特別区協議会 様

 

大田区議会議員 奈須利江

日頃より、特別区協議会におかれましては、23区の運営、発展のためにご尽力いただき誠にありがとうございます。

 私は、大田区議会議員として過日2015年7月14日に開催されました23区議員向け学習会「特別区制度と課題」に参加させていただきました。

学習会で取り上げていただきました「特別区制度と課題」は、東京23区の区議会議員として誰もが学ばなければならない必須の問題です。
学習会の中でもご指摘いただきましたように、平成10年の地方自治法改正により、特別区が基礎的な地方公共団体として位置付けられたものの、23区は自治権拡充の途上にあるという歴史的な認識が薄れていく中、あらためて、歴史的経過を踏まえた都と23区の関係を確認することは非常に重要であり、時宜にかなったテーマを取り上げてくださいましたことに感謝申し上げます。

特に、地方分権や三位一体の改革、大都市法の成立、法人住民税の国税化、大阪都構想の住民投票の否決、今後の道州制等々、様々な文脈で進む変化は、必ずしも23区にとって評価できるものばかりではありません。これらの流れをどうとらえ、近い将来23区が必ず直面するこれらの課題について、私たち23区の区議会議員が、23区全体として、また各区の住民代表として、どのように議論を深めていくのかという意味で非常に重要な学習会と位置付けられると考えます。

国、東京都、23区が一体となって取り組まなければならない課題がある一方、国、東京都、23区それぞれの課題や思惑もあり、それを、国が行っている法改正、税制改正などの制度改正の文脈だけで説明すれば、23区の課題は見過ごされます。

取り上げてくださいましたことに感謝する一方、今回の学習会において気になったのは、立ち位置です。

 23区の今回の学習会は特別区協議会として開催したものです。
まずは、地方分権等の流れの中、特別区である23区がどのような立ち位置にあり、それが、国や東京都との関係において、どう変化してきたか。それらについて、23区民の視点からみた制度と課題、また周辺制度の変更との関係からみた制度の課題など、視点を明確にしたうえで、整理すべきだったのではないでしょうか。

学習会に参加し、いくつか気になる点がありましたので、別紙のとおり申し述べさせていただきます。

 特別区協議会におかれましては、今後とも、その設立の目的である特別区の連携及び円滑な自治の運営とその発展のために、引き続きご尽力されますようお願い申し上げます。

 

【別紙】

1. 東京市の廃止と区の誕生や、区長公選制とそれに先んじ一貫して行われてきた公選区議会議員の存在など、歴史的経緯における23区の自治権拡充の位置づけが不十分だったこと。

2. 大阪都構想を都区制度より良いものとして評価したうえで、住民投票による否決を否定的に発言し「特別区制度の解決の見本が大阪都構想」と言及したことは、現行特別区制度を肯定し課題を軽視させるのみならず、特別区制度の改革を逆行につながりかねない。
そもそも、地域の実情に応じた大都市制度の特例を設けることを目的として大都市地域における特別区の設置に関する法律(大都市法)は成立している。大阪市には大阪市の地域の実情があり、東京都と特別区との間には都区の実情がある。
大都市法成立の約70年前にでき、既に、70年余を経過している23区の特別区制度を、影響などについての十分な検証も無いまま、大阪都構想を評価することには問題があり、安易に、国の大都市法の論調に迎合すべきものではない。

以 上