【動画付】大田区の認可保育園保育料引き上げてはいけない理由

解消されない待機児、低い保育士賃金など課題が山積する保育園問題ですが、大田区が保育料を引き上げる議案を出しました。私は運営経費に占める保護者負担割合が増えていること、保育のために増税までした三位一体の改革、に関連付けて反対しました。残念ながら議案は、自民党、公明党、民進党、維新、ほか一人会派の賛成多数で決まってしまいましたが、みなさんはどう考えますか。
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17分50秒から

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大田区の保育料改定案は「保育園・学童保育 保育料検討委員会」の報告に基づき

① 公平性の視点

② 受益と負担の関係性の視点

③ 少子化対策の視点

④ 子供の貧困対策の視点

⑤ 保育の質の確保

の5つの視点で

1. 負担能力に応じた階層のみなおし

2. 階層区分における税額幅の見直し

3. 保育料の収納率向上

など、8項目にわたる見直しについて提案されています。

大田区は、報告に基づいた大田区の考え方は公表せず、報告をそのまま受け入れる形で保育料改正議案を送付したと聞いています。

今回の保育料改定において私は、様々な問題点、論点がありますが、特に約10年前に行われた保育料検討委員会の平成15年の保育料データと比較してみました。

平成15年といえば、まだ民営化も民間委託も始まっていません。

認可保育園全体の運営経費に占める保護者負担割合は、

平成15年が10.4%で、

平成26年は12.3%と約2%増えています。

私は、民営化や民間委託で経費削減になり、それが区民の負担を軽減するとばかり思っていたので、運営経費に占める区民負担割合が増えていて大変驚きました。

それが、今回の保育料改定でどうなるのかというと、保護者負担割合は、12.6%になります。

これは逆にみれば、大田区や国、東京都などの公費負担が減っているということです。
保育の現場では、保育士の処遇の問題が大きく取り上げられていますが、認可保育園の総運営経費から公務員の保育士の人件費を支払っていたときより、民間保育園が増えて、ワーキングプアと呼ばれるほどに給与が安い保育士が増えている今の方が保護者負担割合が大きいのです。

民営化や民間委託は進み、保育士の給与も全体として下がってきていますが、大田区民には還元されていないどころか区民負担割が増えています。誰のために保育料を値上げされているのでしょう。

私は、全体の運営経費における保護者負担割合で今回の保育などの引き上げの是非について検証してみました。

総運営経費は平成15年で146億6469万円。保護者負担割合は10.43%。

平成26年は190億円で保護者負担割合は12.28%。

平成29年は209億7000万円で12.6%になると試算していて、大田区が保育料を引き上げることで1億7000万円の増収を見込んでいるという基礎データをいただきました。

一方で、たとえば全体経費に占める保護者負担割合を、平成26年並みの12.28%にすれば、保護者負担は25億7512万円に抑えることができ、引き上げ保育料を約7000万円減らせます。

たとえば、大田区は、区政70周年の記念事業に5800万円。空の日に4000万円。これだけで引き上げ保育料1億7000千万円のうちの約1億円は捻出できます。

そうすると、合わせるとほぼ、保育料引き上げで見込んでいる増収分をねん出することができ保育料をひきあげなくてすむのです。

今回の、保育料引き上げには様々な論点がありますが、これらからわかるように、何よりも問題なのは、保育料の引き上げの理由が大田区の負担割合が減っているということです。保育は三位一体の改革で自治事務になっていて大田区の責任なのです。

それに加えて国や東京都の負担も減らされてきていて、その分を利用者に転嫁しているということです。

これは、国庫補助が減り続け、引き上げられ奨学金問題を引き起こしている国立大学の授業料と全く同じ構図です。

しかも大田区は保育料における「受益」を「年齢ごとのサービスの内容」と答弁しています。花火や空の日のイベントの受益者負担は不問にし、区民生活に欠かせない保育料に受益者負担を持ちだす大田区の感覚を疑います。受益者負担どころか、行政責任を問うべきではないでしょうか。

行政需要を受益と負担の構図で支給すれば、税の基本は崩れ、行政需要は消費という経済活動に変わります。しかもそこに負担の公平を持ちだせば、たとえ、低所得者のための措置を講じても、政府の目指す雇用の流動化と行政の自己責任化により中間層が益々疲弊し、格差は拡大します。

本来、適度な累進性を働かせて徴税し、低所得者等の措置は講じるとしても行政需要に対する支給は公平に行うことを原則とすべきです。負担の公平を持ちだしながら、今回の保育料負担の推移と保育士の低賃金化から見れば、結果として、区民の保育料も、税金として投入された運営経費が、企業の配当や内部留保にまわるしくみを作ってしまったのが民営化ではないでしょうか。そして、大田区や国東京都の負担割合を減らし、区民にその内部留保と株主配当まで負担させる構図が今回の保育料引き上げであるとみてとれます。

しかも、区は、認証保育所との負担の公平は保育料検討会では行わないとしましたが、だからと言って十分な対策はとられていません。大田区は、これほどにも不公平な実態をいつまで放置するのでしょうか。重ねて言いますが、三位一体改革で保育は自治事務となり大田区のでき人です。不作為と言うべきではないでしょうか。

今回、0歳児保育料を作ろうとしていますが、

平成15年には53万251円かけていた0歳児ひとりあたり保育料ですが、平成26年には62万3207と9万2956円も増えています。0歳児保育料も民営化や民間委託前の方が運営経費は低く抑えられているのです。

保育士の給料は下がりましたが、何の経費が増えているのでしょうか。これも株主配当や内部留保に流れるなら区民はたまりません。

今回の保育料改定には到底賛成することはできず反対といたします。

動画付き【大田区空き家の適正管理に関する条例】を廃止してはいけない理由

空き家対策が様々な場面で取り上げられるようになっています。
空き家の有効活用、一見良いように聞こえますが、土地と建物は個人の財産、そこに固定資産税がからめば、財産権・課税権に係る重大な問題への配慮も必要です。行政でも議会でもない民間委員でなる審議会に、特定空き家と指定されると固定資産税が6倍になり、解体を命じられたりします。重大な財産権の問題が、空き家対策だからと許されている雰囲気が心配です。

そもそも、際限なく開発を許し空き家を容認する都市計画には手を付けず、空き家だけを「対策」するのは、政策上の不備だけではなく、増税、開発促進などの意図さえ感じます。大田区の空き家条例廃止から、その理由について発言しましたので報告します。
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動画【大田区空き家の適正管理に関する条例を廃止する条例】に反対した理由
5分28秒くらいから

平成28年第3回大田区議会定例会(第3日) 都市整備委員会審査報告、討論、採決

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第109号議案 大田区空き家の適正管理に関する条例を廃止する条例について反対の立場から討論いたします。

 
私が、特に問題視しているのは、空き家対策特別措置法に基づき策定した大田区空家等対策審議会条例の運用です。

特措法に根拠をもつ特定空き家に関するガイドラインは、特定空き家の基準を定める重要な指標になっています。ガイドラインは落書きやねずみ、植栽などで特定空き家とすることができるなど、基準が緩く、個人の財産権を侵害しかねません。

これをもとに、つくられた「大田区空家等対策計画」などが運用されれば、審議会のメンバーが固定資産税情報をみることができるだけでなく、憲法が、「あらたに租税を課し、又は現行の租税を変更するには、法律又は法律の定める条件によることを必要とする」として、課税は法律という国会の議決を求めている原則が崩れ、審議会と言う議会制民主主義の外側にいる委員が、減税措置を外すという課税に係ることになります。

また、代執行というかたちで、個人の財産である建築物の解体に、やはり、行政ではない民間が関与することになります。

既に一部の自治体で始まっている行政代執行の事例は、相続人が特定できないなどの事例も散見され、法整備しなければならない別の問題まで、この特措法のくくりで処理しているようで気になります。

課税に関わる問題、個人財産の取り扱いを審議会と言う行政ではない機関にゆだねることは、日本の法体系からみれば非常に大きな問題です。

大田区空き家の適正管理に関する条例が存続すれば、憲法の基本に基づき執行されるため、こうした審議会にゆだねる形ではなく、これまでの法体系の中で執行されるので、安易な減税措置にはつながらず、解体(代執行)も他者の人権を侵害する場合という極めて限定的な、しかし、憲法で守られた財産権の範囲で運用されることになります。

そもそも、これほどに空き家の問題を作り容認してきたのは無秩序な都市計画体系を容認してきた政府です。ここに手を付けること無く、今も、マンションを作り、大きな土地を細分化する開発を許しなら、空き家は困るから、大変だからと「特別措置」法まで作るやり方は、マッチポンプ政策的で違和感を覚えます。
取り組むべき法整備が違っています。
憲法尊重・擁護義務を課せられた私たち地方議員・公務員が絶対に守らねばならないことであり、効率性だけで判じるべきではなく反対といたします。

大田区の決算書から見る【税金の負担は大きくなるばかりなのに暮らしやすくなった実感がない理由】

大田区報を読んでいると、良いことばかりで、世の中バラ色に見えます。
でも、子育ても、介護も、教育も不安はつきません。

子育て環境を整えるのも、老後のケアを支えるのも、義務教育を充実させるのも大田区の役割は大きいわけですが、そことの関係はどうなっているのでしょう。

大田区の財政状況と、区政の実態とのかい離をこんな風に考えてみました。

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第98号議案 平成27年度大田区一般会計歳入歳出決算

第99号議案平成27年度大田区国民健康保険事業特別会計歳入歳出決算

第100号議案平成27年度大田区後期高齢者医療特別会計歳入歳出決算

第101号議案 平成27年度大田区介護保険特別会計歳入歳出決算

のすべての議案の認定に反対の立場から討論いたします。

 

地方分権の自治体への影響は、はかり知れません。
475もの法律を一括で改正した地方分権一括法は、それまで国の機関委任事務だった多くの事務を自治事務とし、地方自治体の責任を大きくしました。

地方分権で行われた三位一体の改革では、国の地方交付税減らしとも言われていますが、大きくなった自治体の権限に伴い、

・国庫補助負担金改革

・税源移譲

・地方交付税の見直し

が行われ、財政的にも地方自治体に大きな影響を与えています。

地方分権前の自治体財政と地方分権以降の自治体財政は、果たして同様の指標で見ることが適当でしょうか。

特に、地方交付税の削減により大幅な減収が起きたことから、権限に見合った税財源の移譲が行われなかったという評価になっていますが、
・地方交付税交付金の交付団体と不交付団体
・影響額の大きかった保育における待機児の多く出た都市部と地方

では、その影響が大幅に異なっているにも関わらず、三位一体の改革の影響やその後の自治体財政に及ぼした影響についての評価が、十分に行われてきていないのではないでしょうか。

款別質疑で取り上げたように、三位一体の改革が大田区財政に与えた影響は、平成18年から19年の一年間だけで、税源移譲による特別区民税の定率化で、32億円の増収。一方、国庫補助負担金改革の影響で36億円の減収です。多くの交付団体はこれに加え、地方交付税交付金の削減もありますから、その影響額も計り知れません。

ところが、23区だけはなぜか、特別区交付金、財政調整割合を52%から55%へと大幅に増やしています。

この財政調整交付金割合の変更は、清掃の都区移管が行われた平成12年に44%から52%になって以来のことです。
三位一体の改革と同時に行われた、この特別区交付金割合変更の大田区への影響額は、平成18年19年の比較で76億円にも上ります。23区総額で450億円ですから、減収になったであろう、多くの交付団体や不交付団体と23区とではまったく別のことが起きていたと考えるべきです。

そして、55%になって以降23区を中心とした都市部で待機児童が大幅に増えたわけです。

私たちは大田区の財政評価にあたり、地方分権で自治事務化されたこと、平成19年以降、大田区の財政構造が大幅に変わったこと、同時に保育をはじめとした区民の行政需要中での社会保障需要も大きく変化をしてきたことを自覚し、それにふさわしい使い方をしているかという視点で点検しなければなりませんが、そうした視点でみれば平成19年以降、優先度の低いところに税金を投入してきたと評価しています。税源移譲が行われた19年直後の平成20年秋にリーマンショックが起こったため、三位一体の改革による影響額が見えにくくなくなってしまいましたが、私たちは増税と財調割合の増を忘れてはなりません。

しかも、国は国庫補助負担金を廃止すると言いながら、私(わたくし)立保育園の国庫補助負担への補助を続けたことから、大田区は、私(わたくし)立保育園で待機児を解消することを選んできています。

今回の款別質疑において、民営化前の区立認可保育園、民営化後の区立認可保育園、民営化後の私立認可保育園とのおおよその定員一人当たり運営経費の比較から、必ずしも私立認可保育園の運営経費が安くなったと言えないことが判明しています。

株式会社に委ねれば、その一部が直営ではあり得ない株主配当に流れるうえ、保育士など労働者の賃金が』下がります

それを押してでも得られるメリットの検証ができていないのは問題です。今すぐ検証し民営化を見直さないと税負担が増すだけでなく格差が広がり大変なことになります。

たとえば、
一般財源比率、自主財源比率といった指標があります。

三位一体の改革以降、国庫補助負担金が廃止され、自主財源である住民税が増税となったわけですから、自主財源額は増えるはずですが、増えなかったのはリーマンショックだけでなく、国や東京都の補助金だのみの事業を行ってきたことにも原因があるのではないでしょうか。

自主財源比率が減っていて財政運営上の制約となっていると大田区は指摘していますが、リーマンショックで景気の厳しい時に住民税負担が区民に重くのしかかったことも忘れてはなりません。

自ら制約のある補助金を選び、それをもって財政上の制約を理由に、保育園の待機児や特別養護老人ホーム、障がい者施策など、必要な社会保障需要を先送りする方便に使われたなら問題です。

しかも、都と区の特別な関係から依存財源として扱われている特別区交付金ですが、限りなく自主財源に近い財源です。

これは、昨年の決算特別委員会の答弁、

「自主財源の確保は大変重要。特別区の場合、一般の市町村では、本来自主財源である市町村民税法人分と固定資産税は、都が一旦賦課・徴収した上で特別区交付金として交付されるため、依存財源と位置づけられているが、特別区交付金は、23区の固有財源とされている点で、他の依存財源と性格が異なり、必ずしも国や都などに依存した財源とは捉えていない。仮に、特別区交付金を自主財源と仮定した場合、自主財源割合は、68.03%となりまして、政令指定都市の自主財源割合平均の56.69%よりも高くなっている。依存財源という表現に入れるのは必ずしも正しくない」
からもわかります。

平成27年度決算で、特別区交付金を加えた数値は66.7%で平成26年度決算に比べ少し低くなっていますが、昨年の政令指定都市との比較でみれば十分に自由度の高い財政状況です。

大田区は、社会保障需要は積み残しながら、区政70周年、空の日などのイベントに莫大な税金を投入し、蒲蒲線は、ボールペンを作って宣伝してでも実現させようとしています。これらの財源は、三位一体の改革で得た財源ではないでしょうか。蒲蒲線誘致の運動はむしろ埼玉県民がすべきだと思いますが、不公平な保育料、深刻な在宅ケアより優先すべき課題でしょうか。自主財源を使って広報すべきは羽田空港の飛行ルート変更の問題ではないでしょうか。

また、
経常収支比率と言う指標があります。
財政の硬直化を表す数値ですが、上下水道や消防など大都市事務を東京都にゆだねている大田区が、一般市と同じ指標で評価されるのは、どうかという視点に加え、地方分権と規制緩和で民営化が進んでいますから、経常費である人件費が削減され、当然、経常収支比率が改善されていなければなりません。

ところが、今年になってようやく80%を下がりましたが、これまでの指定管理者制度の採用含め、民営化や民間委託の効果が表れているとは到底言えない数値です。

そもそも、行政需要を満たすべき多くの課題は、人によるケアであり、教育です。私は、人を消費財ととらえ、コスト削減すべき、と言う経済論理を公共サービスの場に持ち込むべきでは無いと考えています。そうした意味では、人件費+物件費(委託+システム経費)が抑制されて初めて効率化が達成できたことになります。電算化する、システムを使う理由は、人が行っているより効率的になるからです。

大田区の場合、マイナンバーの政策利用もしないと言っていますから、システム化に期待するのは効率性・利便性でしょう。ところが、この人件費+物件費は増えるばかりです。人を減らすよりシステム経費の方が高くつくなら、莫大な費用をかけたシステム改修が効率的と言えるでしょうか。

しかも、財政課に聞いても、物件費の中の委託費がいくらになっているのか、すぐに数字が出てきません。これで決算の認定をと言われても何を評価しろと言うのでしょうか。職員を減らすことで効率的になったかどうかの検証すらしていない現状は民営化の評価にすら値しません。

地方分権とそれに伴う民営化で、これまで使ってきた自主財源比率、経常収支比率、人件費率など、財政評価の数値がほとんど意味をなさない状況になっています。

決算の数値が意味をなさないことを示すものに、民営化の手法の1つ、指定管理者制度の利用料金制があります。

利用料金制を採用していなければ、大田区の歳入に計上される利用料ですが、指定管理者制度の利用料金制を採用すると、歳入歳出から除外されます。

たとえば、平成26年度決算で特別養護老人ホームの利用料金44億円は大田区の歳入から外れてしまっています。27年度決算での利用料金は27億円になっていますが、17億円減ったわけでは無く、長寿園運営の特別養護老人ホームの一部が民営化されたから、その利用料からも除外されてしまったということです。

平成26年度一年間の指定管理者制度の利用料金の合計は、約63億円にものぼりました。

今年も同様に、指定管理者制度を採用する各施設について利用料を調査しようとしましたが、教えてくださる施設担当部署とそうでない部署とに分かれ比較ができませんでした。それだけ利用料金が大田区の歳入とは無関係になってしまっていることの表れで、部署の中には最初「開示請求せよ」というところもありました。

さらに問題だったのは、伊豆高原学園は利用料を知らせない協定になっていると聞いたことです。

これでは、指定管理者制度を採用する施設の利用料が適正かどうか区議会は判断することができないばかりでなく、大田区を運営するにあたり、区民にいくらのご負担をいただいているのか把握できなくなることを意味します。

伊豆高原学園という、区民の財産で、特定事業者が営利活動をすることになったということでしょう。こんな民営化をしていいのでしょうか。となれば、区民の財産で特定の誰かを儲けさせることを大田区が行うべきか、という問題にもつながり議論が必要です。

大田区の一般会計決算は、ほぼ毎年のように増え続けています。これは、区民に、「区税、都税、国税、利用料・使用料」で大田区のためにご負担いただいている総額で、区政を判断する重要な指標でもあります。

ところが、これまでの制度であれば、大田区の歳入としてきちんと把握出来てきたものが、ひとたび指定管理者制度や民営化になれば、見えなくなってしまいます。民営化されるということは、行政の管理からはなれ、市場化され、消費にかわるということで、財政処理がそれを明確に物語っています。

認可保育園の保育料は大田区の利用料ですが、認証保育所の保育料が歳入に入らないのは経済活動だということです。

仮に、認可保育園が指定管理者制度を採用し利用料金制をとってしまえば、大田区の歳入から除外されることになります。やるかやらないかは別に制度上は可能です。既に障害者施設、高齢者施設は採用しています。

平成27年度大田区一般会計歳入歳出決算は2573億円ですが、それ以外に、大田区民は、特別会計だけでなく、指定管理者制度における利用料金でおよその推計で65億円、認証保育所保育料で約1億円など、見えない負担を強いられています。

そしてその負担がより大きく見えにくくなっています。

費用対効果と言う言葉が使われるようになり、民営化がすすめられてきました。ところが、民営化が進んだら、費用負担の程度が見えなくなってきました。見えない負担を、私たちは評価することができるでしょうか。

国民負担率と言う言葉があります。

保育や介護や障害サービスが民営化で大田区の帳簿上歳入歳出から除外されていても、大田区民は負担しているのです。

民営化で利用料が大田区の歳入歳出決算表の外に出されれば、施設使用料や保育料が引き上げられても区民負担増は見えません。こうした財政上の数の操作は、区民に区民負担が見えにくくなるだけでなく、税金の使い方としても問題です。

物を買っても、箱物を作っても福祉費になりますから、福祉費が増加しても必ずしも受けられる福祉サービス供給量の増加につながるわけでもありません。

地方分権により社会保障の責任主体が大田区になったにもかかわらず、それにふさわしい使い方とは到底認められず認定することはできず反対といたします。

岩波『世界』に掲載されました:羽田空港飛行ルート変更「海から入って海へ出る」を手放すな

岩波の「世界」11月号は首都の難問がテーマ。
羽田空港飛行ルート変更問題はじめ、首都の難問が満載です。
私的には、他にも、国や23区との税財政制度の課題や特区による規制緩和、インフラ投資、水道などの民営化も取り上げたいところです。

https://www.iwanami.co.jp/sekai/

大田区の可燃ごみ収集を民間委託して心配な理由

【動画】37分53秒から

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大田区は可燃ごみ収集を民間委託するための一般財団法人を設立する経費を補正予算計上しました。私は都市生活に欠かせないごみ収集を全面的に民間に任せることについて、次のような心配が解消されなかったため、反対しました。
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補正予算は不要不急のやむを得ない状況の変化に対応するというのが基本です。

また、首長の権限は、地方自治法に規定されていますし、自治体の長だからと言って何をしても良いわけではありません。議会制民主主義における、合意形成の在り方は、予算執行における妥当性や正当性にもつながる重要なポイントです。特に、合意形成において区民や区民の代表である議会への説明が重要であると大田区も議案質疑の際に答弁しています。

しかし、今回の補正予算に計上されている環境清掃714万1千円は、可燃ごみの委託のための仮称一般財団法人大田区環境公社の設立にかかわる経費ですが、
①なぜ当初予算に計上することができず補正予算で計上しているのか

②なぜ委託しなければならないのか、委託することのメリットは何かなどについて、

議案質疑しましたが、委員会審議を通じ明確な説明は得られませんでした。

質疑に対し大田区は、「2017年4月から委託を開始しなければならない」と答弁しましたが、それでは2016年度予算に計上できなかった説明にはなりません。

大田区は、2016年1月に株式会社大田まちづくり公社の定款を変更し資源循環に関する業務を追加しています。

たとえば、ここを受託先にしようと思っていたが、急きょ変更しなければならない事由が生じ、一般社団法人大田区環境公社を設立しなければならなくなったというなら、株式会社まちづくりではだめになって理由を説明すべきです。今回の理由は未だにわかっていませんが、質疑の答弁にすり替えがみられ説明になっておらず問題です。

大田区は一般財団法人大田区環境公社を「安定的サービス提供を確保できる組織」「高い能力を持った組織」であるとして、委託を正当化しようとしていますが、「これから設立する法人」が安定的サービスを提供できる組織であったり、高い能力を持った組織であったりするはずがありません。

委員会で配布された資料に記されている内容は大田区の希望に過ぎず、どうやってそうした能力を持たせるかのしくみこそが重要ですがここの説明はありません。

特に、都市生活におけるごみの問題は、生きていく上で欠かせない重大な問題です。区民の中には、「ごみを集めてもらうために税金を払っているのではないか」とごみと税負担を直結させる方もいます。

こうした状況で、今後、収集を民間に委託すると言えば、気になるのが収集料金と労務単価の問題、そしてガバナンスの問題です。

大田区は、委員会配布資料の中で、ごみ削減量5%に対してごみ処理経費を13%削減したことを効果として掲げていますが、考えてみれば、退職不補充ということですから、一番給与の高い収集職員がやめるかわりに、非正規職員を採用していますから、その給与差分経費削減できるのは当然です。

本来、議会に報告すべきは、削減したと言っている処理経費における収集、運搬などの内訳や車一台当たりの単価の変化と、委託による経費削減をどう見込んでいるのかでしょう。場合によっては、上がっている部分と下がっている部分があるかもしれず、大田区の清掃事業から収集現場の職員がいなくなるという重大な政策転換を説明するにはあまりにも不十分な説明です。

大田区は、委託ありきで職員不補充を続け、委託に誘導しながら、収集能力が不足するので委託と言いますが、それではなぜ退職不補充にしてきたかの説明にはなりません。

しかも、経費削減ができてきたにも関わらず、委託に切り替える理由は何かを議会に説明すべきです。

ライフラインと位置づけるべきごみ収集を公務労働が担ってきたのは理由があります。しかも、ごみは地域独占事業です。大田区がごみを集めないからと言って、区民は他区や自分で処理することはできません。なぜ官だったのかどうして民間でよいのか、を明確に位置付けずに安易に委託すれば、今後の委託費の高騰や収集体制の質の低下、現場労働者の低賃金化、将来のごみの民営化などにつながる恐れがありますが、これらの議論があまりにも不十分です。

区民生活におけるプライバシーの塊である可燃ごみを民間に提供しなければならない仕組みは、大丈夫でしょうか。資源を抜き去り対策防止のために大田区の物と条例で位置づけましたが、全面委託になるのなら、可燃ごみの位置づけを条例で明確に位置付けるべきだったのではないでしょうか。

一方、この可燃ごみの委託にかかわらず、委託の経費削減のほとんどは人件費差額によるものですが、下がった人件費の分区民に還元されている実感はありません。公務労働を経費削減のために非正規化、外部化し、結果として低賃金労働者を作ってきた是非についての検証も大田区はしていません。

委託先は、一般財団法人ですが、環境分野への事業展開を今から視野に入れて設立しています。公益財団法人ではないので、委託による利益が区民の行政需要に直結しない公益ですら無い分野に投入される可能性も否定できません。

ところが、清掃事業の委託は議決事項ではありませんから、議会での審議はこの財団の設立と委託費盛り込まれた当初予算ということになります。

外郭団体ができれば、大田区の税金が流れますが、外郭団体は、議会へは財務内容などの報告だけで議会の関与は薄くなります。しかも、大田区が報告する外郭団体と位置づければの話ですから、観光協会のように、税金は投入されても報告は義務づけない外郭団体になるかも知れません。

こうしたこともあわせて審議に際して議会に報告すべきですが、こんなに重大なことがA4一枚の表面だけの簡素な委員会報告ですまされてしまっています。

ごみというライフラインの1つとして位置付けられるべき重要な施策の委託という大きな大田区政の方向転換であるにもかかわらず、説明も不十分なだけでなく、そもそも委託にふさわしい事業ではないことから反対いたします。