保育の無償化と、公費負担していた給食費を私費扱いできるようにするための条例改正
保育の無償化で、大田区では、公費負担していた給食費を私費扱いできるようにするための条例改正が行われました。
今は、公費で補助するしくみになっていますが、私費に対する補助となれば、いつでも停止することが可能です。
しかも、保育の無償化と言っても、保育料もこの給食費も、構造的には、上限を決めて自治体が補助しているので、保育料・給食費、そのものが値上げで金額が上がれば、補助額との差額は、自己負担になります。私は、今後、インフレになることを心配しています。
ですから、インフレから区民を守る仕組みを作らなければならないと思っています。その視点で、住宅改修資金貸付条例の廃止にも反対したのです。以下、議会で発言した反対の理由を記します。
第101号議案大田区特定教育・保育施設及び特定地域型保育事業の運営に関する基準を定める条例の一部を改正する条例
第102号議案 大田区家庭的保育事業等の設備及び運営に関する条例を定める条例の一部を改正する条例
について反対の立場から討論いたします。
これらの条例は、これまで、公費負担していた給食費を私費扱いできるようにするための条例改正です。
この間の民営化で、公費で負担してきた費用が、私費扱いになっているものが増えています。
税金で負担すれば、福祉費として算入され、国民負担率に反映されますが、私費扱いならポケットマネーなので、福祉費にはなりません。制度が変わることで、福祉費として負担していたのに、福祉費でないことにされ、見かけ上の負担を低くされてしまいます。
そうやって、国民負担率が低いから、と増税の根拠になっているのです。
そもそも利用料金制をさいようしたため、特別養護老人ホームの入所費用は私費扱いですが、食費を公費で負担しないため、同じ社会福祉法人が運営している特養でも、民立の食費が値上げになっています。
保育園もこれと同様に、今は、公費で負担されていますが、私費扱いできるようになれば、将来、公費負担が減り、自己負担が増える可能性もあります。
公費であれば値上げは、議員と専門家と区民とで審議会を作り議論することができますが、私費扱いになれば、事業者の都合で議会を通さず、引き上げることも可能で、反対です。