災害廃棄物の受け入れ、焼却に伴い、23区の清掃工場が「アスベスト」の測定を始めたところ、次々とアスベストが測定されています。

23区の清掃工場を管理・運営する「東京二十三区清掃一部事務組合」は、原因が特定できていないとしています。

そこで、清掃工場の排気からはアベストが排出されていることを受け、一部事務組合に懇談を申し入れましたが、受け入れられなかったため、アスベストセンターを通じ、文書にて次のような質問をしたところ回答を得ましたのでご報告いたします。

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平成24年10月2日

中皮腫・じん肺・アスベストセンター 永倉冬史 様
東京二十三区清掃一部事務組合 施設管理部技術課

日頃から、当組合の事業にご理解をたまわり、誠にありがとうございます。 9月19日付けでいただいた質問への回答は以下のとおりです。

1)排ガス以外に、清掃工場内での気中アスベスト濃度測定実績はないのか。また、搬入されたごみ中のアスベストの分析を行ったことはないか。

(回答)平成19年と20年に、各工場の敷地境界上4地点において年間2回、大気環境中のアスベスト測定を行っています。結果は、すべて不検出でした。

2)清掃工場内に搬入されたごみの流れにしたがって、各所におけるアスベストの測定を実施していないか。:ごみピット内、破砕機もしくは破袋機周辺、灰ピット内、炉室内、バグフィルター周辺。
(回答)測定は実施しておりません。

3)今回検出されたアスベストの考えられる発生源はなにか-震災がれきに含まれているアスベストの可能性はないか。家庭ごみや事業系ごみ中に含まれている可能性はあるのか。
(回答)いずれの可能性も考えられますが、どちらが原因かは不明です。今後測定を繰返し、原因の究明を行っていきます。

4)アスベスト繊維の種類、及び、アスベスト以外の繊維類(ロックウールやグラスウール等)についても測定を行っていると思うが、それらの結果についてもすべて公表されたい。
(回答)これらの詳細情報については、専門的内容であり一般向けホームページでは公表しておりません。ご希望があれば、開示請求をお願いいたします。

5)今回の測定を実施した分析機関はどこか、またクロスチェックは行っているか。
(回答)災害廃棄物受入時の測定等ほとんどのものは、株式会社静環検査センターです。一部を株式会社環境管理センターが受け持っています。今後は、これま で以上の検体数を分析する必要があることから、他業者への委託も実施していきます。 クロスチェックは行っていませんが、静環検査センターの分析室へ立入りをし、コンタミネーションがないことを確認しています。

6)排ガス中のアスベストが大気放出された後に10万倍に希釈されるとの根拠を示されたい。
(回答)当組合では、毎年1回全工場において、工場周辺の大気環境調査を行っています。このなかで、大気拡散シミュレーションを実施していますが、平成 23年度の全工場の拡散倍率は、最大濃度出現地点で14万~84万倍でした。なお、シミュレーションには「窒素酸化物総量規制マニュアル」(環境庁、平成 12年12月)に示された計算式を用いています。

7)排ガスのリットル当たりのアスベスト繊維の本数(濃度)だけでなく、排ガス中に含有されている総本数を算出してほしい。そのうえで、その総本数のアスベストが地上に到達して地域住民が呼吸等によって曝露摂取する場合の健康リスク評価を行ってほしい。
(回答)清掃工場の排ガスは10万倍以上に拡散されることから、世田谷工場煙突での測定値1.9本/Lも環境中では0.000019本/L以下となりま す。これは、大気汚染防止法のアスベスト敷地境界基準値10本/Lと比較しても十分に小さな値であり、あらためて健康リスク評価を行う必要はありません。 なお、基準値は濃度で定められていることから、総本数の計算に意味があるとは考えていません。したがって、計算は行いません。

8)清掃工場内で使用されているアスベスト製品(吹き付けアスベスト等も含む)の実態調査を行っているか。行っていれば調査報告を開示されたい。
(回答)平成20年度に吹き付け材の含有量調査を行いました。全工場で実施し1試料を除き不検出でした。検出されたのは、給湯ボイラ煙道に用いられた非飛 散性の成型板から採集した試料です。 なお、当該ボイラの使用時に排ガス中のアスベスト測定を実施していますが、アスベストは検出されていません。

9)東京都がかつて家庭製品中に含有されるアスベスト使用実態の詳細について調査を行ったことがあるが、そのことを知っているか。
(回答) 東京都については確認できておりませんが、経済産業省が平成17年に実施したことについては把握しています。

10)アスベストが排ガス中から検出されたということは、バグフィルターを透過しているということであるが、バグフィルターの除去性能との関連で、今回の発表されたアスベスト粉じん濃度値をどのように考えているか。
(回答)現在、アスベスト検出の原因調査を実施していますが、検出の原因は分かっていません。また、バグフィルターの前後でのアスベスト測定で有意な結果が得られてい ないことから、バグフィルターの除去性能についても不明であり、検出値との関連は分かっておりません。

11)使用中のバグフィルターに付着しているアスベストの分析は行っているのか。
(回答)行っておりません。現在は、ガス中のアスベスト測定を実施しており、その結果をみてから他の測定項目を検討します。

12)工場内の全ての換気装置に付いているフィルターに付着している付着物中のアスベスト及び放射性物質、ダイオキシン類、水銀等の測定を実施してほしい。
(回答)工場の換気装置に付着する放射性物質については、全工場で換気装置周囲の空間線量率測定を行い、作業環境上問題のあるものがないことを確認しまし た。(墨田工場の換気装置から検出された放射性物質を含む粉じん等については、工場内に安全に保管しています) その他のものについては、清掃工場の焼却炉等の設備から漏れ出すことはないので、調査の必要はないと考えています。

13)現時点でアスベストの発生源が特定できないのであれば、災害廃棄物受入れに関わらず、今後の継続的な測定項目に加えるべきではないか。加える必要が無いとするならその理由は何か。
(回答)当面の間は定期的な測定を実施していきます。

担当: 東京二十三区清掃一部事務組合 施設管理部担当課長 森 裕明
6238-0765