残念ながら、5000本もの木は切られ、マンション建設が進んでいる「奇跡の森」ですが、地域の住民のみなさんは、地域の住環境を守るために、引き続き開発事業者とやり取りをしています。

(奈須りえブログ 2014年12月14日より)
2600坪の森の樹木5391本(うち1.2m以下5152本)がたったの8本になる! 大田区の緑が減るのはどうしてか

最近、開発事業者が、駐車場の出入り口を環八側にすると約束したにもかかわらず、当初の六郷用水側に戻すと言ってきたそうです。

警視庁交通規制課の「交通安全に支障があるから」という意見により東京都が変更案を承認することを保留しているからだそうです。

事業者は、警察と東京都に言われているのだから仕方ないという姿勢のようですが、私たちはこの問題についてどのように考えればよいでしょうか。


事業者の約束とはいえ、交通安全上の問題からの警視庁交通規制課の意見は尊重すべきです。

また、その意見を東京都も無視することはできないでしょう。

だから、開発事業者が、約束を守りたくでも仕方ないという事業者の説明を受け入れなければならない、いうのが一般的な考え方でしょう。

私も交通安全を無視してもいいとは言えません。

奈須りえは地域住民のみなさんに、こんなアドバイスをしました。

実は駐車場の設置は、「東京都集合住宅駐車場施設附置要綱」とあるように、「要綱」で定められており、条例よりも拘束力の弱いルールです。

条例は議会の議決がなければ作れません。ところが要綱は、(この要綱がどこの決定で作られたのかわかりませんが)局長など、行政内部で作れる言わば「内規」のようなものです。

「内規」とはいえ、事業者は行政権限を尊重し順守します。

しかし、この「東京都集合住宅駐車場施設附置要綱」には例外があります。

様々な理由により、敷地内に駐車場を設置することが難しい場合「隔地駐車」といって、近隣の別の場所に駐車場を置くことが認められているのです。

これまで、私がご相談をうけたマンション開発でこの隔地駐車を使って、敷地外に駐車場を設置した事例は少なくありません。

鵜の木の地域の住民は、六郷用水がわの道路は、生活道路であり、子どもたちの通学にも使われています。

これは、開発事業者も認めているところで、だからこそ、当初六郷用水側に設置した駐車場の出入り口を「地域住民の要望に応える形で」環八側に移した案で住民と合意したわけです。

今回の、鵜の木の奇跡の森の開発は、まさにこの「隔地駐車」適用対象と言えるのではないでしょうか。

「隔地駐車」を認めるかどうかは東京都の判断によるわけですが、この間の事業者と住民との経緯を説明すれば、東京都も承認するのではないでしょうか。


事業者は、誠実に地域住民と向き合っていただきたいと思います。

開発事業者は、今回、初めて開発を行ったというような小さなところではなく、かなり経験豊富なところです。

二つの道路に面した開発など、星の数ほど行ってきたに違いなく、警察が、交通安全上の問題からどちらの道路側を出入り口にすると指導するか、あらかじめ予想がついたのではないでしょうか。

「うっかり」したのは事業者の責任です。できないからごめんなさいではなく、「隔地駐車」によりそれが守られるなら「住民との約束=生活道路を守る」は、事業者の責任ではないでしょうか。


住民のみなさんは、環八側に出入り口を設けることを前提にして、すでに工事協定書も結んでいます。

警察の指導により東京都との協議が整いませんからごめんなさい、の前に、何とか約束を守れる方法がみつかるように、と思います。