2600坪の森の樹木5391本がたったの8本になる! 大田区の緑が減るのはどうしてか

大田区鵜の木にある約2600坪の森の樹木5391本が伐採され、残るのはたった8本。


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どうにかしてこの緑を守れないものだろうか。

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大田区鵜の木1-5-1にマンション建設計画があり、その計画地にある樹木5,391本が8本を残し伐採されようとしています。

地下1階、地上12階、278戸の大規模なマンション計画です。

相続で売却した土地を東急建設が購入し、そこにマンションを建設するため不要な樹木を伐採している。

建築基準法等を守って建設すれば合法で問題ないということになるのだろう。
確かに現行法に課題があり、そこを変えなければ、こうした緑や環境を守ることは難しい。

マンションが建つとどんな状況になるか、住民が作ったイメージ写真は以下の通り。
周辺のこれまでの住環境から見れば、とてつもなく大きくて高くて、しかも緑の森からコンクリートの塊に変わる。

南側写真

西側写真

北側写真

大田区には、緑の条例や景観条例、まちづくり条例など、このみどりを守るための条例がたくさんありそうですが、そのどれも、条例を作った時から指摘してきたことではありますが、この開発の前に無力のようです。

【大田区の景観条例は機能性している?】

行政は住民に対し、基準値が無い、「調和をはかる」という表現では規制できないと言っていると聞きました。
大田区は、規制できないと知りながら「調和をはかる」という条例を提案したといういことです。
景観条例が議案としてあがり大田区議会で議論された時、条例の欠陥は明らかで指摘しましたが、大田区議会もまたこれを承認してしまいました。

大田区議会も、実効力のない条例を認めてしまったということです。

しかし、それだけではありません。

【公有地拡大法だと?】

公有地拡大法により、こうした土地が売りに出されるときには、まず地元自治体に購入の意思についての打診があります。大田区に先買い権があるわけです。

大田区が、この緑を守る意思があれば、購入できたはずですが、大田区は買わないという判断をしていることになります。

【問われる施策の優先順位】

財源がと言いますが、大田区は、蒲蒲線のために、5億円づつ「コツコツと」基金を積み立てていいます。総工費1080億円。大田区負担は180億円と見積もっているようですが、そういうところには、積極的に税金投入しています。

そうかと思えば、空港跡地に500億円をかけて開発することにも積極的です。

【これまの大田区はどんな風に土地を買ってきた?】

  ~補助金をたよるならここにこそ?~

また、公園を購入するときにはからなず公社を通し、莫大な金額でも購入しますが、その時には必ず、「国の補助金が下りるので」と買っています。
大田区のせせらぎ公園も交付金に加え区民公募債などで購入整備しています。

国の補助金をたより整備してきた公園ですが、こういった貴重な緑にこそ使うべきではないでしょうか。

いま、最終的な整備をどうするかという段階にある大田区南雪谷の水神公園ですが、

総面積 1,121.42平米、(建 物含まない面積 487.31)
契約年月日 平成21年11月11日
取得価格 6億780万9,640円
取得目的 公園用地
取得主体 土地開発公社
これには、ポンと6億円出しています。

~購入することでしか守れない~

2600坪の緑地を購入するのに、ざっと計算して40億円。

この話を周囲にすると誰もがこの貴重な緑を守りたいと言います。

現状で、このみどりを守るには、大田区が購入するというのが最も可能性が高い方法です。
大田区にぜひとも守ってほしいと強く願います。

大田区中央の佐伯山の緑は、マンション計画が持ち上がった時、住民が緑を守るために大田区に購入を持ちかけましたが大田区は買いませんでした。ところが、違反建築で建築確認取り消しになり事業者が計画を断念して大田区に購入を持ちかけたところ、既に、樹木は伐採されていたにも関わらず、大田区は緑のために、と購入しています。

大田区は、事業者が事業計画を断念しなければ、購入しないということでしょうか。

それ以前に・・・
【大田区は責務を果たせている?~みどりの条例から~】

大田区にみどりの条例があります。

http://www.city.ota.tokyo.jp/reiki/reiki/42490101005700000000/42490101005700000000/42490101005700000000.html

区民の責務、事業者の責務、区の責務がうたわれています。


事業者や区民が努力義務なのに対し、特に区は、必要な措置を講じる義務があります。

↓赤字部分。

(区民の責務)
第4条 区民は、みどりのまちづくりの主体として、自ら行動を起こすとともに、事業者及び区と連携して、基本理念が目指すみどりのまちづくりに寄与するよう努めなければならない。
(事業者の責務)
第5条 事業者は、事業活動を行うときは、みどりのまちづくりのために必要な措置を講ずるとともに、区民及び区と連携して、基本理念が目指すみどりのまちづくりに寄与するよう努めなければならない。
(区の責務)
第6条 区は、区民及び事業者と連携して、基本理念が目指すみどりのまちづくりの実現に向けて、必要な措置を講じなければならない。
2 区は、区民及び事業者のみどりのまちづくりに関する提案及び意見を施策に反映するよう努めなければならない。

↓青字部分。また、区長は実態調査をしなければならないとありますが、数十坪の宅地ならともかく、広大な敷地についてどう調査しているのでしょうか。
していないとうするなら区の責務を果たしていないのではないでしょうか。

第2章 緑の基本計画
(緑の基本計画の策定)
   
 
(緑の実態調査)
第9条 区長は、緑の基本計画を定めるとき及び変更するときは、緑の実態調査を行い、その結果を公表しなければならない。

↓緑字部分。  しかも区民、事業者、区は緑環境の保全に努めなければならないとあります。
★しかも努めなければならず、保護等(等とついている)の現状について報告を求めることができます。
★そのうえ、16条には予算の範囲内で保護育成に関る費用の一部を助成することができるともあります。
調査する、保全するための方策を土地所有者と考えることを大田区はどこまでしてきたのでしょうか。


(緑の基本計画の推進)

第10条 区長は、区民、事業者等とともに、緑の基本計画の推進を図るものとする。
第3章 みどりの保全及び保護
第1節 みどりの保全
(緑環境の保全)
第11条 区民、事業者及び区は、樹木、樹林地、草地、農地、公園緑地、植栽被覆地その他の緑環境の保全に努めなければならない。
(水環境の保全)
第12条 区民、事業者及び区は、河川、池沼、海浜、湧水、地下水その他の水環境の保全に努めなければならない。
(生物多様性の保全等)
第13条 区民、事業者及び区は、みどりに息づく生物の多様性を保全するため、生物生息環境の保全、創出及び連続性の確保に努めなければならない。
第2節 みどりの保護

(保護樹木及び保護緑地の指定)
第14条 区長は、規則で定める基準に該当する樹木及び緑地のうち、特に保護し、育成すべき樹木及び緑地についてその所有者又は管理者(以下「所有者等」という。)の申請に基づき、保護樹木及び保護緑地として指定することができる。ただし、国又は公共団体の所有又は管理するものについては、この限りでない。
2  区長は、前項の規定により指定した保護樹木及び保護緑地(以下「保護樹木等」という。)の保護のため必要な限度において、所有者等に保護樹木等の現状又は維持管理の状況について報告を求めることができる。

(所有者等の義務)

第15条 保護樹木の所有者等は、当該保護樹木等が常に良好で安全かつ適正な状態を保つよう維持管理に努めなければならない。
2 保護樹木等の所有者等は、前条第2項の規定により区長から保護樹木等の現状又は維持管理の状況について報告を求められたときは、これに応じなければならない。
(所有者等への支援)
第16条 区長は、保護樹木等の保護育成及び維持管理(以下「保護育成等」という。)に関し必要があると認めるときは予算の範囲内で保護育成等に係る費用の一部を補助することができる。
2 区長は、保護育成等に関する技術上の指導を行うとともに、保護育成等に必要な支援を行うことができる。
(保護樹木等に係る届出)

第17条
 保護樹木等の所有者等は、次の各号のいずれかに該当するときは、規則で定めるところにより速やかにその旨を区長に届け出なければならない。
(1) 保護樹木等の樹木を伐採又は移植しようとするとき(非常災害のため必要な応急措置として行う場合を除く。)。
(2) 保護樹木等の存する土地の改変を行うとき。
(3) 保護樹木等が滅失又は枯死したとき。
(4) 所有者等に変更があったとき又は所有者等の住所の異動があったとき。
(5) 前各号に掲げる場合のほか、保護樹木等の形態に著しい異変があったとき。