災害廃棄物の処理に伴う焼却について

広域処理が問題なのはわかるが、被災地で災害廃棄物を焼却するのも問題では?

 

講演会でもよく聞かれる質問ですので、私の考え方を記しておきます。

 

何かに取り組む場合には、整理して順番に取り組むことが重要です。

大切なことですが、場合によっては、優先順位を下げなければならないこともあります。

 

災害廃棄物の広域処理の問題についても

 

①わざわざ遠くまで運んで処理しなければならないことの必要性、合理性、経済性からの妥当性の検証。

②そのうえでの、津波ごみの処理の在りかた。

③東京も含めた原発事故に伴う、放射能で汚染された廃棄物処理の在りかた。

 

の大きくは3つに分けて考えています。

 

私自身は、被災地で災害廃棄物の状況を見ていますので、焼却には懐疑的です。

放射能だけでなく、アスベストやPCB、ヒ素はどの混入が疑われ、それを分別により排除することは不可能だからです。

 

現在、林野庁で検討の進んでいる防災林の埋め戻しのためのマウンド材として可能な限り使用し、どうしても処理できないものについてのみ、バグフィルターだけでない安全策を講じた上で焼却という考え方をもっています。

 

横浜の山下公園は、関東大震災の瓦礫で出来ている公園だそうです。

 

しかし、放射能で汚染されている廃棄物は被災地に限ったことではありません。

 

23区から排出される家庭ごみや下水汚泥の焼却灰からは、日常的に、これまで無かった高濃度の放射能が測定されているのです。

 

国は、8000ベクレルという、これまでの焼却主義による廃棄物処理システムを堅持するために必要な数字を逆算して、「基準」として示していますが、その科学的根拠はありません。

 

早急に、放射能で汚染されている廃棄物の処理に係る対策を、見なおすべきでだと考えています。