ここが疑問 大田区民の土地をほぼ同じ面積の建物と交換!

第90号議案「財産の交換」は、大田区が所有する土地を同じ街区の個人が所有する土地と一緒に共同化して、デベロッパーに建設させ、大田区が土地に見合った床を得る議案です。 

等価交換ということで、約800㎡の土地評価額10億円を、約900㎡の床と1000万円と交換します。 

この土地と建物の交換に、私は次のような疑問を持っています。十分に調査をし判断したいと思います。

*末尾にこれまで提出されている報告資料を添付します。資料をお読みいただきながら一緒に考えていただければと思います。

以下議案質疑です。
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大田区は、京急蒲田西口地区、大田区蒲田4丁目16番の大田区が所有する土地約823㎡をこの街区の地権者8人が所有する約570㎡の土地と共同化し、街区全体総面積1390㎡の土地に新日鉄興和不動産が、地上13階建て、延べ床面積9,262㎡のビルを建てます。

大田区と、他の地権者は、建設したビルの床とそれに相当する土地の区分所有権を取得することになります。

第90号議案は、この大田区が所有する土地約823㎡財産価格審議会の評定による10億3,817万7000円と、出来上がった13階建てのビルの1階からの入り口部分と2階922㎡と差額金1,8177,000円を交換する議案です。

地方自治法は、条例または議会の議決に依らなければこれを交換することができないとしています。そして、条例で規定する財産の交換は、土地は土地、建物は建物という同一種類の財産に限り、公用または公共用に使う場合にできることとしています。

平成19年の旧入新井出張所と旧入新井図書館の土地を当時NTTが所有していて、現在ラズ大森のある土地と交換した時には議決しませんでしたが、これは、大田区の「財産の交換、譲与、無償貸し付け等に関する条例」に基づき、交換していたからだそうです。

地方自治法は、原則として財産の交換を禁止しています。

無制限に財産の交換を許せば、「総計予算主義の原則」=会計年度内における全ての収入及び支出を相殺することなく、全て歳入歳出予算に計上しなければならないとする原則、にそむくことになって、健全な財政運営が期待できなくなるからです。 

同時に地方自治法は、財産を支払いの手段としてはならないとしています。

その財産が必要であれば、購入することが出来ます。あえて、土地と建物を交換する必然性が求められます。

そこでうかがいます。

①   今回、大田区の「財産の交換、譲与、無償貸し付け等に関する条例」による交換ではなく、議決をしなければならない理由は何ですか。

②   地方自治法は、普通財産を交換することを原則として禁止しています。

今回の土地と建物の交換は、例外的に行われることだということです。今回、土地を不動産会社に売却し、出来上がったビルの床を購入する協定を締結せず、あえて、条例に規定の無い、土地と建物の交換という手段を選んだのはなぜですか。20181月に大田区と事業を検討する地権者組織とが協定書を締結した後、事業協力者は、当該街区を取得していますから、大田区の土地を事業協力者が購入することも可能だったのではないかと思います。検討したのでしょうか。

京急蒲田西口地区地区計画により、あすと商店街に面した500㎡以上の敷地において2以上の地権者による共同建て替えの場合は、あすと商店街に面して2.0m以上の壁面後退を行うことで、指定容積率が500%まで使えるようになります。敷地の面積が500㎡以上となる共同化事業による建物だと、建物の高さは、80mが上限に緩和されます。増えた床面積から得られる利益は、誰のものになるでしょう。

売却ではなく、大田区が土地と建物を交換することによる、大田区民、大田区、大田区以外の地権者、事業協力者として建物を建設し、マンションを販売などする日鉄興和不動産、それぞれのメリットは何ですか。

 

③   地方自治法は、普通財産を交換することを原則として禁止しています。

今回の土地と建物の交換は、例外的に行われることだということです。

行政が行う土地交換は、単なる市場経済の売買とは異なる、憲法や地方自治、法など関係法令に基づく、健全な財政運営や、適正な価格、公有財産活用の公平性、などの視点から求められる要件は何ですか。

交換が適正・妥当だということを大田区は、区民に対し、どう示し説明しますか。大田区と、8人の地権者が、建設したビルの床とそれに相当する土地の区分所有権を取得する面積や、少なくとも、その考え方について示すことはできますか。

④    共同化することで、老朽化した建物を更新し街を活性化させることを希望する対象地域は数多くあります。少なくとも、京浜急行蒲田地域も、このセンターエリア南第二地区以外にも、センターエリア南第一街区、センターエリア北第一地区、センターエリア北第二地区が共同化を目指しています。

今後、これらの街区はじめ、共同化事業を希望する地区に、大田区は、必ず、大田区が地権者として入りますか。

・大田区が地権者として協力する場合そうでない場合との基準はありますか

⑤   今回、建物と交換する土地は、2000年12月に、地元団体である、京急蒲田西口地区まちづくり研究会、周辺町会、商店街等から「まちづくりのタネ地として安藤電機跡地を取得することについて要望書を受理」したことから、翌年2001年4月に大田区が取得し、暫定駐輪場として使用してきました。その後、土地開発公社から再開発事業用地として大田区が土地開発公社から取得し、この間、建て替え中の仮店舗用地などとして使用し、今も一部は暫定自転車駐輪場として使っています。

京急蒲田西口の他区の共同化事業は、まだ終わっていませんが、この土地を西口のまちづくりのタネ地として使用する使途は終わったのですか。あるいは、蒲田西口の駐輪場として使用するなど、使途は無いのでしょうか。

⑥   方で、大田区が取得するビルの床は、まだ使途が決まっていません。そもそも、公共施設整備計画にも入っていません。今も大田区が保有する建物の延床⾯積約124万㎡のうち、本庁舎のある蒲⽥地域に42.6万㎡(全 体の34%)の公共施設が集中していると大田区も分析しています。検討中といいますが、そもそも、必要だという判断の根拠は何ですか。どこの部署が何の用途として必要だと判断したのですか。

⑦   この共同化事業における大田区の関与や費用負担は、この交換以外にどのようなことがあり、いくらいくらいと、想定していますか。99戸のマンションが売れ残った場合に大田区が負担するようなことはありますか。