第一回定例会において、「大田区職員定数条例の一部を改正する条例」が提出され、反対しました。

反対した理由について報告します。

■職員定数とは

「大田区職員定数条例」は、地方自治法第172条第3項の規定、「職員の定数は、条例でこれを定める。」に基づいています。

地方自治法が職員数を条例で規定することを定め、議決事項としている本旨に立ち返れば、区民から負託され、大田区行政を執行する機関の職員数のいたずらな増減を避け、制限をかけていることは明らかで、自治体運営の基盤とも言える重みのある条例です。

この、定数条例で定めた定数が職員数そのものではありません。

■労働実態とかけ離れている職員定数

臨時または非常勤は定数に入りませんし、研修、派遣、事務従事や休職、休業の職員を定数外として定数に含めていません。現在の大田区は、以前のように大半を正規の公務員である職員だけで支えられているのではありません。外部への研修、派遣も増えています。

団塊世代の職員が多いことは知られていますが、60歳で定年退職したこれらの方たちが再任用職員として勤務されていますが、定数には入っていません。

大田区内部では、職員定数だけではなく、配置定数、財調定数など様々な数値により職員数を把握、管理しているものと思いますが、実際にどこに何人働いているか議会には明らかにされていません。

■外部化・民営化時代の職員定数の意味

一方で、民間委託や指定管理者制度が進み、膨大な事業がこの間、外部化されてきました。保育園、学校給食、図書館、プール、障がい者施設、男女平等推進セ ンター、わかばの家、児童館など、これまで大田区職員が行ってきた様々な分野を公務員ではない、大田区からはお給料をもらっていない民間事業者に雇われる 方たちが担うようになってきています。

しかし、大田区行政において、これら外部化されている事業においてどれだけの人が働いているのか、金額においても、また人員ベースでも雇用の総体が見えな くなってきています。こうした現状を見れば、定数条例上の職員数が大田区で働く人の数の実態とはかけ離れた数字であることがわかります。

議案上程の際に、質疑しましたが、未だに、全容の把握できる状況にはなっていません。

それでは、定数管理する意義とは一体何でしょうか。それは、地方自治法上の規定、「最少の経費で最大の効果を上げるようにしなければならない」にほかならないのではないでしょうか。

大田区行政の大半を公務員が支えていた時代における職員定数の管理ははこれでよかったのかもしれません。しかし、現在の大田区において、条例で定める定数 は、こうした、地方自治法上の規定、「最少の経費で最大の効果を上げるようにしなければならない」においてどれほどの意味を持つのでしょうか。

■行政改革と職員定数条例

大田区は職員定数が下がっていることを区報などで示し、行政改革が進んでいるかのような広報を行っていますが、事業が外部化されているのですから職員数が 減るのは当然です。その職員の人件費総体を区人口で割って区民1人当たりの職員人件費を出せば、人件費率が下がるのは当然で、実態を把握するのであれば、 事業者から人件費相当分を提示させ、積極的に区の経営指標として活用していくべきです。

昨年の第三回定例会における決算審議の際に、人件費に物件費を加えたおおよその人件費相当分の経年変化を見たところ、平成19年から増減を繰り返しているという指摘をさせていただいています。

物件費にシステム費が含まれるためですが、議会からは、大田区運営における人件費やシステム化の適否が費用の面から検証できないことだけは明らかです。

大田区は、民営化や民間委託など区の事業を外部化するに当たり、雇用創出をそのメリットの一つとして掲げてきましたが、その効果は示されたことがありませ ん。外部化した人員を把握していなければ、何人の雇用創出につながったのか、その効果を明らかにすることもできないのです。
特に、雇用状況が悪化している現状において、行政の外部化を分析することは重要です。

これは、大田区に限ったことでなく、他自治体、そして国における公務員改革の際にも重要な考え方です。

形骸化した定数条例改正は、みえにくい行政経営内容をさらにみえにくくするもので、適正な行政運営を阻害することにつながり反対です。


昨年も反対し、その理由を報告しています