議会制民主主義の外側で意思決定できる新たな仕組み~民間まかせで大田区は良くなるか
民営化すれば、「手放しで」社会は良くなると信じている人はさすがに減って来ていると思います。
給料高くて、働かなくて、感じの悪い公務員という、型にはまった公務員像がいつのまにか「民意」になって民営化を進めて来ましたが、安い給料で、死ぬほど働かされる民間が、笑顔でサービスを提供する民間が公務員より良いことにはならないでしょう。
民にも官にも、それぞれの役割や、特徴があり、どちらがより優れているかは、一概に決められないからです。
ところが、ここに来て、市民からは、民営化に疑問を持つ声が大きくなって来ているのに、当の公務員が、 「民営化、どこが悪いんですか?」的スタンスに変わっているように感じます。
公務員がサラリーマン化していて、首長のトップダウンで施策が決まっているように見えます。国も地方も似ていますね。
何故そう思うかというと、
大田区の民営化を見ていても、コストは下がっていないし、下がったとして現場の低賃金によるコスト削減の結果だということが、明らかになってきているからです。
サービスが良くなったのも、事業者がボランティアでやっているわけでは無くて、サービス分のコストはしっかり自治体が負担しています。
現場の職員には見えているはずなのに、民営化を進める方針は、検証も総括もなく、無批判に進んでいるのです。
保育園の民営化については、検証すると答弁しているのに、検証も始めていないように見えます。今度確認しますね。
そうした中、大田区がセブン&アイホールディングスと包括協定を結びました。 包括的に連携協定するんだそうです。 qーー。l、ー。。、ーーー。。ー」。。や 羅列されている項目は多岐にわたり、およそ自治体が所管する全ての分野です。
日本の民営化は、アメリカのような「小さな政府」を目指している一貫ではありません。
増税は、社会保障のためといって、税率が引き上げられますがが、思ったほどに社会保障の責任主体である大田区など区市町村(基礎自治体)では、社会保障費は増えていません。
それどころか、今年の大田区の社会保障費割合は減りました。
高齢化も少子化も進んでいて、大幅に増えなければならないのに、総額が増えて社会保障費割合が減ったということは私たちの税金は社会保障以外に使われているということです。確かに羽田空港跡地など、民間の金もうけに165億円もつかう大田区ですから、社会保障を大切にしているとは思えませんね。
そういう税金の使い方をしている大田区が、民間と、包括協定を結びました。
私は、「まとめて」やらないで、一つ一つ、約束していくべきだと思います。
包括して何をするのか聞いても、これから考えるというからです。
白紙委任でとにかく企業と連携して、企業はボランティアで大田区のために「貢献」するでしょうか。
良いことをして、そのあと、莫大な請求書がこないと区民に確約できるでしょうか。
仮に無償で大田区のために協力するなら、協定には、予算化されない事業についての協力のみを対象とする、と書き込むべきで、そのように大田区にお伝えしましたが、予算化される事業も含まれるそうです。
誰がこんなことを考えたのでしょう。
今後、協力したい項目が、こんなことを考えた「ところ」から提案されると、区民にも議会にも知らされず、また、今回のように決まり、事業者が大田区のお仕事ができるのが「包括協定」の効果なら、議会制民主主義の外側で意思決定できる「国家戦略特区以外の新たな仕組み」を大田区は見つけたことになります。