資金に余裕があったら借金はしないのが「常識」、
だと思っていたら、常識を超える補正予算が大田区議会第一回定例会にあがってきた。

見込みより、税収が増え、建設工事が予定通り進まなかったので、区債発行(借金)しなくてすむことになったのだ。
ところが大田区は、借金を一部のこして公共施設整備積立基金に積み立てた。「残った資金」に加え借金をして公共施設整備基金に積み立てた構図に。
こんなことって、ありですか。

そういえば、元大蔵省の方から、1990年代、それまで不況時に発行していた国債が公共時にも発行されるようになり、赤字国債の累積額が増えたという話をうかがいました。

今回の区債発行は、大きな意味で、国の1990年代を繰り返そうとしているように見えます。

国の公債発行の累積額1000兆円を超える状況も、まだ地方財政、中でも不交付団体の存在があったから形を保てていたわけですが、これで、23区の債務が基金を超えれば日本は再生の道を完全に閉ざさるでしょう。
最後に各会派の態度表を掲載しておきます。
この資金的余裕があるのに区債発行という借金をした補正予算と本庁舎の耐震改修工事契約24億円は、結果として反対は私ひとりだけがでしたが、どうしても賛成することができませんでした。

赤字は特に反対・賛成理由について討論した議案です。
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第5号議案平成28年大田区一般会計補正予算第4次について、財政健全化、の視点から討論します。

今回の補正予算には、執行残として、土木費で自転車駐車場2億、臨海部の散策路で2億3千万、公園の新設拡張で3億6千万、公共下水で1億7千万、都市整備費で耐震改修工事4億7千万、総務費で旧伊豆光塩学園解体工事延期2億5千万、雪谷文化センターアスベスト工事のための工事実施時期見直しで6千万、福祉費で仲六郷保育園改築で2億8千万円など建設費等の投資的経費で22億4千万円の減額補正予算が計上されています。

また、今回、歳入として特別区税15億円、地方譲与税2億1千万円、特別区交付金18億円と合わせて37億1千万円の歳入増になっています。

投資的経費で22億円使わなくてよくなったことに加え、収入も37億円増えたということです。

一方、大田区は区債発行総額40億円の予算を減額しています。

ところが、財政負担の増の要因もあるものの合わせれば、59億余の歳入増、歳出減が生じたわけですから、区債を発行しなくてすむはずですが、大田区は、34億4千万円は減額したものの、5億5千万円の区債は発行する補正予算計上をしています。

地方税法はその第五条で、歳出は地方債以外の歳入によらなければならない。ただし公共事業等の資金目的なら地方債発行することができる。としています。

公共事業目的で積み立てた40億円の地方債ですが、22億円事業予算が減少したうえ、その財源が37億円も確保されたわけですから、地方税法の言う地方債の発行できる要件である公共事業はなくなったとみるべきです。

地方債を発行すれば、区民は利子を負担しなければなりません。必要のない利子負担は法の趣旨からしても問題です。

また、公共施設整備基金取り崩しからみると、26億1千万円の取り崩しをやめながら、新たに20億円の公共施設整備基金の積み立てを行っています。

この公共施設整備基金積み立て20億円は、利息を払って区債5億5千万円を発行した資金があって初めて成立するものであるということがわかります。

大田シティマネジメントレポート87ページ、基金と特別区債残高の推計では、平成37年には区債残が988億円になると推計しています。こうした安易な区債発行が区債残高を積み増すことになりはしないでしょうか。このような無駄な基金積み立てと区債発行が許される財政状況に大田区はありません。

それでは、そこまでして基金を積み立て大田区は公共施設整備をどうしようというのでしょうか。

区民センター、老人いこいの家、志田小中学校の建て替え、旧伊豆高原荘、など、どれも、不動産屋の投資物件のごとく公の施設をあつかい、区民生活における公共施設の在り方や、長期的な財政フレームはどこにもありません。

結果として基金積み立てのために地方債発行することになるこの区民の利子負担は、無駄以外の何ものでもなく、そこまでしなければならない大田区の財政状況に警鐘をならし反対といたします。