マスコミで大きく取り上げられている、マンション傾斜問題は、その背景に人員減、安値受注を指摘する専門家もいます。

一方、自治体の工事現場では、こうした工事費用の労務単価が上昇分を補てんしようと政府が決めていて、上昇分への莫大な税金投入が行われているのをご存知でしょうか。

人件費が上がっているという「事実」があり、公共工事発注単価は上がっていますが、実際の現場では支払われていないのではないかという思われる事故が起きている。

そして、大田区が支払っている「莫大な人件費上昇分」も現場に支払われていない可能性があります。

私たちが支払う(マンション)代金や公共工事費用=税金はどこへ流れているのでしょう。

_________________________

今回の補正予算において、労務単価上昇に伴う区立運動場管理運営費として公園などの清掃や整備にかかわる増1,351万9千円、京急関連駅の再開発事業費の労務単価補助増に伴う2億681万6千円、労務単価アップに伴う狭隘道路拡幅整備事業の増9,036万1千円が計上されています。

これらは、これまで国が行ってきた全体スライド条項などでは補完できない、労務単価だけで上昇率が2.5%以上になる土木工事や建設工事にかかわる国の特例措置に基づく支払い分です。

スライド条項同様、大田区には、この労務単価アップ分が現場労働者に支払われることを確認するしくみがありません。

大田区は「国が確認する仕組みを作れといっていないので作らなくてよし」としています。

ところが、今回、同じ補正予算に計上されている保育士のキャリアアップ事業として処遇改善にかかわる人件費補助2億4,796万5千円は、大田区が独自に要綱を定め、保育士のキャリアップ人件費に使われていることがわかるものを提出させるしくみを作る予定だそうです。

議案上程時に、この違いの理由について質疑しましたが、審議を通じ行政からの明確な説明は行われませんでした。

大田区の事業者の中からは、「社会保障費含め、人件費をきちんと支払いまじめにやっている事業者が競争力を失い、人件費カットで競争力をつける事業者が生き残っていくなら納得できない」といった声も聞こえてきます。

特に、マイナンバー導入に伴い、社会保障費等の支払いが厳密に管理されれば、こうした労務単価の中でも、下請け、孫請け事業者への支払いの在り方はこれまで以上に経営に大きく影響するようになることが予測されます。

しかも、同じ公園清掃でありながら、障がい者に委託している清掃単価は、そのままだそうです。労務単価上昇が認められているから積算表が改定されたわけですから、障がい者の清掃作業単価にも反映させるべきで、差別ではないかと大きな憤りを感じます。

京急関連駅の再開発事業費の労務単価補助増に伴う2億681万6千円も同様の問題性をはらんでいます。

現状のままでは、せっかくの労務単価上昇に対応した施策が、現場労働者や下請け、孫請け事業者に確実に支払われるかどうかが確実でないため、区民の税金が目的通り支払われる確証がもてず賛成できません。