さて、今回は、先日の議会で議決された教育委員会の人事案件についての話です。

地方教育行政法が改正され、首長が教育長の人事権を持つようになりました。地方分権で、政治的な色がますます強くなってきている自治体の首長からの独立性を保つということは、簡単なことではありません。

そのような中、教育委員6名中4名の委員交代が行われました。半数以上が交代したのです。
しかも、法律の特例を使って、任期の満了が特定の年に偏ることの無いように、委員の任期を変えたことで、任期満了の委員を増やしてしまいました。

教育委員会制度は、首長から独立性を保ち、住民による意思決定を行うことで、教育の
(1)政治的中立性の確保
(2)継続性安定性の確保
(3)地域住民の意向の反映
などを守る役割を担っています。
 
はたして、大田区教育委員会は、首長からの独立性を保ち、政治的中立性や継続性安定性を確保できているのでしょうか。
 

 
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地方教育行政法が改正され、首長が教育長の人事権を持つようになりました。
 
教育委員会制度は、首長から独立性を保ち、住民による意思決定を行うことで、教育の
(1)政治的中立性の確保
(2)継続性安定性の確保
(3)地域住民の意向の反映
を守る役割を担っています。
 
今回の人事では、教育委員6人中教育長含む4人も交代しています。
6人のうち一度に4人も変わっては、(2)の継続性・安定性が確保できているとは言えません。
大田区の教育行政の継続性は確保されるのでしょうか。
 
良く調べると、今回退任する委員の一人が、二年前に地方教育行政法第四条の特例を使って、任期をわざわざ2年にしていたことがわかりました。
地方教育行政法第四条の特例は、委員の交代により急激に教育行政の方針が変わることを避けるため、任期の満了が特定の年に偏ることのないよう、首長に任命する委員の任期を変えることを特例で認めています。
 
ところが、3名の交代ですんだところ、区長が任期を変えたことで、4名も交代させてしまったのです。
 
区長が、特例の規定を使ってあえて任期2年の教育委員を2年前に選任したことを考えれば、今年度の大幅な教育委員の入れ替えは、当時の想定と変わったのではないかという見方ができます。
 
あえて三人が任期を終えるこの平成29年に任期をあわせるため二年の任期にすることは法の主旨にかなわないからです。そうなると当初の想定では、教育長か教育委員のどなたかが、再任されるはずだったかもしれないという見方ができます。
 
仮にそうだとすれば、今回の任命制度の趣旨である、継続性安定性を確保できないばかりでなく、制度の趣旨を超えた私的運用・政治的運用の可能性が出てくるのです。
 
しかも、区長は、平成27年の選任の議決を得る際、議会に任期を示さず、議決後に任期が2年であることを記した文書を配布しています。選任の同意を得る際に、なぜ任期を短くしたのかその理由も含め、議会に説明すべきです。
法の特例は区長に任期を定めることを認めていますが、同意の際の説明は不要であるといっていません。説明しなかったことで、当時、とのような体制で、教育委員の交代を計画していたのかの説明も受けられませんでした。

結果として、区長の裁量権が大きくなり、政治的要素の介入する余地を作ってしまったことになってはいないでしょうか。
教育委員の任期は、同意を求める際に示すべきですが、今回も任期は出されませんでした。
事後報告ということで、議会や区民を軽視していると同時に、行政を私物化しているといわざるを得ません。教育の中立性からも問題です。
 
人事権の濫用は時に行政の独裁につながる恐れがあります。
そうならないためにも常に任期の表記や選任退任の理由は丁寧に行い、説明責任をはたすべきです。
 
不透明な任免要素が教育委員会委員を委縮させ、自由闊達な議論を妨げることの無いよう、透明性と説明責任の果たされた教育委員選任を主張し、委員の個人の適否ではなく各委員の選任には反対しました。