受動喫煙防止から考える大田区立小学校建替え中工事現場における喫煙について=「敷地内工事現場は、学校ではない」から喫煙できる?!?

小中学校の建て替えが年に2校~3校のペースで進んでいます。

この建て替え中の小学校の工事現場での現場作業員の喫煙による受動喫煙ついて、心配している方から、ご相談いただいています。

大田区に確認したところ、小学校は喫煙禁止だが、区域を囲い、行き来できないようにしているので、敷地内だとしても工事現場で喫煙しても良いという考えだということがわかりました。

区民のみなさまは、どうお考えになりますか。

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大田区のHPにかかれている、受動喫煙についてのルールをみると、

学校は敷地内禁煙の第一種施設であるうえ、
令和1年9月1日から屋外の喫煙場所も設置できないことがわかります。

ところが、大田区は、工事現場は、こどもたちも立ち入ることができず、学校ではないから、喫煙可能と言う判断で、喫煙を許してきました。

当初は、囲いも無く、校舎から見える場所での喫煙を許していましたが、採算の保護者の指摘に、最近になって、四方を囲い、隙間をビニルシートをガムテープ?で貼った、喫煙所を、校舎から13mの場所に設置し、そこで喫煙するようになっています。

第一種施設の場合、特定屋外喫煙場所なら喫煙しても良いとなっていますが、
以下の3つの要件を満たさなければならいにも関わらず、
標識の掲示は、保護者に指摘されようやく設置するという状況でした。
そもそも、以下の3要件をご存じなかったようです。

(1)管理権原者によって禁煙場所と区画されていること。
(2)喫煙をすることができる場所である旨を記載した標識の掲示がされていること。
(3)施設の利用者が通常立ち入らない場所に設置すること。

(a)しかも、学校等については、令和元年9月1日から屋外の喫煙場所設置不可
ですから、たとえ、工事現場だとしても、条例上は学校敷地なので
喫煙は許されないと思うのですが、工事中は良しとしています。

そういう解釈で良いのでしょうか。

しかも、現在の工事現場の喫煙スペースは、保護者の指摘により、徐々に改善されてきたことからも、大田区の学校建て替え時における、工事現場での喫煙と子どもたちへの受動喫煙の防止についての対策が、整理されていないことがわかります。

今回のケースにとどまらず、学校建て替えなどの工事における、こどもたちへの受動喫煙対策が、十分に講じられることを望みます。

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大田区ホームページ:公共施設の受動喫煙防止対策について (city.ota.tokyo.jp)

1 第一種施設は、令和元年7月1日から原則「敷地内禁煙」です。
  病院、診療所、児童福祉施設、行政機関の庁舎 など
(注釈1)屋外に喫煙場所をつくる場合、特定屋外喫煙場所の要件を満たさなければなりません。
特定屋外喫煙場所の要件
(1)管理権原者によって禁煙場所と区画されていること。
(2)喫煙をすることができる場所である旨を記載した標識の掲示がされていること。
(3)施設の利用者が通常立ち入らない場所に設置すること。

(注釈2)学校等については、令和元年9月1日から屋外の喫煙場所設置不可です。

 

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大田区の小学校建て替えは、複合化と言って、余裕のある容積率を利用して、周辺の公共施設を小学校敷地の中に入れる方針(=複合化)なので、どうしても工期が長期化しています。

そのため、大田区では、上記(a)の解釈で、作業員の喫煙の場所を設け、喫煙を許しているのだそうです。

ご相談いただいた工事現場には、常時作業の方が50~70人。
そのうち、約半数の方たちが喫煙者だそうです。

喫煙場所では、

8時半の作業前
10時と15時の休憩時間30分
12~13時ごろのお昼の休憩

のだいたい3回くらい、喫煙をしているそうです。

この学校の工事契約は、入札ではなく、プロポーザルで行われています。
入札は価格ですが、プロポーザルは、提案内容を重視した選考方法です。
当時、私は、この工事契約の所管委員会に所属していたため、
線路わきの難工事だから選んだというだけでなく、教育環境を
守れるか、質問しています。

大田区は、教育環境が確保されていることを保護者などに説明したと
答えていました。

学校の工事なのに、こどもたちの受動喫煙さえ守れないプロポーザルなら、
入札すべきだったのではないでしょうか。

 

現在、大田区、事業者、保護者ともに、受動喫煙から
こどもを守るという点では一致していることを確認しています。

引き続き、大田区と交渉していきたいと思います。

委員会議事録より
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【奈須】
工期も長いですし、その間の子どもたちの教育環境が守れるかというところでも、いろいろな意見が出ていたのを私は伺っているので、そのあたりは、ちゃんとなっているかということは、いかがでしょうか。

【大田区】施設保全課長 
・・・そこで、基本計画という形で、学校の配置計画などをまず検討しまして、それを前提に、今回、設計のプロポーザルをしております
 ・・・教育環境とか、近隣への影響、そういったことも含めた配置計画の検討というのが進められた・・・やはり改築していくことと同時に、教育環境が、改築期間中にどう守られるのかというところについては、多くの意見を頂戴したところでございます。
 こちらに関しましては、一昨年に設計の説明会をやった後、そういった意見を非常に多くいただいたことを鑑みまして、昨年に設計の説明会並びに学校教育環境の説明会、赤松小学校に関しては、そういった説明会を、学校環境がどう確保されたというところの説明会もさせていただきまして、保護者の皆様には具体的なイメージを持っていただける努力は、してきたところでございます。

令和 2年 5月  総務財政委員会-05月12日-01号 (gikai-ota-tokyo.jp)