住居専用地域にまで民泊を許す大田区の都市無計画
大田区は、全国に先駆けて特区民泊を導入した自治体です。
結果、これまで旅館業法という規制により守られてきた住環境が、規制を守らず宿泊業が行えるようになって、地域の環境が壊されてきています。
大田区では、そうした批判もあり、特区民泊と民泊新法の民泊について、住居専用地域での営業に規制をかけていましたが、2年後に見直すと言う付則に従い、パブリックコメントを行い、住居専用地域での営業規制をはずす条例改正を行いました。
都市計画は、規制により、まちをあるべき姿に誘導して行いますが、規制を緩めれば、街は無秩序に開発されていきます。お金儲けのために、用途地域を形骸化させて良いでしょうか。
第65号議案大田区住宅宿泊事業法施行条例の一部を改正する条例
に反対の立場から討論いたします。
大田区は、
民泊新法の第18条に基づいて、民泊新法の民泊で、騒音やその他の事象で生活環境が悪化しないよう、住居専用地域などでの実施をせいげんして、第一種及び第二種低層住居専用地域 第一種及び第二種中高層住居専用地域 の住環境を守ってきました。
これを、施行後2年以内に、この条例の施行の状況について検討して、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。という不足に基づいて、
事業者が届出住宅内に居住して事業者自身が管理等を行う、 いわゆる家主居住型の届出住宅の場合、制限をはずして特区民泊できるようにするものです。
加えて、 ・法令に違反した者に対して改善勧告及び公表する規定を定める
ための条例改正です。
大田区は施行の状況について民泊で困る区民の意見は配慮したのでしょうか。パブリックコメントで出された19の意見は住宅を使って事業を行う立場からの意見ばかりでした。
大田区が特区民泊を全国に先駆けて行ったことで、区民の住環境は大きく悪化しています。
さらに、規制を緩和し、民泊新法の民泊を許せば、住居専用地域に期待する用途は守れません。
民泊新法第18条に基づき2年間区域に制限をかけてきましたが、ここで規制を外すとなると、
用途地域とは、都市計画とは、一体なんのためにあるのでしょうか。何もかもがお金儲けに優先されて良いのでしょうか。
今後、相続が増えるなどして空き家はさらに増え、中には資産活用で民泊新法の民泊をしようと思う人も出てくるでしょう。
ここで条例改正すれば、用途地域が形骸化し、ちいきごとの特徴あるまちづくりもできなくなってしまいます。
これまで作り上げてきた良好な住環境を乱す規制緩和は許されず反対です。