「大田区上空さえ飛ばなければ良い」の?羽田空港沖合移転は音の沖合移転!

飛行機が「大田区上空を飛ばないなら良い」のだろうか。昨日1月17日の羽田空港対策特別委員会でも空港に近い自民党議員が大田区上空を飛ばないことを確認して安心してた。(答弁では京浜島など臨海部以外はと言っているが。)
あれ?羽田空港沖合移転は、大田区の上空を飛んでることを問題視して行われたっけ?

政治が歴史的経緯を見失っているのは、羽田空港沖合移転事業に限ったことではないが、飛行ルート変更で「問題ない」と言わせるには「上空を飛ばない」理屈が都合よいのだろう。

騒音・安全のために住宅地から「離す」ことが目的だったことを思い出してほしい。
それを陸に向かい離着陸しようとしている。
莫大な税金を使って空港を新しく造ったんだ!

上空を飛ばなくても飛行機が近くを飛べばうるさい。
上を飛ばないら良いなんて軽く言えるものではない。歴史に学ぶべきだ。
しかも、京浜島城南島大田スタジアム臨海斎場などを落下物の危険性にさらす。
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空港を移転したら、目的は失って良いのか。
そう思って大田区政を見回すと、こんなのがゴロゴロところがっている。

大森駅前の一等地は区民の財産なのに「にぎわい」のためと民間に50年の定期借地権で貸し付けて雑居ビルになっている。テナントがひっきりなしに入れ替わり「にぎわい」に貢献してるかどうかもわからない。
だいたいあの場所はNTTの持ち物だったが、土地交換して大田区のものになっている。
わざわざ、雑居ビル建設のために、大田区が土地交換して上げたようにさえみえてしまう。

蒲田5丁目の大田区の土地だって「蒲田のにぎわい」のために20年間土地を貸出したが、街区にはホテルが建設され、当初の再開発の可能性も断たれている。

区民は大田区の言うことを信じ切ってはいけなくて、ちゃんと約束通りやっているのか常に監視、確認しないといけないということ。

そういう意味では、この羽田の沖合移転事業だって、当時を知る区長、議員、職員がいなくなったのを良いことに、当初の目的を上空飛行にすり替え騒音・安全を守らないことをよしとしているように見える。
上を飛ばなくても、陸に向かい離着陸したら沖合移転の意味はなくなう。

運輸省は、1986年発行の羽田空港の沖合展開事業のパンフレットに「騒音問題の解消」と記し、「懸案の騒音問題、答えは音の沖合移転です」とまで書いているのに、だ。

予測騒音値も基準内だから大丈夫というのだろうか。
試験飛行もしていない国が示す予測騒音値がどれほど精確なものかわからないが、そのうえ、平成25年4月から「航空機騒音評価指標」を従来採用してきた加重等価平均感覚騒音レベル「WECPNL」から、時間帯補正等価騒音レベル「Lden」に変えている。
Ldenは24時間で平均化されるため、変化が数値にあらわれにくいと聞いている。
国交省の文書には、「WECPNL」と「Lden」では、13~19の差があると言った説明もあるが、日本はWECPNLを簡略化して採用しているため、以前の騒音に比べどの程度うるさくなるのか、といった予測が立ちにくいという問題もある。

http://www.mlit.go.jp/common/000234736.pdf#search=%27lden+wecpl%27

しかも、大田区の上空を飛ばないというが、京浜島・城南島、臨海斎場、大田区スタジアムの上は飛ぶ。
工場地域だから騒音規制にかからないのでどのくらいうるさくなっても良い、「だから上空を飛行機が飛んでも良い」というのも問題があるが、落下物も問題ないとしたら、それは絶対に違う。

新飛行ルートを認めるということは、京浜島・城南島、臨海斎場、大田区スタジアムにも落下物の可能性が生まれるのに良しとすること。

区民の住む大田区上空を飛ばないなら良いとしていいのだろうか。

現在も落下物に悩まされている成田市の副市長(国からきている)は、今も落下物の根絶が図られないと言っている。2016年3月9日以降に抜本的対策が見つかったのなら教えてほしいが。
成田市副市長答弁
空港ができてから、38年たとうとしている中で、落下物の根絶が図られないということは、極めて残念なことでありますし、私は国から来ておりますが、国としての立場で今申し上げるべきではありませんが、国としても、極めて残念なことだとは思っている ところでございます。

大田区も「極めて残念な状況」に追い込むのだけはやめてほしい。