規制緩和の問題が伝わりにくい。規制緩和は良いことだと思っている人が多いから。

そこで大田区政から「規制緩和」について考えてみました。

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経済産業省のキッズページに規制緩和についてのこんな説明がありました。

【経済産業省キッズページより】
規制緩和とは?

様々な 制限を取り除いたり、緩める ことにより、企業が自由な活動を行いやすくすること。

 規制緩和という言葉を聞いたことがありますか?規制緩和は経済構造改革を進める一つの有効な手段で、市場における様々な制限を取り除いたり、条件を緩(ゆる)めることにより、企業が自由な活動を行い易くしたり、新たな市場をつくることです。

 例えば市場参入に関する規制を取り払うと新しく市場に参入できる企業が増え、企業間の競争が生まれるので、企業は創意工夫し、より品質の良いサービスや品物を作るようになります。また、新しい技術や発明が生まれる可能性も高くなります。さらに新しい雇用(こよう)も大幅に増えることが期待され、国民の利益になります。

【規制緩和とは、制限を取り除くこと=無法地帯を作ること】

日本は法治国家ですから、どうやって制限を取り除くかと言えば、法律をなくすとか変えるとか。

法律がなくなれば、そこは無法地帯。

無法地帯は弱肉強食、、、ですよね。

小泉構造改革は規制緩和を進めてきたが、格差が拡大したのも、この無法地帯を広げてきたからではないでしょうか。

しかも、小泉構造改革以降行われてきたのは、雇用の規制緩和と公的分野の規制緩和=民営化や民間委託。

そうは言っても、財政が・・・と思われる方と一緒にこんな現象について考えたいと思います。

【規制緩和を行ってきた大田区政の財政規模は大幅増大】

私が議員になった2003年の一般会計予算は1800億円。
今年2014年は2400億円。
なんと、600億円も増えています。

この間、大田区では、

・保育園の民営化、民間委託
・区立幼稚園全園廃園
・学校給食は小学校の6校を除きすべて委託
・図書館は中央館を除き全館指定管理者制度導入。中央館も委託。
・大田区の戸籍住民票など基幹系システムのアウトソーシング
・障害者施設、体育館、プール、男女平等推進センター(エセナ)、特別養護老人ホーム、区営住宅等々、全部で152(2014年4月現在)施設に指定管理者制度を導入
・LUZ大森でリート、伊豆公園学園にPFI導入
・京急蒲田、糀谷、雑色で再開発事業

など、思いつくだけで、かなりの分野に「民間活力」を導入してきています。

ところが、民間活力を導入し、外部化し、IT化し、民間資金も使って、今年の大田区の一般会計予算は小泉構造改革スタート直後より大幅に増えているのです。

とはいっても、高齢化だし、保育園ニーズも高まったと言うかもしれませんが、これらを外部化し、これだけの予算が増えたなら課題が解決できているかと思えば、未だに保育園の待機児約600人、特別養護老人ホームの待機者約1550人。

民営化による経費削効果はあったのか、無かったのか。
あったとしたら、経費削減された分は何に使われたのか、どうして予算規模がこんなに増えているのか。検証する必要があるのではないでしょうか。

2011年9月の決算委員会で、この指摘をしたところ、区は、「アウトソーシングの効果について検証の数値は持っていない。」と答えています。

大田区に限らず、実は、外部化が効果が有るかどうか、誰も検証などしていないかもしれません。

【規制緩和は最後の砦へ】

いま、「今後2年間で、少なくとも国家戦略特区では岩盤規制打破」というのが政府の方針。

この間の大田区の外部化をみるとほとんど外部化が終わっているかのようにさえ思えます。

次は何か。

・水道
・教育
・医療
・ごみ
・行政情報

ライフラインに直結する分野。ここに、雇用が入ります。

岩盤なのは、企業の自由競争になじまない分野だから。
そもそも、公共分野は経済性になじまないから「公」が担ってきています。

ここを民間に開放すると企業は新規参入分野を手にしたことになります。

もう一度、経済産業省のキッズページを引用。

市場参入に関する規制を取り払うと新しく市場に参入できる企業が増え、企業間の競争が生まれるので、企業は創意工夫し、より品質の良いサービスや品物を作るようになります。また、新しい技術や発明が生まれる可能性も高くなります。さらに新しい雇用(こよう)も大幅に増えることが期待され、国民の利益になります

どうでしょう?
①公共サービスの多くは地域独占だから企業間の競争は生まれない。
②保育園、特別養護老人ホームを見ればわかるが需要>供給だから、利用者が選別こそ③される危険性があるが、売り手市場。供給者はリスクを負わない。
④雇用は全体で増えるのだろうか。公務員が減り、民間事業者の雇用が「創出」されるというわけか。そうなると、私たちは、子どもの世代の「公務員」という人気雇用を狭めてきたことになりはしないか。
⑤コスト、雇用の効果の検証は無い。「無愛想な公務員」に無かった「0円のスマイル」のために、公共分野の民間開放をしてきたことにはならないだろうか。

全ての規制緩和を否定するつもりはありませんが、今、規制緩和は行うべきでない分野にドリルをあててきています。

まず、行うべきは、公務員改革。そして、民間開放するなら、分野を見極めるべきだったのではないでしょうか。