内陸飛行が始まれば、騒音が大きくなることは、国も認めています。

そこで、国が出している騒音対策、低騒音機導入、高度の引き上げ、降下角度の引き下げ、離陸の急上昇、などの多くに、経済利益が深くかかわっている背景が見えてきますし、無理のある対策であることがわかります。


低騒音機導入

低騒音機の導入と言っていますが、必ずしも騒音を小さくすること「だけ」の目的で飛行機が作られているわけでは無いそうです。

イメージとして、スーパーカーを乗用車に変えるようなものなのだそうです。
確かに音は小さくなりますが、出力も同時に低くなるので、上昇するのにも時間がかかる。なので、音は小さくなっても、だらだら音の影響が続く感じになるそうです。

プラスマイナスで考えると、必ずしも騒音対策とは言えませんね。

しかも、この低騒音機の真の導入目的は、どうも燃費にあると思われます。リッター3kmしか走らない3ナンバーの車から、20km走る軽自動車に変える感じでしょうか。

 

 

 

高度の引き上げ

好天時に高度を引き上げて、新宿、豊島、練馬、板橋、埼玉あたりの騒音影響を低減すると言っています。

確かに、高度があがり、騒音影響が小さくなりますが、降下角度が急になります。結果として、3度を3.5度にするというのがこの方式です。

この降下角度については、2018年10月にICAO のワーキンググループで「円量削減」を目的に降下核を増大させる提案が行われたそうです。(日乗連ニュース43-1より)
http://alpajapan.org/cp-bin/wordpress/wp-content/uploads/ALPAJAPANNEWS43-01.pdf

ここでも、経費削減なのですね。

 しかも、高度引き上げは、黄色部分、結果として、中でも、渋谷から池袋あたりの超高層ビル街の飛行高度を引き上げています。(青斜線部分:点線のような飛行経路になることがあると書かれている)

このところ、私は、2003年に都心の建物の高さ制限(航空法による制限表面の規制)が緩和されたにも関わらず、規制緩和されたまま都心低空飛行を始めることについて問題提起しています。

本来であれば、都心の建築物の高さ制限をかけなければならないところ、飛行機を高く飛ばすことで、建築制限の緩和を温存させている

これを、騒音対策だと言っているに過ぎないのではないでしょうか。

 

 

 

 

 

離陸の急上昇

 一方で、これはB滑走路の離陸方式だと思います。
羽田、殿町など住宅地を低空で飛びますから、その影響は計り知れません。
急上昇、急旋回しなければならないほど、騒音影響が大きいということです。

しかし、一方で、エンジン出力をあげれば、それだけ騒音の影響は大きくなります。何をしても、騒音影響をなくすことはできず、無理のある飛行ルートだということです。

 

 

それでは、本気で騒音影響を減らそうと高度を確保しているのか、というとそうではないことがわかります。

先日、江東区から呼ばれて講演をしたのですが、江東区の南風時の飛行は以下です。

現在、離陸してから、大田区のKAMATというポイントまでに9000ft約3000mの高度を確保することになっています。

この現状と比べると、離陸から、江東区・江戸川区の荒川河口までの間で900m3000ftまでしか上昇していませんし、葛飾区との区界でも1350m4500ftにしかなりません。

騒音対策で急上昇と言っているのは、羽田、殿町などへの影響のB滑走路だけで、そもそも、この新飛行ルートの高度確保は低すぎます。

 

 

2008年に、横田空域が一部返還(国交省の文書は削減という言葉を使っていますね)されたとき、以下のような資料が大田区羽田空港対策等別委員会に配布されました。

燃料が3千3百万リットル節約できて、98億円も経費削減できた、というわけです。

横田の返還は、外交上の問題としてではなく、経済効果として取り扱われたということです。その時、米軍と日本との関係における横田空域の問題は、あまり取り上げららなかったように記憶しています。

98億円のほとんどは、余剰利益として、株主(投資家)のポケットに入ったのではないでしょうか。

 

飛行場は一般に市街地から離れたところに作られてきました。羽田空港は、市街地に隣接した空港でしたが、それを沖に移転させ、「海から入って、海へ出る」という飛行方法で工夫することで、市街地に隣接している「欠点」を補ってきたわけです。そもそも、空港の立地条件が違いますから、海外の空港と同じ飛び方をすれば、市街地への影響は、比べ物にならないほど、大きくなります。