というのも、北九州市の試験焼却が、宮城県が委託したゼネコンの再委託だった可能性を指摘する市民がいるからです。
当初、ゼネコン一括発注を想定していた災害廃棄物処理は、その後、再委託受け入れ自治体の問題から「広域処理」というスキームで行うことが公表されています。
現地処理を受託し担っているゼネコンが、受託した現地処理分を広域処理に回すことが可能だとするならば、果たして、宮城県は委託契約書に、「何」を委託したのかという疑問が出てきます。
「現地処理を委託」したのか「宮城県が受託した災害廃棄物総量」を受託したのかでは、その後の、処理量減少に伴う、最終的な処理費用の精算額が異なってきます。
東京都受け入れ分は、当初環境省に50万tと回答し、その後の東京都への確認でも、多摩の一部事務組合受け入れ分は5万tから1万tに減ったものの、民間 受け入れ分は40万tと発言していますが、今回の環境省文書で、民間29,250t、23区一組50,000t、西多摩衛生組合4,500t(年間なので 2年で9,000tか)になっています。
当然、被災地から処理を受託した県は、県内での処理を優先させ、現地処理できるものは現地処理したうえで、広域分として計上していることと思います。
しかし、先日参加したプレスセンターで行った、第32回「都市問題」公開講座「どう処理する、震災廃棄物」の中で、東京都は、現地処理を優先ではなく、早 く処理するために受け入れられるところが受け入れるという主旨の発言をしていたのが気になります。これは、手を挙げたところが処理をすればよいということ になり、コストはいくらかかっても良いから処理すべきという意味に受け取られかねない発言です。
しかし、今回の環境省の文書「災害廃棄物広域処理の調整状況について」はその名の通り、環境省の調整について環境省が言及しています。
文書中には”環境省では両県と廃棄物の種類ごとにきめ細かな調整を行ってきました”という記載もあります。
3.26環境省交渉の席では、コスト計算もシュミレーションもしていないと答えた環境省ですが、ぜひ、環境省には、省として何をどう調整してきたのか確認する機会があればしてみたいものです。