来年の4月に統一地方選挙が行われる。大田区も区長選挙と区議会議員選挙を控えている。
いつの時も政治の決定権を持つ代表を決める選挙は大切だが、統一地方選挙は、それが集中しているだけに影響も大きい。しかし、それだけでなく、来年の統一地方選挙は特に重要だと思っている。

今日は、私が思う2015年の統一地方選挙が特に重要な3つの理由について。
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【その1】政府の独走に歯止めをかけられる唯一の可能性が住民自治

国政が政府の独走で進んでいる。対案も、さしたる議論もなく国民生活に重大な影響を与える法案がするすると可決するようになっている。野党が弱いのか、与党が強いのか、国会議員が何かに遠慮しているのか。
国会が機能していないどころか、特区を作り、民間事業者が好きなように制度をデザインするようにさえなっている。

このまま次の国政選挙まで待てば、特区のしくみも使い、これまで私たちが築き上げてきた基本的人権を担保するために必要な労働、医療、教育、税制、公共インフラ整備方法等々、あらゆる日本の統治機構は、「規制改革」という旗印のもとがたがたになる可能性が極めて大きい。

そこに歯止めをかけられる唯一の可能性が住民自治であり、地方自治体だ。

分権が進み、権限は自治体にある。それが、住民のために使われず一部の利害関係者に使われてきたことが問題なのであり、その権限を住民に使う地方政府に変えれば、日本はかわっていく。

変えられる。

【その2】社会保障(子育て・介護・障がい・教育)など地方分権で住民サービスの事業主体が区市町村になり、区市町村が優先順位をどこにおくかでくらしやすさに大きな違いが出る時代になった。

この10年の地方分権で、住民サービスの事業主体が自治事務になるなど区市町村に整理された。
都道府県や国は法律を作り補助金で支えるが、待機児定員を増やし、介護認定し、障害サービス支給を決定し、生活保護支給決定するのは区市町村だ。

基礎的自治体が優先順位をどこにおくかで、くらしやすさに大きな違いが出てくる時代になっている。

【その3】住民サービスの責任主体は区市町村だが、政府は特に都市部の区市町村の財源を減らそうとしているので、区市町村の姿勢がさらに重要になる。

国、都道府県、区市町村には、それぞれ、固有の役割がある。

社会保障サービスの事業主体が基礎的自治体になったにも関わらず、政府は、2014年4月から、基礎的自治体の財源(=法人住民税)を国税化した。23区中心に影響が出る。大田区で年間100億円だ。

法人税を減税し、その穴埋めに消費税上げても足りなくて法人住民税の一部を国税化することで補てんしている。

法人税減税すればするほど国の財源は減り、その分の税収増の見込みが無いから、消費税を上げたり、区市町村の財源である法人住民税を国税にしなくてはならない。

2013年末に出された政府の税制大綱は、消費税が10%になったら更に法人住民税の国税化割合を増やすと言っている。区市町村の財源がさらに減ると言うことで、子育てや介護に投入する財源が更に減ることを意味する。

たいへんな時代に入った。

補完性の原則と言う考え方がある。区市町村でできないことを都道府県がやり、それでもできないことを国が行う。

ところが、今、利害関係者が政治家に言うと、政治家が動き、国や都でやることを区や都で行うようになっている。
結果として、基礎的自治体でしかできない住民サービスの財源を減らすことになる。

たとえば大田区は、蒲蒲線という鉄道事業や、空港跡地の開発という国策にまで手を伸ばそうとしている。

蒲蒲線は総工費1080億円という試算が出ており、大田区の負担は180億円と見積もられている。
空港跡地の開発には500億円が投入されると言われている。年間2400億円の一般会計の大田区とは言え大きな金額だ。年間数千万円でも、効果的な福祉サービスはある。

蒲蒲線が通って便利なのは、大田区民だけでなく沿線の区民や埼玉県民。空港跡地を使った外国企業も関る産業交流施設であれば、保税措置などの活用も想定され、まさに国策だ。

これらに大田区の税金を投入すれば、保育園の待機児対策や、単身世帯かが進む高齢者への対策など、自治体でしか取り組むことのできない地域の福祉サービスの財源が減ることになる。

いま、大田区はじめ基礎的自治体の財政は、「蒲蒲線も、空港跡地も便利そうだし、景気も良くなるかもしれない」などという抽象的なイメージに引きずられる状況にはない。