大田区財政からみた財務省のグラフの疑問 私たちは、本当にそれしか負担してないか? 負担の対GDP費はそんなに外国に比べて低いのか?
資料をみて、わからないことがあったので、財務省に質問しています。
すぐにお答えいただけていなくて、現在、回答待ちです。
何を見て、どこがわからなかったのかと言うと、
この図です。
参考資料・諸外国の支出と税収の規模はどうなっているのか 財務省 (mof.go.jp)
右の棒グラフは、GDPに占める税の割合が18.5%、OECD加盟国を中心に31か国中、日本が28位。
左の棒グラフは、同じく社会保障費支出23.7%(対GDP比)。
真ん中の棒グラフは、社会保障費以外の支出15.3%(対DGP比)。
【疑問】
【Q1】日本の18.5%に、健康保険料、介護保険料、年金保険料は含まれているのか
【A1】含まれていない。
日本の18.5%に、医療保険料や介護保険料、年金保険料は、含まれていません。
税ではないからだそうです。
それでは、他国は、医療保険や介護、年金はどうかと言えば、たとえばデンマークは税方式なので、医療保険料や介護保険料などは、税として徴収されています。
当然、デンマークは税負担が大きくなるし、日本は低くなる。
日本の医療保険料や介護保険料、年金などを含めるとこの順位がどうなるか、うかがっています。
【Q2】民営化された特別養護老人ホームの利用料金や、指定管理者制度の施設使用料は含まれるか。
ある年、大田区の歳入が激減しました。
特別養護老人ホームが民営化されて、施設に支払われていた利用料金が、
大田区の歳入から除外されたからです。
ということは、全国の特養が直営か民営かで、税に含まれるかどうかも
違うかも知れません。
施設使用料は直営でも民営でも含まれないとすると、ここでも、
【Q1】のような状況が生じていることになります。
【A2】回答待ち
【Q3】医療保険の窓口払い費、介護保険の施設使用料、サービス使用料は含まれていないと思うが。
【A1】上記グラフの数値には含まれていない。
18.5%と言う数字は、国税・地方税だけの数字です。
国民はほかにも医療保険料、介護保険料、年金保険料、医療窓口払い、介護サービス使用料などを負担しています。
自治体では民営化されると、それまで歳入に計上されていた利用料金や施設使用料は民間企業の収入になり、自治体の歳入から除外される。区民、国民は同じように負担しながら、行政の制度の違いで、負担していないかのように扱われています。
日本の社会保障制度の運営方法や数値のとりあつかいの違いから、税として使われていないが、国民にとっては、税に等しい負担をしています。
自治体で区民のみなさまから頂く費用には、障害者施設の使用料もあれば、
社会保障費については、国ごとに制度が違うため、社会保障を税で負担する国、医療保険や介護保険など保険料で負担する国など、さまざまで、一律に対GDP比で比較し、負担割合の多い、少ないで税を上げるべきか否かの議論にはならないと思います。
これらも含めれば、私たちは、非常に大きな負担をしていると思いますが、そこの有無やいくらぐらいなのかも示したうえで
私たちの負担が大きいのか、さらに負担すべきか議論してほしいと思います。
国は、対GDP比の税負担が小さいけれど、社会保障費で恩恵をうけているのだから、
国債を発行して、財政を不安定にさせるのではなく
消費税を上げるべきだと言いたいのだと思います。
どのくらい借金に依存してきたのか 財務省 (mof.go.jp)
確かに、国債を発行して財政が不安定なのは、健全な財政状況ではありませんが、
私は、健全な財政状況に無いのは、民営化した企業のインフラ投資含めた
投資の在り方にもあると思います。
それまで、国費で負担してきた国鉄や空港、道路など社会保障費以外の支出が、民営化で私企業の投資費目にかわり、公会計から除外されている(と思われる)
一見社会保障費以外の負担が低いように思われるわけですが、これらの負担は民営化されたからと言って私たちが負担しなくなっているわけではありません。
【Q4】民営化前の国鉄の鉄道整備費は、社会保障以外のその他の費用として支出として計上されていたが、民営化されたら、補助金だけが計上されるようになっている。かつて、公営だった、NTT、郵貯、空港、NEXCOなどは、民間企業になったため、設備投資費は基本民間会計になり、公会計から除外されているのではないか。見かけ上私企業の会計に計上されているが、投資費用を回収するための費用は、直営の時も民営化されてからも同様に私たちが切符代などで負担している。
【A4】確認する。(回答待ち)
そもそも、国民の負担を適正に把握していないこと
制度が違うにも関わらず安易に割合を比較し、増税が必要だという印象を与えることは
問題だと思います。
制度を知ることは、国民にとっては簡単ではありませんが、
熟知する財務省が、国民の知識不足を良いことに、一部のデータを
切り取り、増税へ誘導するのは、フェアでは無いと思います。
大切なのは、正確な国民の負担の現状を示したうえで、合意形成できるかどうか
だと思います。
そこを丁寧に行わずにきたから、国の累積債務は1000兆円を超えて
私たちは、債務の利息の負担に悩まされているわけです。
元大蔵省でスウェーデン大使も務められた、藤井威氏から
1990年代の国債発行と景気の波を示され、国債は、景気の悪い時に発行するが
1990年代は、好景気でも国債を発行していた、という手書きの一覧を
いただいたのが大変に印象深く、今も心に残っています。