区民生活を支えずに「便利や魅力」に税金使う余裕ありますか? 便利や魅力は無料(タダ)ではありません

今年の大田区の予算に「魅力」「利便性」という言葉が入りました。

数年さかのぼりましたが、初めてではないかと思います。

令和3年(2021)年

 

令和2年(2020年)

便利や魅力という付加価値をつければ、その分、コストは高くなります。

税金で担う公共システムに便利や魅力をつければ、他に使う財源が減るか、税金負担が大きくなって増税です。

 

便利や魅力は、プライベートな暮らしでは、こだわりたい部分でもありますが、

🔴いざ、介護を受けようと思ったら、1000人も待っていて施設に入れない

🔴特別養護老人ホームだと安いのかと思ったら、年金ギリギリで、一緒に暮らす家族が生活を切り詰めなければならない

といったことが、意外にも中間所得層でも、めずらしいことではなくなっています。 

所得に対し、負担が大きくなっているからです。

貯蓄があれば、心配は軽減されますが、持ち家の有無によっても状況は大きく違ってくるでしょう。

 

この間、所得に対し、様々な税金の控除が減って、
消費税も介護保険料も医療保険料も上がって、
可処分所得が減り、

収入の額面からみれば、
中間所得層という安定した暮らしを享受できるはずの所得層が、
思ったほどに楽できなくなっています。

これは、自己責任ではなく、政策が変わったことによる政治に責任があります。

政治は、収支の帳尻を合わせることだけ考え、この間、中間から上の所得層に負担を大きくしてきています。
本来は、どう所得を上げるか、ということを考えねばならないのに、そこを放棄し、
GDPという誰にとってメリットになっているのか見えない指標で胡麻化してきたわけです。

ほかにもある、
大田区の、そうした状況を見ている私としては、
🔴「便利のための蒲蒲線」や
🔴「魅力のための駅前再開発」
🔴「魅力のための羽田グローバルウイング」

の前に、すべきことはたくさんあると思っています。 

そもそもの所得をあげるよう政治が努力するのは当然ですが(最低賃金引き上げるくらいのことしかして無いケド)、

いま必要なのは、低所得者層への支援とともに、

🔵中間所得層が低所得者層に転落しないための施策が必要

だと思っています。

親が中間所得層でも、こどもが奨学金という名の借金を抱えると、就いた仕事によっては、生活が厳しくなってしまいます。

親世代は、こどもや孫世代を守るためにも、今の政治に物申す必要があると思います。

経済的、時間的余裕のない暮らしをしているのも自己責任だけではなく、
この間、政治が、政策として進めてきた、所得、雇用、税や社会保険料負担の変化
によって生じている部分が大きいのです。

それでも、
教育や社会保障などセイフティネットがしっかりしていれば、
救われるわけですが、それさえ政治が脆弱にしてきました。

今年は、過去最高益の企業の収益を背景に、大田区の税収も好調です。

この税収を、区民の生活の安定ではなく、魅力や利便性に使えば、将来そのツケを払わされるのは、私たち、そして、なにより私たちの子や孫の世代だということです。