無駄な公共事業がなぜ始まるのか考えると、そもそも「無駄」だと思っていない人もいるので難しいのですが、こんな風に計画が始まり予算がついていることを知ったら、今の大田区政の問題が見えてくるかもしれません。


たとえば、今回、大田区議会が議決した15億円余の田園調布せせらぎ公園のクラブハウス建て替え。
地域住民が説明会で予算規模を示してほしいと言い続けましたが、とうとう大田区議会の予算書に工事契約の予算が計上されるまで、いったいいくらくらいなのかさえ、1000万円か1億か10億か100億か1000億かさえ示されませんでした。

ところが、このせせらぎ公園の計画が公表される半年以上も前から、このことを知っている人たちがいたようなのです。

私のところには、自分が提案した、反対しないでほしい、押し戻すな、などという声が直接間接聞こえてきました。不思議なことです。

行政内部だけで計画が進むとしたら住民不在で問題ですが、一部の住民と計画が進み、それ以外の住民は蚊帳の外、というのも問題です。

予算度外視の「素敵な計画」が示され、事業がスタートしますが、結局それを支払うのは大田区民、場合によっては国や東京都の補助金で、日本国民全体が負担することになります。そう思うと補助金が出るから、と言って計画を進めるのは問題が深いですね。

とはいえ、

私たちの税負担を意識させず始まる公共工事の進め方に、問題はないでしょうか。

以下、15億282万円の田園調布せせらぎ公園のクラブハウス建て替え工事契約議案について、奈須りえはこう考えました。

 


 

フェアな民主主義 奈須りえです。

 

第97号議案「仮称大田区田園調布せせらぎ公園文化施設新築工事請負契約について」

について反対の立場から討論いたします。

 

第97号議案の工事契約は、現在「せせらぎ公園」内にあるクラブハウスを解体して、隈研吾事務所の設計で、延べ床面積2246.48㎡の鉄骨の建物を建設するための請負工事契約議案です。

 契約金額は15億282万円で、制限付き一般競争入札に付しましたが、落札者がないため、随意契約になったものです。

 私がこのせせらぎ公園に建物を建てる予定だと知ったのは、2016年の3月です。

そこで、次の3点にわたり議案質疑をしました。
以下、質疑と答弁です。このやり取りを踏まえてうえで、以下の討論を読んでいただくと、私の言いたいことがよりクリアに見えてくると思います。

1.区民から再三、およその予算を示してほしいといわれてきているが示されない。なぜ示すことが出来ないか。このやり方でいいと思うか。
 (答)住民説明会では予算の概要がまだ確定していないので、区民に知らせることはできなかった。予算の概要を示した平成30年2月予算案を議会に示したのち、区民に公表した。

2.この計画について地元町会長に非公式も含め、知らせたり協議しはじめたのはいつからか。
 (答)地元町会長には、地元説明会に先立ち、平成28年10月19日にお知らせしている。

3.この契約は、設計変更の 対象となる具体的な事例を十分に精査したのちの契約か。
 (答)十分精査している。

 

この議案については、上の3点にわたり議案質疑をしたのですが、1と2について答弁漏れがありました。こうした答弁漏れは、これまで経験したことがありません。

気づいたからよかったのですが、気づかなければ、答弁を得られなかったわけで、通告している質疑の答弁をしないことが無いよう気を付けていただきたいものです。

【せせらぎ公園購入の経緯】

 せせらぎ公園のある多摩川ラケットクラブ跡地は、当初大田区が購入を打診されたにも関わず、いったんは買わない判断をし、その後金丸不動産が購入した後、大田区が購入しています。こうした紆余曲折あって買っていて、それだけに地域住民との合意形成は丁寧に行いました。

【できるだけ自然な形で維持管理、と地元と約束】

できるだけ樹木は、伐採せず、自然なかたちで維持管理してほしいという要望があり、そのように今も維持管理されていて、ほぼラケットクラブの時のままの豊かな緑が美しい公園です。そのため、テニスコート跡も、そのままフェンスを残し、こどもたちがのびのびとボール遊びなどができるスペースとして地域のみなさんに親しまれています。

 今回の、せせらぎ公園という都市公園の開発は、誠成光倫から購入した土地に体育館建設を予定していること、せいこうりんも残った敷地いっぱいに施設を建て替え中なども含め、平坦な部分の大半が構造物になってしまいます。緑豊かな多摩川ラケットクラブを公園として取得した当時、誰がこんな姿になってしまうことを予測したでしょう。

 購入時に地域のみなさんと緑をできる限り残すと約束したのに、クラブハウスを大きくする必要性はありませんし、せいせいこうりんから購入した土地に体育館、残った生成後輪の敷地いっぱいに建物が建てられるのも不思議です。

田園調布も敷地が細分化するなど、緑が減っています。公園内まで緑を減らして大きなクラブハウスにする必要はありません。

【設計事務所には知らせても、区民(地域住民)に予算を示さず始まる計画】

また、地域のみなさんの関心事の一つが、予算がいくらくらいなのかでしたが、大田区は、およその目安さえ区民のみなさんに示してきませんでした。

 

隈研吾事務所は、パーツ絵を出して説明会で説明しています。大田区から目安をしめされていたはずです。設計事務所に示せる程度の、幅を持たせた、予算規模程度は区民に示すべきです。

しかもこの案件について、事前に知っていた、自分が提案した、と私にお知らせくださる方が複数いらっしゃいました。

こうした一部の区民の意見で区政が進むかのようなな情報提供のあり方に問題はないでしょうか。情報提供した時点で、少なくとも知りたい区民が知ることのできる状況を大田区は作るべきです。

あいかわらず専決処分が散見されます。設計変更のガイドラインができたら、逆に「発注者が必要だと認めるときの設計図書の変更」を理由にした変更が増えてきたように感じます。

発注者である大田区の見積もりの精度にも関わることであり、大田区には、設計時に十分な検討と精査を行うことを求めるものです。

以上討論といたします。


 

この議案については、3点にわたり議案質疑をしたのですが、次の2点について答弁漏れがありました。

1.この契約については、区民から再三、およその予算を示してほしいといわれてきていますが、大田区は示していません。

・予算規模がわかった時期

・設計の発注時期

など、およその予算がわかった時期に区民に示すことができなかったのはなぜですか。議会に出して初めて、区民におよその予算規模・金額が示せるやり方でいいと思いますか。

2.この計画について地元町会長に非公式も含め、知らせたり協議しはじめたのはいつからですか。

これらの2点について、大田区は、答弁せず、答弁もれを指摘されて初めて答弁しました。

気づいたからよかったのですが、気づかなければ、答弁を得られなかったわけで、通告している質疑の答弁をしないことが無いよう気を付けていただきたいものです。