大阪都構想の特別区設置協定書を読みましたが、東京都と23区の「都区財政調整制度」とほぼ同じです。
私は2003年に東京都大田区の区議会議員になりました。そして、都区財政調整制度のもとの区政で、税金の使い方やしくみについて区議会議員としてチェックしてきました。

そこから心配なことをあげてみました。

大阪市は、東京都と比べて、借金が多い、生活保護が多いと言っていますが、東京都には大企業の本社がたくさんあるんですから。税収だって、仕事だって大阪市より多い。

大阪市を大阪都にしたところで、大企業は本社を大阪市にはおきません。
まずすべきは、大阪市に大企業の本社がくるような政策では無いですか?

だいたい、日本は人口減少で、とにかく東京23区だけでも人口集中させよう。そしてバーチャル右肩上がりを東京23区につくりあげようとしています。
これは国策です。
ここがおかしいとなぜ言わないんでしょう。

*【都構想の偽り】
しかも都構想なんて言ってるけど、大阪府は大阪府のママ、特別区ができるだけで大阪都にはならないそうですね。
大阪市の福祉を6200億円で「特別区」に押し付け、そこから、更に、ゴミ、再開発、上下水道などのインフラ整備費を「ショバ代」として吸い上げ、保育園や特別養護老人ホームなど社会保障財源をショートさせるしくみですね。

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だから心配な大阪都構想

1.税金のムダ遣い

これまで、大阪市民が遣っていた2300億円が大阪都のものになってしまいます。
特別区が福祉、大阪都が箱モノといいますが、大阪都に箱モノインフラ事業を任せることになるわけです。
福祉の責任の無い大阪都が再開発や鉄道などのインフラ事業をくりかえせば、財政上のしくみから、もれなく特別区の負担がついてきます。

大阪都は、いわば、国の直轄のようなところで、東京都が良い事例ですが、都民の声など届きませんから、事業者と地権者の声で計画をつくり、巨大な箱モノ事業を繰り返すことになります。

2.巨大化する官僚権力と多重行政

大阪市の持っていた権力は大阪都と一部事務組合に集中します。
権力とは金を使える裁量と言えば分りやすいと思います。

ひとつは、大阪市から流れる2300億円の金。
もうひとつが、信じられない数の事業を一部事務組合(=一組イチクミ)で行うということです。

一組と言うのは新しく役人組織ができるということです。そこが、100もの事業を行う。

大阪都ができると清掃や水道などの「インフラ」を一組が担うことになります。
インフラの多くは、その後ろに企業がついています。
ごみであればプラントメーカー、エネルギー、土木、建設、、、。

そして、多くの役人が、それら企業に天下りしています。

これを大阪都は、職員400名、事業規模にして6000億円の一組にやらせようとしてる。
大丈夫なんでしょうか。

一見、『身を切る』で『一組』にインフラ巨大事業を切り離して大阪市や大阪府のムダを無くしたようにみせていますが、住民に見えにくくしているだけで、『大阪市』のムダ遣い構造がかわるわけではありません。

役人天国ですね。

しかも、この一組と言う役人組織は、代表もいるし議会もありますが、選挙で選ばれていない。
普通、市とか区は、選挙で市長・区長を選び、議員を選びますよね。

23区では、23区の区長が順番に一組の代表になり、多くの区は議長を一組議員として選んでいます。

どういうことになるか。

ただでさえ、与党の力が大きい議会ですが、一組の中には「与党」しかいないんです。具体的な名前でいえば、東京では、ほとんどが自民党議員、まれに公明党、民主党。
これが大阪となると、大阪維新の会でしょうか。

となると、維新の会だけで協定書を作ったようですが、これが、さらに続くことにもなりかねません。

しかも、代表である市長区長に当たる代表や議員は、選挙で選ばれていないので、一組のお仕事には不熱心です。
適当にやっていたって、あるいは、場合によっては、箱モノやインフラ整備でヨロコブ人たちのために結果として、税金のムダ遣いになるなんてことも、直接の有権者はいませんので票になりませんから、東京の場合、熱心にとりくんでいる一組議員は存じ上げません。

そして、天下り先が目の前にちらつく役人がつくったシナリオ通りに議事が進みます。

何百億円もするプラントを買うにもシャンシャン議会。異議なし、異議なしでスイスイ決まっていきます。

これでムダ遣いをやめられるんでしょうか。

6000億円の税金を白紙委任することにならないでしょうか。

 

3.民主主義の形骸化

市民の意見では無く、企業の遠隔操作により税金を使うのが一組と言えないでしょうか。
職員400人の官僚組織、事業規模6000億円の超民主主義組織を作るのが都構想ということになりますが、そうなると、民主主義がどんどん形骸化します。

4.福祉の大幅後退

しかも、地方分権で、基礎的自治体が福祉をになわなければならなくなっています。
保育園、特別養護老人ホーム、障がい者施策、みんな市や区がおこなうことなんです。

福祉=社会保障の部分を6200億円で区にになわせるといっていますが、6200億円まるまる使えるわけでは無い。

たとえば、大阪都が始めた再開発やインフラ整備のつけが都から区にまわってきますから、区の財政はさらに厳しくなる。

で、福祉が大幅に後退する。

横浜市で、待機児0が大きく取り上げられたことが有りました。
中身をみれば、企業保育園ばかりで待機児解消したと批判もされましたが、企業保育園でも横浜市が待機児0にできたのに対し、東京23区はそれすらできず、待機児数を増やすばかりです。

これは、横浜市が政令市という都道府県の事務と区市町村事務の二つの権限を持っていることが大きかったと思っています。

保育園の定員を増やすことは区市町村にしかできない事務ですが、そこにつける補助金の権限の一部は都道府県がもっているため、二つをうまく集中させ、スピーディーにしかも「優先順位」を明確にして待機児対策に取り組めた。

横浜市より財政が豊かだった23区にはできないことでした。

いま、大阪市や大阪府におきている問題の本質的な原因を本気で明らかにしようともせず、「大阪都」というイメージだけで大阪市民を扇動し、あたかも課題解決できるかのように「広報」するのだけはやめていただきたいと思います。
都構想と言いながら、大阪都にすらならないそうですね。

これは、政治家大阪市長ではなく、公平性を担保しなければならない全体の奉仕者である行政の長としての大阪市長に申し上げたいと思います。

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これが、東京都と23区がやっていることからみた、大阪都でおきようとしていることです。

大阪都とは、大阪市の福祉を捨てた形といえば分かりやすいと思います。

大阪市は、大阪市民を捨て、6200億円で区という枠組みにに市民を押し込め、それでも足りずに、バショ代として箱モノ・インフラ代を請求しようとしている。

これが、一面からみた大阪都と区の関係です。