形骸化してきている公務員の服務の宣誓
今回、職員の不当な天下りを防止する条例のように見える条例を大田区が作りましたが、
この条例で、私たちが期待する、適正さが守れるわけではありません。
区は、
・不当な就職機会を得ることや
・就職先への利益供与は、
服務の宣誓や、
退職後2年は、退職前5年間従事していた仕事につけないことを法律で決めている
から、守れていると答弁しましたが、
実は、この服務の宣誓は、2年ほど前に改正になり、形式的になってしまっています。
条例改正の時に、改正の問題について討論しましたので、あらためてご報告します。
条例改正は、国の政令の改正に伴い行われましたが、
背景にあったのは、
「経済財政運営と改革の基本方針2020」(令和2年7月17日閣議決定)
です。
書面、押印、体面を不要とし、デジタルできるよう見直すとありました。
全体の奉仕者としての職務の基本となる
「私は、ここに、主権が国民に存することを認める日本国憲法を尊重し、かつ、擁護することを固く誓います。私は地方自治の本旨を体するとともに、公務を民主的かつ能率的に運営すべき責務を深く自覚し、全体の奉仕者として、誠実かつ公正に職務を執行することを固く誓います。」
が、読み上げるわけでもなく、デジタルで、送り返せばよいとしたのは
経済や財政のためだったのか、と思うと、
この国の国民のための全体の奉仕者が、金もうけのために働くよう
作り変えられているようで、恐ろしい気持ちです。
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第12号議案 職員の服務の宣誓に関する条例の一部を改正する条例について、反対の立場から討論いたします。
この条例改正は、これまで任命権者や上級公務員の前で、宣誓書に署名していたものを、「提出すればよし」とする改正です。
そもそも、任命権者や上級公務員の前で宣誓書に署名していたのだと思っていましたが、実態として、文書で提出していたと聞いて非常に残念でした。
宣誓書には、
私は、ここに、主権が国民に存することを認める日本国憲法を尊重し、かつ、擁護することを固く誓います。私は地方自治の本旨を体するとともに、公務を民主的かつ能率的に運営すべき責務を深く自覚し、全体の奉仕者として、誠実かつ公正に職務を執行することを固く誓います。
これが教育委員会だと、地方自治及び教育の本旨を体するというのが、服務の宣誓の文書です。
効率的というのは、成果と不可分な印象を持ちます。
最近、区政において、
効率性ばかりが言われるようになりましたが、実際の服務の宣誓では能率と書かれています。
ここに既に新自由主義のマインドが入り込んでいるように感じます。
さらに、この文書が出せばいいだけのものになれば、意識の低下につながらないでしょうか。
形式は堅苦しく古くさい印象もありますが、一方で、任命権者や上級公務員の前で宣誓書に署名することは、自覚や意識や区民との約束や説明責任につながる、
公務員がその責務や全体の奉仕者であることを強く意識するための民主主義における大切な手続きではないかと思います。
それを省略することで、失い始めている大切なものを失うことを加速させることを危惧し、反対いたします。