大田区議会がICT化と称した「議会改革」を始めています。

是非も、目的も、理由も、到達目標もあきらかにならないままに、手段の検討も無く、ICT化による議会の効率化を進めることは「良いこと」になっています。

いきなり取り組むべきICT化の一つに、ペーパーレスが掲げられ、報告や議案をタブレット配信することが多数決で推進されてきました。

議案という公文書が、各議員の手元に届く時にはデータという形のないものに変わっているのです。

最近では、ネット上での会議の開催の議論が始まっています。

無批判、改善策の検討無しに進むICT化に疑問を持ち、ICT化委員会に参加を希望してきましたが、参加できず、ようやく今年初めて委員になりました。

7月11日の朝日新聞14面に「オンライン会議へ 整備加速」と題したコロナ後の議会の在り方という趣旨と思われる記事が掲載され、大田区議会のICT化も紹介されていました。

しかし、記事が、オンライン会議の推進を前提に、総務省の見解が認められないと言う否定だけが掲載されていて、住民の税金や制度の決定権を持つ議会の意思決定や合意形成という民主主義からの議論がすっぽりとぬけていることに危機感を覚えました。、

行政改革は、公共という非営利の分野を、営利企業に開放させるため、投資家が投資できるよう(民営化)法令を変え(規制緩和)てきました。

株主のために利益を最大化する株式会社が公共分野に入り込んだことで、私たちの社会を「消費」でコントロールするだけでなく、「雇用や労働」「課税や税の使い方」までコントロールの範囲を広げてきています。

議会という意思決定の場を縮小すれば、コントロールの力を強めることができるのです。

安易な効率化は、相対的に資本の力を大きくし、主権者である住民の権限を小さくし、民主主義を形骸化させる非常に問題のある動きだと思います。

今も、奈須りえは、議会の議論の在り方には課題があり、改善すべきことがたくさんあると考えています。

だからこその「フェアな民主主義」が必要だと思っていますが、ICT化により、それを良くするのではなく、悪い方向にもっていく要素が大きく心配です。

総論で賛成しがちなICT化ですが、ICTを利用するのではなく、ICTに支配され、結果として民主主義ではなく資本家主義にならないよう、各論を一緒に考えていきたいと思います。