日本の福祉は、財源の問題もあり、その一部を非営利(株主への配当などがない)団体である社会福祉法人が担ってきたという経緯があります。

その社会福祉法人ですが、税制を優遇されている一方で、多額の内部留保を溜め込む利益体質や理事長による私物化が問題視され、社会福祉法人改革が行われていて、社会福祉法人の在り方が大きく変わってきています。

確かに、社会福祉法人の中には改善すべき部分もありますが、改革と称して行われていることを見ると、改革の目的は、株式会社が福祉の分野まで新規参入を狙っているからで、福祉も投資の対象、金もうけにしようとする投資家の思惑が働いているのだと思います。

私は、日本の福祉における社会福祉法人の存在は大きいと考えています。株式会社と同じ土俵で「効率性」で運営を強いられれば、現場労働者の賃金を引き下げ、最終的には利用者へ影響を及ぼすなど、事業への影響が大きくなることを心配しています。

一方、福祉を社会福祉法人に担わせるのであれば、市場原理は不要で委託がふさわしいと考えています。

以下、大森福祉園の指定管理者の指定のための議案についての討論です。

 

第91号議案
大田区立大森東福祉園の指定管理者の指定について
反対の立場から討論いたします。
指定管理者制度導入から14年が経過しました。私は、公の施設、しかも、住民福祉にかかわる施設の運営権を民間事業者に与えることは、安定した雇用に基づく継続性の保たれた事業の提供という視点からふさわしくないと思っていてます。
しかも、社会福祉法人制度改革による社会福祉法人への風当たりが非常に厳しくなっていて、
理事の選出や剰余金の地域貢献などに行政や地域が関与しなければならなくなっています。
関与が高まれば、社会福祉法人は、株式会社並みのコスト削減を強いられることになる可能性も大きく、事業にも影響が及んでくるでしょう。
私は、社会福祉法人という非営利団体が、社会保障サービスの担い手として果たしてきた役割は大きいと思っていますが、社会福祉法人改革により、日本の社会福祉が社会福祉法人という非営利法人で担われてきた意義が失われつつあるため、本当に心配です。

社会福祉法人改革が進む中、社会福祉法人が指定管理者で施設運営することは、ますます厳しくなっています。
事業者の適否ではなく、指定管理者制度を採用すべきではないと主張し、反対といたします。