前川前文部次官の発言以降、国家戦略特区は、岩盤規制を突破するために必要だと、あちこちで投稿されている。岩盤規制とはなんだろう。どうして突破しなければならないのだろう。いま一度、確認したい。

 
規制緩和とか規制改革と聞くと、「窮屈な」ものに縛られていたのが、自由になるというイメージ。
なので、規制を緩和したり、改革したりするのは、良いこととして浸透してます。

でも、規制とは何かといえば、基本、力の強いものから私たちの権利を守るもの、力の強いものをが弱い者いじめしないよう制限するもの。
弱肉強食から、弱い者を守っているのが規制です。

ですから、
交通規制は、車という一歩間違えれば人命にかかわる交通手段等から、私たちの命や財産を守ってます。
医療規制は、医療という私たちの命や健康に関わる分野において、医療行為によって私たちの命や健康を守る側面と、医療保険制度を維持するために、適正な医療規模を維持し、過剰な財政負担にならないよう、病院や医師や学校において、数などを規制したり、医療点数で調整したりする等々、によって法令で守っています。
労働規制は、労働の現場において、行き過ぎた利潤追求から働く者の人権を守っています。
環境規制は、人間の活動、中でも経済活動から自然環境の悪化を守っています。
入国・在留資格要件など外国人労働者の規制は、国内労働者の権利を守る一方で、日本で働く外国人労働者の権利も守ることになっています。
学校教育規制、都市計画、農業、税制、、、

規制は私たちの権利=基本的人権を守っているので、岩盤です。

規制がなくなれば、無法地帯になり、自己責任、弱肉強食の社会になります。

そこを壊そうとすると私たちは、権利が侵害されることになるので、反対します。
だから反対されないよう突破するためにできたのが、包括して一気に変えてしまう構造改革特区に始まる各種の特区法です。

ここのところを国家戦略特区のワーキンググループで、規制破壊推進派の人が明確に言ってます。(P3前後)

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国家戦略特区ワーキンググループ議事録より

例えば大企業のホワイトカラーなどというのは、大金持ちではないけれども、雇用慣行という既得権によって守られている。これは新規参入もあるし、大金持ちになるわけでもないという洗練された既得権である。
(略)
このように、日本の既得権の体系というのは、大きくてかたくて崩しにくいのではない。細かいから崩しにくい。別に誰かが考えてそうしたのではないと思うが、何となく日本人の国民性にずっと合っているのではないだろうか。だから、崩れない、崩せない。それは、既得権者はみんな悪党ではなく、ごくごく善良な市民だからである。

どういうようにこの種の既得権に御遠慮願っていけばいいのか、・・・

参考:有識者からのヒアリング

 

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たしかに、規制には、時代に合わなくなって陳腐化しているものもあるでしょう。

だったら、陳腐化を説明し、一つ一つ法改正すれば良い。

国民だって、国会議員だって、合意するでしょうし、それが議会制民主主義というものです。

それを、【突破】するために、特区法で見えないように変えるところに、この特区の問題が何よりも大きく表れているのではないでしょうか。

いくつもの法令を改正対象として見えにくくし、決定権限から規制省庁と議会を除き、1年後の承認的位置づけで国会議決を法で誘導する。
これを可能にしたのが、国家戦略特区法です。