5月10日に和光市で行われた羽田空港飛行ルート変更問題についての説明会に行って、国交省の方から説明を受けていたところ、現場スタッフの方が断りなく正面から写真を撮ろうとしているのに気づきました。
「断りなく、正面から顔が映るかたちでの撮影はやめてほしい」とお伝えしましたが、他の会場でもこうしたことが行われていたのではないか、と心配しています。

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羽田空港飛行ルート変更の三回目の説明会も5月10日が最終日ということで、和光市まで行って説明を受けに行きました。
不安の払しょくされない、落下物や騒音、今後のさらなる増便に対する見通し、気になる横田空域との関係、軍民共用などについて、国交省の考え方やスタンスを確認しておきたかったのです。
落下物対策について、説明会でも国会答弁などでも「点検の強化」や「ヒーター設置」が対策と説明されているので、不安な部分について確認していたところ、いきなりスタッフ?の腕章をつけた女性が、私の前に立って説明していらした国交省職員の向こうから頭越しに、カメラを両手で持ち上げ、私に向けて正面から顔が映るように写真を撮ろうとしているのに気づきました。なんの断りもなく。
スタッフの周りにも、私に説明する職員以外にも数名の国交省職員などが並んでいらっしゃいましたが、何ら注意するということはなさいませんでした。
非常に驚いて、説明している職員に、撮影してほしくないこと、なぜ、一言声をかけるということをしないのか、あるいは、私の後ろから顔が映らないよう配慮して撮影できないのか、うかがいました。
職員はその場で謝罪するとともに、カメラを確認して私が写ってていないと説明していました。

しかし、このことは、私の肖像権にとどまらない大きな問題だと思います。

説明会会場で質問しているときに、国交省(とおぼしき人)から顔写真をとられたら、どう感じるでしょう。
聴きたいことも聞きにくくなる、自粛してしまうことはないでしょうか。

私も非常に驚き、嫌な気持ちになりましたが、住民の代弁者たる議員としての職責を果たすべく、次のような問題について説明を受けました。
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【落下物】
国の落下物対策は、成田で始まった年23万回のうちの800便程度、割合にして約0.3%を着陸時に点検するというもの。点検は国交省職員が目視で給水タンクなどに亀裂が無いかみる。将来は、外国航空会社も点検対象とすることを考えている。 国は抑止力になるというが、規制緩和により、着陸時の時間を短縮し、使用機材(飛行機)の回転を速めるなどしているときに、より空港滞在時間を長くする点検が受け入れられるのか、十分な点検ができるのか、国は、現実にどう対処するか説明できなかった。

落下物は、長距離国際便において発生する可能性が高い。
国内線、近距離国際線中心だった羽田に長距離国際線を乗り入れさせる増便が、落下リスクを高めることになる。

①仮にタンクに亀裂が見つかって氷の落下物が発生したとして、その亀裂から漏れた氷が落ちたかどうかの因果関係を示せるか聞いたが、答えられなかった。
氷の塊が落ちた時に、油が含まれていないので航空機からの落下物との因果関係を示せなかった事例がある。
②タンクの亀裂からもれて氷るだけでない。ヒーターをつけるというが、機体前部をヒーターで覆うことは不可能で、機体に氷を100%付着させないことは不可能。
③成田でこれまで判明している部品の落下物は、長距離国際便が多い。点検による防止、抑止効果はあるが、100%防止できると断言できない。と国交省も言っている。

落下物リスクが100%排除できなくても、少しのリスクがあっても「内陸部へ」飛ばしてよいのか。

【騒音】
今後、現行ルートでの夜間便は増えるのかどうか聞いたところ、乗り入れたい航空会社の意向により他時間帯の増便はあり得るという。
「日米オープンスカイ」で航空会社の意向が乗り入れに反映されることになっているので、航空会社次第で増える可能性がある。
今の騒音コンター(住宅などへの配慮を必要とする騒音の地図上の区域を結んだ線)では騒音対策を必要とする住宅が無い。
しかし、今後、増便されれば、それに伴い、騒音影響は大きくなる。
今は夜間の騒音影響を昼間の10倍として評価するWECPLEが採用されているが、内陸飛行が決まった後の騒音単位は、夜間評価が2~3倍とこれまでより小さく評価されることになっている。

羽田空港は「閣議決定」で24時間空港になっている。夜間バスの乗り入れは徐々に増えているし、都営地下鉄乗り入れ24時間化などの声もある。24時間空港の準備が進んでいる。
夜間飛行がまだ少ない今、騒音影響の大きな内陸飛行を認めてしまうと、それ以降、夜間便が増えても、騒音単位が変わり新しい単位では騒音影響がそれほど現れないため、防音対策などの対象にもならない可能性がある。
【横田空域削減(返還)・軍民共用】
東京都が横田空域全面返還による首都圏空港機能強化と軍民共用により増便を可能にすると言っている。

2008年の横田空域一部削減で、航空機が以前より低空で飛ぶようになり、騒音が大きくなった大田区としては、空域削減はその影響(=飛行ルートや高度)などを見極めたいが、影響についてのシミュレーションなど国交省はしていない。
日本の法律に、航空機飛行に際しての高度などの一般的な規制が無いからだ。

ところが、東京都は、いとも簡単に、横田空域全面返還と軍民共用をうたっている。
首都の空を国民に取り戻すという空域返還は喜ばしいが、それが、経済利益目的だけで語られ住民生活への影響を無視して進むのは非常に恐ろしい。
2008年に横田空域の返還が行われ、航空機が飛び始めたとき、大田区には多くの苦情の電話が殺到した。
横田空域の壁際に位置する大田区は、高い壁があることで航空機の高度を確保してもらっていたという形になっていた。これが一部削減で壁の一角が低くなったことに伴い、大田区上空を低く飛ぶようになって初めて多くの区民が問題の大きなに気づいたのだ。

*最初、空域は返還という言葉で大田区議会に報告されたが、最終的に、一部削減という言葉に変わっている。返還されたはずの東京の空は、今も国民の手には帰っていないのか。

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今年、1月14日に⼤⽥区役所本庁舎 2階会議室で始まり、全16回開催された説明会ですが、こうしてあらためて国に聞いててみると、不安や疑問に対する対策も回答も、住民の不安が払しょくされるものではありません。

しかも、説明会会場で質問されるとカメラを向ける、と言ったことが行われてきたとしたら、それが住民に対するなんらの圧力となってしまっていないか心配です。

以前に、大手ゼネコンの建設説明会会場に入ったら、正面から動画を撮っていて驚いたことがあります。この時は、大田区が売却した土地の上に開発するという背景もあり、説明会に許可なく動画撮影するのはやめてほしいとお願いしましたが、一種異様な雰囲気に包まれていたのを思い出します。

落下物も、騒音も、さらなる増便も不安なことだらけで、対策も不十分、将来にわたる安全や環境影響に対する保障も見通もない。
そのうえ、横田空域削減や横田基地軍民共用と内陸飛行の関係は、住民が声をあげにくい問題だからこそ、いまからシミュレーションすべきですが、まったく明らかになっていない。

これで、丁寧な説明というのはあまりにも無責任というほかありません。

平成29年度予算にILS(自動着陸装置)が付きました。内陸飛行の可否は、ISL設置後試験飛行を行ってから住民の声で決めるのでも遅くありません。

国交省がいうように、「騒音も大したことがないし、安全性も問題ない」なら、多くの住民が試験飛行後もこの内陸飛行に賛同してくれることでしょう。