大田区第二回定例会に特別養護老人ホームの民営化検討のための調査費用が計上されています。

特別養護老人ホームの民営化にかかわる問題についてお話しします。
民営化の課題がわかりやすくみえると思います。

大田区の特別養護老人ホームは

区立6施設  680ベッド
民立7施設  784ベッド

ふたつの形態で運営されています。

しかし、特別養護老人ホームは、区立も民立も同じ介護保険制度のもと運営されている施設です。区立であっても民立であっても、厚労省のサービス提供を拒む正当な理由「(入院治療の必要がある場合その他)入所者に対し自ら適切な指定介護福祉施設サービスを提供することが困難な場合」に基づき運営されています。

民立だから、安易に利用者の入所を断って良い、選別してよいという理由にはなっていません。

しかし、平成23年度の第一回定例会において、私が調査したところ、医療的ケアを必要とする人や一人暮らしの人など、いわゆる手間のかかる困難ケースの受け入れが区立より民立の方が少なくなっていました。
3年前になりますが、区立特養の医療的ケアを必要とする方の割合は26%。それに対し民立は15%と11%も低くなっていたのです。

仮に、当時のままの状況であれば、このまま区立特養がなくなってしまえば、現在、区立が受け入れている医療的ケアを必要とする方や一人暮らしなど身寄りがなくて一般的に施設から手間がかかるとされる「困難ケース」の方たちが受け入れられなくなる可能性があります。

現状における受け入れの違いがどこからきているのか、その現状や理由を明確にした上で、区立特別養護老人ホームの役割を明確にしなければなりません。

安易に民営化することによって、困難ケースが、放置され、特別養護老人ホームに入りにくくなる可能性は排除しなければなりません。

特養に入るためには、選考基準があり、それによって優先順位が決められますが、最終的な決定をするのは事業者であり、民間事業者であれば、経営的な視点からの「取捨選択」にはならないともかぎらないのではないでしょうか。実際に、大田区の「優先入所基準」は詳細で、ポイントで評価し、客観的に優先度が見られる仕組みですが、各特別養護老人ホームの入所基準はあいまいで、だれを入れても、理屈がつくような基準が目立ちます。

何よりも問題なのは、特別用語老人ホームの数が足りていないことが問題で、入所者の「選別」が起きる可能性があるわけです。

現在、1600人の応募がありますが、その中から、大田区が選考するのは、たとえ、何人応募しても選考するのは6割程度。今年でいえば、900人から、毎年空きの出る250から300人を選考する際にどう選考するのかの問題です。

今回の議案審議においても、


①区立特養と民立特養の受け入れの現状の違いについて、調査し、明らかにしたうえで、現在の区立特養がになっている役割を明確にする必要があるが、できているか。これからするか。
② 民立特養の入所基準があいまいで、結果として、民立特養の裁量を大きくしているのが現状。民営化するとしても、民立事業者の裁量権を安易に大きくすること が、結果として困難ケース(経済状況の良くない区民や、一人暮らしなど)を経済性や効率性の理由で排除されない状況を作るためのしくみはつくられるか。といった内容について確認していく必要があります。