【ひとり親家庭への支援:保育園入園】議会質問より

【ひとり親家庭への支援】

さて、仕事につけたとしても、それを継続するために支援が必要な場合があります。
一人親家庭への支援について就労の視点から質問します。

今 年の4月の待機児は397人で、父子家庭は申請者3人全員が入園できた一方、母子家庭の申請者178人中入園できたのは145人で33人が入園できません でした。これは、ひとり親家庭の加算ポイントが3点で、正規職員であれば満点の22点にさらに3点が加算されるため入園しやすいことも大きな要因になって いるようです。

一方、女性の貧困が問題になっていますが、その背景には規制緩和による、雇用形態の多様化による非正規職員の増加があり、いまや男性の19.6%に対し女性の54.7%が非正規雇用です。
母子家庭で入園できなかった33人が非正規雇用である可能性は否定できません。先日相談を受けた女性は、一人で1歳半のお子さんを育てていらっしゃいます が、ご両親は他界し頼れる身内もありません。試用期間内に子どもの病気で休むことが多かったため「自己都合」という名目で「解雇」されました。少しでも安 い家賃をと転居し転園申請していた時期が、解雇求職中だったため、評価ポイントが下がり結局新しい仕事が見付かったものの、転園出来ず以前住んでいた近く の保育園に片道35分かけて自転車で通い通勤することになっています。

「解 雇」されたことも、非常勤に変わったこともご本人の選択ではなく、正規の仕事に就こうにも募集は極めて少ない状況です。解雇されたなら、とりあえずバイト を探すとか、認証保育園に預けると点数が上がりますなどというアドバイスをする職員がいるようですが、認可保育園に入園できなかったひとり親家庭で認証保 育所の保育料月7万円程度を支払うことが困難な方たちはどのような道を選び生計を維持すべきでしょうか。ひとり親家庭の就労を確保することは、生活保護世 帯にしないことと決して無関係ではありません。

そこで、うかがいます。

大 田区の入園は、そもそも圧倒的に数が足りないとともに居住地域により、入園のしやすさに3倍以上の差があること自体が大きな問題です。昨年提案させていた だいたように、育休明けの保育を確保するために保育の予約制度を導入し、育児休業制度に合わせて定員を0歳から1歳へとシフトするとともに、どうしても0 歳から就労しなければならないが認可園に入所できなかった方たちの認証保育所との保育料差額補助制度を創設すれば、速やかに待機児問題を改善させることが 可能で、緊急対策として取り組むべきです。

それができないのであれば、ひとり親家庭や両親ともに失業するなど経済的困窮が認められる方の入園については、国基準はじゅん守した上で、年度の途中でも定員を増やせる運用を行い、政策的に受け入れるべきです。

一方で、今回、改めて選考基準を点検したところ、雇用形態の変化や経済状況の悪化に必ずしも対応できていない部分が見られます。求職のポイントが低く、失業や経済困窮の中仕事を探す方たちのニーズには対応できていません。また、月12日以上16日以下1日4時間以上の就労で5ポイント、内職なら7ポイント(資料9・10)、ですが、これではひとり親家庭で就労内定しても入園できません。

そこでうかがいます。就労支援の必要性は明白ですが、大田区の選考基準は雇用形態の変化や経済状況の悪化など社会変化にともなう区民の現状を反映できていません。今すぐすみやかに変更すべきと考えますがいかがですか。

私 たち区民は地価が高い、人が多いことを理屈に住民サービスが提供できないと説明されてきました。しかし、日本を代表する優良企業が本社を構え、人が多く、 地価が高い日本で最も豊かな法人住民税・特別区民税・固定資産税などの税源を持つ自治体です。その日本で最も豊かな地域において、しかも不交付団体である にもかかわらずなぜ、こうした基本的公共サービスが安定的に提供できず待機児を出すことになるのでしょうか。ここに日本の政治の根本的問題があることを提 起させていただき質問を終わります。