杉並区で、4月から子どもを認可保育所に預けようと申し込みながら1次選考で「入所できない」と通知された住民が約1500人に上り、母親たちは22日、区に行政不服審査法に基づく異議申し立てを行ったそうです。

大田区でも同様のことが起きていますが、私たちはこのことをどう考えればよいのでしょうか。
大田区においても、待機児の問題は深刻で、昨年の時点で、待機児は392人と公表していますが、ここには、認可保育園に入れなかった方たちは含まれていません。

当初は、認可保育園に入園できなかった方たちを「待機児」として数えていましたが、「待機児」が増えていくなか、東京都独自の基準で設置している「認証保育所」に入所できた人数をこの待機児数としてカウントせず公表するようになりました。

認証保育所は、東京都の独自の基準で作られている保育所 で、面積基準が低いなど認可保育園より設置しやすくなっています。東京都が施設設置や運営費の一部を補助しています。
入所は、希望者と施設との直接契約で、保育料は一律で、経済状況や働き方などによる選考はありません。保育料の上限を都が定めていて、原則として、月 220時間以下の利用をした場合の月額は、3歳未満児の場合80,000円、3歳以上児77,000円を超えないとしています。
この料金は、認可保育所と比べ、大幅に高いため、品川区のように、認可保育園との保育料差額をほぼ全額区が補てんしている自治体もあります。大田区では、一人目1万円/月、二人目以降2万円/月と認可保育園との差は歴然としています。

今回、この杉並区でお母さんたちが起こしたこの審査請求を私たちはどう考えればよいでしょうか。

もちろん、自治体の公平性の観点からいえば、同じ自治体に住みながら、正当な理由なく、サービス提供における不公平が生じさせることはあってはなりません から、自治体が待機児を出していること。認可保育園が足りないから、認証、無認可保育所を準備すれば良いという事にはなりません。

それでは、なぜこのようなことが起きているのでしょうか。

もちろん、社会状況の変化により、情勢の就労ニーズが高まってきたというのがその背景ですが、それでは、23区において特に待機児の問題が顕著なのはどうしてでしょうか。
人数が多いから、地方では、保育園ではなく、幼稚園が保育園機能を担ってきている、都市部は過去に革新政権の時代に認可保育所を整備してきた経緯があり、負担が大きいといった理由もあるわけですが、もう一つの理由が「三位一体改革」ではないかと私は考えています。

三位一体の改革により、公立保育園運営に対する自治体への補助負担金が一般財源化されましたが、平成16年にその大田区財政への影響について尋ねたところ 「国・都の補助金が名目上なくなっても都区財政調整交付金などで一定の金額は確保できるので保育の質の低下は心配無い」との答弁を得ていますが、結果とし て財源確保できていないと私は考えています。

財政調整制度という仕組みは、固定資産税と法人住民税の55%を23区間で分配する仕組みですから、都区財政調整交付金の55%の中での話であれば、外枠が決まっているのですから、金額の確保ができてきたはずがありません。

需要が増えても財政調整制度の下、新たな保育ニーズに対応することができず、結果として、待機児が増え続けてきているのではないでしょうか。

その分を財政調整で補てんするとするなら、23区分55%を増やすべきです。

東京都が認証保育所制度を作ったり、小規模保育所制度を作ろうとしているのは、本来、23区に分配すべき分まで大都市事務として徴収しているからにほかならず、23区は、財政調整制度における23区分を主張すべきであると考えています。

残念ながら、大田区は、そのように考えていないようで、過去の三位一体改革導入の際の議会質問でも、また、昨年12月の議会質問でも、問題ないと答 弁しているわけですが、本気で答弁の通り考えているとするなら論外ですが、東京都に遠慮して主張できず、結果として区民にしわ寄せがきているとするなら大 きな問題です。
問題ないとするなら、即座に待機児を解消すべきでしょう。

大田区では、改修の際に、土地を確保しプレハブ園舎をリース契約して回収することを繰り返していますが、事前に相当の余裕をもって建て替え計画を公表し、計画的に建て替えることで無駄な費用を新たな待機児対策のために投入していくべきです。

緊急の待機児対策として、過去に提案した内容をご覧ください。
http://blog.goo.ne.jp/nasrie/e/e757abdf33ec5da9c81064bfe40f9188

この間、継続的に主張している消費税地方交付分の大田区増収分年間100億円、東京都2200億円がが機児対策にも投入されるるよう区政・都政を今後も監視していきます。