出張旅費精算の改定に考える、価格の決定の主導権は、誰が持つ? 実費精算が、価格決定を供給者主導に変える!? 旅費に関わる国の法改正に伴う条例改正
先日の、議会で、国の法改正に伴う、大田区の出張旅費精算の条例改正がありました。
実費精算、パック旅行などにも対応する内容で、一見、便利で良くなってように感じますが、
財務省のコラム
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を読むと、この改定が、価格の主導権を、市場に委ねる改定だということが見えてきます。
物価が上がっている時に、上限を決め、実費で精算されるのであれば、上限内なら、高くても快適な宿泊施設を選ぶ人もいると思いますから、市場価格は、上限に近づきます。
上限を決め、その額で精算するとなれば、少しでも安い所を選ぶ人も多いのではないでしょうか。
上限を決め、上限額で精算となると、市場は、出張者に選ばれようと、少しでも安い価格を提示するのではないでしょうか。
公務員の仕組みは、民間にも影響を及ぼします。
国も、大田区議会も、実費精算に変わってしまいましたが、みなさんが出張する時は、どちらが良いと思いますか?
因みに、以下が、改正の基礎資料として使ったと思われるアンケート結果です。
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条例改正に反対した際の討論を書きに記します
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法改正に伴う旅費に関わる規定整備は、実費精算になり、無駄がなくなり、より実態に沿った出張旅費になるというのが財務省の説明ですが、公務員旅費の上限が、市場経済における宿泊代や運賃の抑止力となっている側面を忘れてはなりません。
業者は上限以上の価格設定をすれば、出張者に選ばれなくなるので、その範囲で選ばれるよう価格競争が起きます。
コロナ以降デジタル化もあり、市場は寡占化され物価高騰です。
その上実費精算に変えれば、制度が保ってきた価格の抑止を失い、価格設定の主導権をより事業者側に与えることになりますから反対です。