がれき広域処理はもう不要!【その②岩手県で検証】被災地のガレキ総量見直しから見る広域処理の必要性

岩手県は、広域処理量が57万トンから120万トンと63万トンも増えたため、広域処理をしなければならないと思われている方たちが多いと思いますが、実は、岩手県の広域処理量120万トンの中には、大量の不燃物、それも土が含まれいます。

がれき総量見直し表

表の、漁具・魚網で5.4万トン。不燃物で、60.4万トン、その他で6.1万トン、合計で、71.9万トン増えています。
岩手県の場合、海に沈んだ漁具や漁網が漁業に差しさわりがあるとして引き揚げる、農地の海水に浸かった土砂なども災害廃棄物として算入するといったことをしていますが、現地での処理方法が見つかっていないため、広域処理分に入れています。

こうした状況もありますので、岩手県の分類についても、可燃物をまずピックアップしてみました。

まず、表から可燃物=焼却するものを抜き出しました。(黄色網かけ)
見直し後の焼却は105tになります。

そこから県内業者処理量(緑網掛け49万t)除くと残りは56万t。

岩手県は、この56万トンから、県内処理(事業者以外)21万tを除いた35万t(=実際には29.5万t:差はふるい下などの不燃に回る分と考えられる)を広域処理としていることがわかります。

ここで、気になるのが、非業者という分類21万トンという数字です。
これは、業者では無いので、行政が処理する=清掃工場や、仮設焼却炉での処理分であることがわかります。

私は1月に県担当からヒアリングした災害廃棄物処理方法別内訳の数字では、市町村焼却として44万トン、仮設焼却炉での焼却として8万トンが計上されていました。

この非業者(水色網かけ)が市町村焼却と仮設焼却だと思いますが、見直し前まで、(44万t+8万t)の52万tとして計上していたにもかかわらず、見直し後には21万tと大幅に減っています。

可燃物総量105万トンー(県内業者処理量49万トン+市町村焼却施設44万トン+仮設焼却8万トン)=111万トンとなり、県内処理が可能であることがわかります。

私は、5月2日に岩手県の担当とヒアリングをしており、その際に、海中の漁具などを引き揚げるといった話はされていましたが、現地での処理能力が大幅に減ると言った話は一切なく、逆に木などのリサイクル枠が拡大するということを伺ってきています。

この差、31万tは現地で処理できるはずだった量ですが、なぜ、それを県内処理からのぞいてしまったかが気になります。