自転車条例の改正可決をHPのトップページで紹介の意味

大田区が、条例会をホームページのトップぺージで紹介しています

が、なかなか、条例の改正をホームページで紹介することは無いことだと思います。

それだけ、区民の権利・義務に大きな影響を及ぼす条例だということです。
可決してしまいましたが、私は、今でも、可決すべきではなかったと思っています。

今回の議会で、フェアな民主主義 奈須りえ一人で反対した条例の一つなので、賛成できなかった理由をご報告します。

 


 

第89号議案「大田区自転車等の放置防止及び自転車盗駐車場整備に関する条例の一部を改正する条例」に反対し、反対の立場から討論いたします。

この条例には、第二条の3項に、自転車の利用者は、その利用する自転車の盗難を防止するため、施錠その他の適切な措置を講じなければならないとあります。

個人の所有物である自転車の施錠を、条例で義務付けることが始まれば、将来、車や部屋の鍵の義務づけまで行うのでしょうか。

自転車の盗難で被害を被るのは、自転車の所有者であり、施錠せず、盗まれれば自己責任です。

ところが、この条例は、所有者ではなく自転車使用者に施錠を義務付けるようになっています。

そこで、この条文を、個人の自転車所有者に、自分の自転車への施錠を義務付けるというより、シェアサイクルを使用する人へ、義務付けると考えると、違う側面が見えてきます。

 

通常、レンタカーなどの傷をつけた場合などは、事業者が保険をかけていて、そこから支払われますが、大田区が使用者に施錠を義務づける条例を作ると、事業者は、使用者の施錠忘れに伴う損害は使用者責任とすることができます。事業者は、支払保険金を抑制し、保険料負担を軽減するメリットがうまれます。

 

しかも、この条文は、施錠だけでなく、「その他の適切な措置」という抽象的な言葉ですが、「措置を講じなければならない」と強い文言で縛っています。範囲が限りなく広がり心配です。

 

個人自転車所有者に施錠を義務付けるのは、行政権力の謁見であり反対ですし、これが、仮に、私が予測するシェアサイクル事業者も対象になっているなら、経済活動における自己責任を行政が助ける形になり、問題で反対です。

シェサイクルにつきましては、駅前自転車駐車場など行政財産を使うことをあてにした、いわば公共サービスのフリーライダーにならないよう求めるとともに、いま、実験段階のはずが、検証もせずに、既成事実化しているようですが、莫大な補助を受け、行政財産を使用して行っている検証ですから、結果を公表することを求め、条例には反対いたします。

 


 

令和元年度第3回定例会において、「大田区自転車等の放置防止及び自転車等駐車場整備に関する条例の一部を改正する条例」が可決され、一部を除き同年10月1日に施行されました。

主な改正のポイント

自転車利用者に対して以下の2つの義務規定を追加し、条例名を変更しました。

1 施錠等盗難防止措置の実施(令和2年1月1日施行)

 平成30年に区内で盗難された自転車の58.9%が無施錠であることから、施錠等の義務規定を追加し注意喚起を行うことで、都内ワースト2位の自転車盗認知件数の減少を図ります。

2 「ながら運転」禁止等道路交通法関係法令の遵守(令和元年10月1日施行)

 自転車走行中のながら運転による重大事故が全国各地で発生していることから、自転車利用者に対する法令遵守義務規定を追加し、重大事故の防止を図ります。

その他 条例名の変更

 旧条例名 大田区自転車等の放置防止及び自転車等駐車場整備に関する条例
 新条例名 大田区自転車等の適正利用及び自転車等駐車場整備に関する条例

この条例について

制定日

 昭和63年3月18日

目的

 駅周辺等公共の場所における自転車等の放置防止及び自転車等駐車場の整備並びに自転車の安全利用に関し必要な事項を定めることにより、自転車等の放置による環境悪化及び自転車に関する交通事故の防止を図り、もつて区民の安全で快適な生活環境を維持し、向上させることを目的とします。

条例の主な内容

条例・規則文等

大田区例規集から確認できます。 (注釈1)順次更新される予定です。
 第15章土木 第3節交通安全対策
 大田区自転車等の放置防止及び自転車等駐車場整備に関する条例
 大田区自転車等の放置防止及び自転車等駐車場整備に関する条例施行規則