最近、大田区まちづくり条例に違反して、一戸当たりの面積が小さな長屋式住宅の建設があいついでいるため、大田区が【規制強化】に乗り出しました。

規制を緩めて安い住まいの提供を可能にした【民泊】がこうした違反をもたらした遠因ですが、社会の秩序は規制でなければ守れないということです。

以下、まちづくり条例改正の際の討論です。

 

平成29年第3回大田区議会定例会(第3日) 都市整備委員会審査報告、討論、採決

4分30秒くらいから
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フェアな民主主義奈須りえです。
第70号議案地域力を生かしたまちづくり条例の一部を改正する条例について賛成の立場から討論いたします。
 この議案は、開発事業者がまちづくり条例の規定に従わない事例が続いていることから、規定を厳格化、明確化するとともに、罰則規定を設けることで、まちづくり条例を遵守させ、区内の住環境を守るための条例改正です。
限界のある、現行の建築関係の法規定のなかで、大田区がなしうる可能な措置を講じることは、重要で、賛成いたします。
一方で、こうした背景には、改正されてきた日本の都市計画、建築関係法令の問題が存在します。特に、この十数年の規制緩和は、開発利益から宅地面積当たりの床面積を最大化しようという流れになっており、開発業者の利益は増えますが、住環境は悪化し、過剰なマンション建設などで空き家も増えています。

【空き家激増でも思ったほど安くならない家賃】
空き家が増えれば、市場経済論理から考えれば、賃料が下がり、一人当たりの居住面積が大きくなるはずです。低所得者も増えていますから、住宅の問題は、市場の手に委ねて解消されるはずなのですが、低価格の住まいのニーズは、既存賃貸マーケットの賃料をほぼ維持したまま、こうした、一戸当たりの居住面積の小さな長屋などを増やす方向に進んでいます。
【民泊という合法的脱法行為がまねく無秩序な街】

法令を遵守し執行する機関自らが、法令を破ることで民間事業者に投資利益をどう稼がせるか考えるのが国家戦略特区です。法令を遵守し、事業者を指導する立場にある大田区自らが、特区民泊による旅館業法の規制緩和により、一人当たり居住面積規定を事実上無いものにし、賃貸借による安価な住まいの提供を可能にすれば、民間事業者への指導力が低下するのは当然のことではないでしょうか。
事業者や地主が、消費者に選ばれ、確実に収益の上がる物件を作ろうと思えば、低賃金化と特区民泊などの背景を合わせて考えれば、1戸あたりの床面積を小さくしたり、シェアハウスになったりという方向にいくのは、流れとして予測がつきます。
【秩序は規制で守る】
今回のまちづくり条例の改正はそうした厳しい状況のなかで、最大限に努力した結果であるととらえ、本来の、大田区行政がなすべき規制による大田区のまちなみや住環境という秩序の保持を目指したもので、評価できます。
規制改革あるいは規制緩和は、法令をなくす無法地帯を広げ、自己責任になりますが、自らの居住・生活・経済活動の空間だけを地主個人の自己責任で改善することでは、大田区のまちなみを維持できません。
区民のための良好な住環境確保に規制緩和がもたらした弊害をあらためて検証するとともに、地方分権が住民生活重視のために始まったことを今一度確認し、今回の条例改正のように、地方分権で与えられた権限を大田区民の生活のために使うことを求め賛成といまします。