羽田の騒音問題で、環境省から動画の公開にストップがかかりました。こういう姿勢をみていると、国民からの批判を避けているように感じます。こうした、国民、住民という全体の奉仕者としての役割を忘れてしまったように感じるのは、環境省だけではありません。松井先生から、福島県川俣町で起きたこんな話をうかがいました。
ちなみに、こうした行政の姿勢は、環境省や環境行政だけでなく、日頃の大田区でも、ままあることです。


松井先生からの話によれば、
10月に福島県川俣町から、風力発電による低周波音の影響について講演依頼があ
り,11月中旬に行う2回の講演の日時・場所まで決まっていたそうです。

しかし、その後の講演内容の打ち合わせの際,
我が国で風力発電の環境アセスメントで判断基準として使われている「風車騒音
のアセス指針」の科学的な誤りを講演で説明することを述べたところ,
講演がキャンセルになったそうです。

町役場の担当者の言い分は,
現在利用されている「風車騒音のアセス指針」の科学的誤りを住民が知ることに
なれば,現在進行中のアセスメント事業に影響が出てしまうからだそうで,
「風車騒音のアセス指針」の科学的誤りを講演内容から除けないか,
また,建設予定の風車による健康リスクの評価結果の公表もやめて欲しいとまで
言われたとのこと。(これは,遅くとも2月には公表するそうです)

松井先生は担当者に対して,
風車事業者が「アセス指針」に基づいて「安全」だと説明された際に,
「アセス指針」の科学的誤りを住民が知っておかないと,
住民は反論が出来ないので,大きな影響が生じる事業でも進められてしまう。
住民の健康を守る最も重要な内容だから,除外できない,と説明したところ,
翌日,講演をキャンセルすると伝えられたとのこと。

福島県は現在「再生可能エネルギーの推進」を復興の看板に上げており,
https://www.pref.fukushima.lg.jp/site/portal/list275-862.html
太陽光,風車,バイオマス,などがその手段になっているところ,
その中から風力発電がなくなると,復興事業が頓挫しかねない。
担当者はそういうことを懸念して,松井先生の講演を中止したそうです。

川俣町住民は、
かつて,原子力発電所は100%安全だと騙され,
今度は,風力発電事業で、騙されることになってしまった。
福島原発事故はもちろん,足尾銅山や水俣病の教訓も含め,
歴史に学ぶという習慣は,もはや,この国からなくなってしまっている。
そもそも,そういうことを誰も学んでいない,と松井先生は嘆いていました。

羽田空港など夜間騒音基準についての問題点を指摘したら動画の非公開を
求めてきた環境省、自ら講演を依頼しながら,風車の環境アセスメントの誤りを
指摘しようとしたら、講演会を中止した川俣町。
似たようなことが、今年10月に北大の松井先生の身に続けて起きたようです。

環境合わせメントなどと揶揄されていたこともある日本の環境行政ですが、
昨今、さらにひどくなったように感じます。
いったい誰のために仕事をしているのでしょう。
少なくとも,国民や世界の人々のために動いているとは思えません。
西欧の国々と比べると恥ずかしい限りです。