大田区民が使えない羽田空港跡地に165億円+ 和泉洋人内閣総理大臣補佐官座長で動く、財務省に88億URに77億

認可保育園より特別養護老人ホームより「企業の営利活動に165億円使うこと」が大田区の優先順位だということが、明らかになりました。
http://nasurie.com/wp/wp-content/uploads/2018/06/8c2ee0bbc2080d0e180f5571274f79ed.pdf

大田区は、誰か声の大きな人が「これやって」ということをやる機関になってしまったんですね。しかも、跡地購入は、
和泉洋人内閣総理大臣補佐官座長の委員会 

羽田空港周辺・京浜臨海部連携強化推進委員会 

羽田空港周辺・京浜臨海部連携強化推進委員会

・設置趣旨
・会議資料 

で決められています。

大田区は、誰の声で動いているのでしょう。
議会で質問しましたので、ご覧ください。
答弁は、議事録が出来てから加筆しますが、優先順位については区民ニーズにこたえ区政を執行しているので、今の税金の使い方が適正だと言っているのだと思います。

土地購入議案

財務省から88億円で購入議案
http://nasurie.com/wp/wp-content/uploads/2018/06/1c55ecac14bb8bd2d54146c8dc85a8f2.pdf

UR(都市開発公社)から76億円で購入
http://nasurie.com/wp/wp-content/uploads/2018/06/8c2ee0bbc2080d0e180f5571274f79ed.pdf

以下、質問全文です。

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大田区は、羽田空港の跡地に165憶円ポンとキャッシュで税金投入しようとしています。

もうどこにも無い!大田区が空港跡地を購入する歴史的経緯と意義

戦後のGHQの接収と48時間強制退去、高度経済成長期の航空機の大型化と増便に伴う騒音問題、結果としての沖合移転など歴史的経緯からみれば、ここを大田区が航空機騒音問題の抜本的解消のために整備することには意義があったと思います。
しかし、奈須りえの質問にこたえ大田区は、この跡地の開発には「騒音の緩衝帯や緑地の機能はない」と公言しています。大田区は跡地開発の大義にGHQの48時間強制退去の歴史的な経緯をしっかりと踏まえつつと言いますが、歴史的経緯から大田区が区民に約束してきた航空機騒音問題の抜本的解消はもうどこにもないのです。

GHQ接収48時間強制退去、空港沖合移転

歴史的経緯を踏みにじる羽田空港飛行ルート変更への大田区の姿勢
それどころか、大田区は、国が進めようとしている羽田空港の飛行ルート変更案に対し、この歴史的経緯を示して毅然と区民の安全と環境確保を主張することさえできません。その大田区が、航空機騒音問題の抜本的解消のどこにもないこの跡地開発計画のために165億円も支払う意義があるでしょうか。

区民の税金165億円出して跡地を買う 曖昧な区民のメリット

羽田空港跡地第1ゾーン整備方針説明会で、区民のメリットがどこにも書いてなかったので聞いたところ、
①空港利用者7000万人が大田区を通化するのでなく大田区に来てもらえる。
②中小企業のまちとして知ってもらえる
③区民に楽しんでもらえるゲートウエイを作る
④国内外に発信し、大田区のブランド性を向上させる
から、区民のメリットになる、とこたえていました。

公共性なき企業の営利事業に区民の税金が165億円

理念は分かりましたが、跡地開発は、行政が区民のための税金を使って行うことではなく、事業者が自分で土地を買ってリスクを担って参入すべき営利分野です。

財務省がこの土地の売却で減免しないのは、公共性が無いからです。大田区には、50年間大田区は使わないけれど、民間が営利目的で使う土地に165憶円も出してあげる財源の余裕があるということなのです。
大田区のこんな税金の使い方を知ったら区民はどんなに驚くでしょう。
国の跡地大田区が買う=区民の税収165億円が国のポケットに
しかも土地の所有者は国です。国が持っていても、大田区が持っていても、私たち国民の公の財産です。大田区が跡地を購入するとはどういうことかと言えば、大田区民のために使える165億円が使えなくなって、URを経由して土木建設業界に76憶5千万円、国の財布に88憶円が入ってしまうということです。

165億円より、まだまだ増える財政負担!総額はいくら?

そのうえ心配なのは、区画整理事業概要をみると今回購入する以外にも換地や保留地が残っており、跡地に使う大田区の負担が無いわけでなさそうだということです。

足りない認可保育園、特別養護老人ホームより企業に50年貸す土地に165億円

こういう大田区の税金の使い方を見ていると、誰のための区政なのか疑問がわいてきます。
地方分権で大田区は社会保障の責任主体になっていて、足りていない社会保障需要がたくさんあるからです。
地方分権は、生活課題を解決するために国の財源・権限を地方自治体にといって行われました。
地方分権改革有識者会議座長をつとめた神野直彦東京大名誉教授は、「改革で重要なことは、目指した目的を見失わないことである。日本国民が分権社会を目指したのは、1993年の国会決議にさかのぼる。その目的は、ゆとりと豊かさを実感できる社会を実現することにあった。それは、日本社会の目標について、成長優先から生活重視へと転換することを意味していた」と発言しています。2000年の地方分権一括法から20年近くが過ぎようとしていますが、地方分権により、私たちはゆとりと豊かさを実感できているでしょうか。
成長優先から生活重視へと転換することができたでしょうか。
財源・権限移譲といわましたが、国と地方の役割分担がかわり、地方分権で社会保障の責任主体が地方自治体になりました。
その是非はともかく、国が担ってきた「憲法25条の保障する健康で文化的な最低限度の生活」を大田区はじめとした基礎自治体が担わなければならなくなったのです。

跡地に165億円使うと広がる格差

いま、日本は格差と貧困に悩んでいます。
国も当初所得の格差の拡大は認めていて、これを社会保障で再分配して格差を是正していると言っています。日本の税制は、お金持ちからよりたくさん税金を集める集め方=累進性が低いので、税金を集めるだけでは格差は解消されないと国も言っています。
社会保障の責任主体である大田区が子育て・介護・障害・住宅ほかの社会保障の責任をきちんと担えるかどうかは、拡大する格差を是正できるのか放置するのかの非常に重要な問題なのです。
大田区は、格差是正のためにも、しっかりと社会保障に取りくまなければならないという自覚を持っているでしょうか。
大田区は2017年度より福祉費割合1割減!
2018年の当初予算で大田区は、昨年の福祉費の割合59.4%から、57.7%に減らしました。格差が是正されず、放置される予算を組んだということです。臨時会で追加補正された今回の土地購入予算165億円は都市整備費ですから、仮に、これが当初予算に入っていたら、2018年度の福祉費割合は、2017年度の59.4%から57.7%よりさらに低い54.4%になっていたということで、2017年に比べ1割近い大幅な社会保障費割合の減を意味します。
そこでうかがいます。
大田区は、社会保障の責任主体として、区民の生活課題はどこにあると考えていますか。その生活課題を大田区はどのように解消しようと考えていますか。

ケチる福祉費、人件費 VS 大盤振る舞い、土木建設費、イベント費

大田区は、保育料の安い認可保育園に入れず保育料の高い認証保育所に入らざるを得ない区民が大勢いることや、在宅介護で困っている、特別養護老人ホームに入れない、財政が厳しくて正規教員を雇えず、非正規の司書や部活の先生を採用する、各部署で非正規職員、委託で働く方たちを増やすといったことを財政を理由にしている一方で、にぎわいや、経済のためと羽田空港の跡地の開発を行なったり、駅前広場を改修し、蒲蒲線を推進し、たった数日のイベントに数千万円を投入し、バリューアップ、学校複合化、ホテル建設など建設コストの1割~10割増しの工事など莫大な税金投入しています。
認可保育園も在宅介護サービスも障害福祉サービスも安価で環境の整った住宅も区民に充足していて、余裕があるなかでこれらが行われているならいいのですが、足りないにもかかわらず、税金投入しています。
大田区は、選択と集中という言葉を使って優先度の低い事業にも区民ニーズだからと財政投入してきました。
しかし、社会保障の責任主体である大田区が、子育てや介護に優先して、あったら便利、快適、楽しい、といった優先順位の低いあいまいなニーズに税金投入すべきでしょうか。そこでうかがいます。
大田区が、足りない認可保育園、特別養護老人ホーム、障害等サービスなどより、跡地や蒲蒲線、イベントなどを優先するのはなぜですか。

国策で進む跡地開発

こうして、賑わいや済のために使われる税金ですが、それにより、誰が恩恵をうけているのでしょう。
大田区は、投資家の経済政策である国家戦略特区や、アジアヘッドクオータ特区に区長自らいち早く手をあげ取り組んでいます。特区政策は、小泉構造改革の時に地方分権だから、といって始まりましたが、いま特区では、かけ学園や森友学園に象徴されるように、地方自治体議会も自治体行政組織も意思決定に関与できず、正副首長クラスが内閣総理大臣と官房長官、国家戦略特区担当大臣、内閣総理大臣が指定する国務大臣、そして、規制緩和により利益を得る事業者を代弁する専門家とで法令や税の減免や財政措置まで決める中央集権の仕組みです。

 

特区になっている羽田空港の跡地の開発は、それまでコンベンションセンターだった案が、平成26年9月に第一回が開催された、「羽田空港周辺・京浜臨海部連携強化推進委員会」が発足してから大きく方向転換し、UR施工の区画整理と事業用定期借地による開発に代わっています。座長は和泉洋人内閣総理大臣補佐官です。
羽田空港の跡地開発は、国主導で進み、国が土地を所有したまま開発すれば使われなかったかもしれない大田区民の税金165億円が使われようとしていて、そのうちの88憶4000万円が国の財布に入ろうとしています。

外国投資家のための経済政策で疲弊する区民

今回の跡地の事業手法は、松原区長になって突然変更した「民間投資家を集めて、事業用借地権を設定した土地の上に建物を建設し、そのビルの管理運営で収益を上げ投資家に配当していく」大森北一丁目開発、ラズ大森と同じ民間投資を活用する手法です。
国家戦略特区は、外国投資家のための経済政策で、アベノミクスの目玉政策です。
ところが、外国投資と言っても日本の資本に占める外国法人等の株式保有比率は年々増えていて、今や名前は日本の企業でも外国資本が入っていてグローバル企業は少なくありません。外国投資のための経済政策を行っている政府が、資本に対する利益率ROEが10%を超える上場企業が増えたことを評価しているのも日本の上場企業の株式をグローバル資本が所有しているからです。
そのため、投資利益を上げても国内に再投資される確約はありませんし、利益そのものが海外に流失する可能性もあります。
羽田空港跡地はアジアヘッドクオーター特区、国家戦略特区に指定されていますが、これは、外国投資家、機関投資家といわれる大資本家のためにこの地域が使われるということです。そこに大田区が莫大な税金を投入しようとしていますが、ここが特区だということ、サンドボックス指定されるかもしれないことを忘れてはなりません。
そこでうかがいます。
大田区は、誰のための経済政策をおこなっていますか
1、労働者ですか。2、個人事業主、中小企業者ですか。3、大規模資本家、グローバル投資家ですか。

企業の最高益、アベノミクスで利益を得る機関投資家、還元されない大田区民

東京都23区は、日本の経済の中心で、経済のけん引役とまで言われている日本で一番税収の多い地域で、国からは富裕団体とみなされています。
税収が日本で一番集まる東京は日本で一番よい社会保障サービスを受けられる自治体のはずですが、介護保険では要支援者に対するサービス提供が縮小し、認可保育園に入れず高い保育料の認証保育所にやむなく入所している区民が大勢います。
土地が高い、人が多いことを理由にサービスが供給できないと言いますが、土地が高いことでたくさん集まる固定資産税、人が多いから集まる住民税は何に使われているのでしょう。企業、それも大企業が集中していますから、法人住民税の税収も日本で一番多いのが東京23区です。
それなのに、税収を稼ぐために働いている大田区民はじめとした住民・労働者に社会保障で還元されていないということなのですから、東京一極集中政策もアベノミクスも大田区民にとっては効果が無いということです。

 

企業が過去最高益で、アベノミクスが成功していると政府が言っていることを考えると政府の経済政策は、少なくとも、機関投資家など大資本のためで、大田区民のための政策ではないのではないか、と思います。

不公平な労働分配

私は、一極集中とアベノミクスで東京都心部に集まった「富」が適正に労働者に分配されず、株主に多く分配されてしまうことや、集めた税金で住民の社会保障に還元せず、物を買ったり土木・建設・土地購入など開発に使われたり、営利目的に使われていることが、いちばん税金の集まる東京23区民の社会保障サービスが足りない原因だと考えています。
そこでうかがいます。
大田区は、社会保障の責任主体として大田区が取り組まなければならない区民の生活課題である保育園や特別養護老人ホーム、障害、住宅などを放置し、跡地購入や蒲蒲線に税金を投入しようとしています。大田区の優先順位が違えば、社会保障の財源が不足し、そのぶん、区民生活は困窮します。特に大田区のような都市部の暮らしは、生きて行くためには、住むこと、食べること、水を飲むこと、移動すること、何でもお金、それも高い金額を払わなければ生きていけません。最低賃金が地方より高いと言いますが、家賃も高く、可処分所得にするとそれほどでもなくなります。逆に厳しいくらいかもしれません。頼る地縁や血縁がより希薄な都市部大田区だからこそ、社会保障で支えることが重要になっているのです
そこでうかがいます。

自己責任化する大田区政

大田区が取り組まず、誰が区民生活課題を解決すべきと考えていますか。国ですか、自己責任で区民自身ですか。

大田区は、大田区にしかできない住民福祉を

GDPが増えない経済の収束期投資家のために成長をめざす経済政策は、労働者の賃金を減らし、投資家の税負担や土地代負担を減らして、投資利益=株主配当を増大させようとします。それでもたりなくて植民地政策のように、海外へと手を伸ばします。これがグローバル化です。まさに、いま、大田区が行おうとしていることではないでしょうか。
 しかし、国の思惑に巻き込まれずに、大田区は、大田区にしかできない住民福祉を社会保障の責任主体として格差と貧困に悩む区民のために着実に実行すべきであると主張し質問を終わります。