基礎自治体大田区がする「国際都市おおた宣言」する意味と問題

第四回定例会で、大田区は、国際都市おおた宣言について、議決しました。

議案上程時に、区長の公約である国際都市を有識者に定義させたことの区長の意図や、「国際都市おおた宣言」を議決事項とすることについて、実効力、予算措置などの視点から質疑しました。

区長は、国際都市大田宣言をすることで、「執行機関と議会との双方の意思をさらに深め共有化することで、ともに大田区の国際化を進めていくことを区民にPRすることが大切。議決することで、実行力、財政力の強化がはかられる」と答弁しました。

これは、国際都市宣言が議決されてしまうと、有識者会議で定義し区長が目指すところの「国際都市」を実現することに賛成したことになり、施策を進めることや財政投入してもいいと認めることになると大田区が考えている ということでしょう。

56ページにわたる有識者会議の報告書は、外国人研修生を受け入れ、外国人を家族単位で受け入れるための環境の整備など、外国人労働者の受け入れや移民政策につながる記述が多用されており、国際都市宣言の背景にあるのは、必ずしも訪日外国人旅行客だけではありません。

移民を受け入れた国で社会保障負担が一気に増大することが問題になり、移民受け入れは経済政策ではなく、人道問題として考えるべきですが、国の外国人労働者の際限なき受け入れで、社会保障の責任主体大田区の肩にかかってくるわけです。ところが、報告書にみられる実際の支援は情報提供や啓発、ネットワークづくりなど、サークル的な内容ばかりで、肝心の教育や子育てなども相談支援にとどまっていて、生活する外国人受け入れにもかかわらず、あまりに簡単に軽く考えています。

国がなすべき役割も多く、一自治体としての手に余る深刻な問題に関わる可能性も高い重要な問題を、こんな宣言で、既成事実化してよいのでしょうか。

羽田空港のある大田区は、国際化と切っても切り離せません。残念ながら国の外国人労働者受け入れ規制緩和は、当面減り続ける労働力人口を安易に安価な労働力としかとらえていない、地域コミュ二ティとは無縁の側面から行われています。

安易な国の施策のしりぬぐいとならない真の国際化をもとめ、反対討論といたします。

特区民泊がこわす地域のコミュニティ、大田区民の声を無視して進む規制緩和について

特区民泊について相談を受けるようになっています。
外国人旅行者のための施設だと印象付けられてきた特区民泊ですが、やはり、規制緩和でものすごいスピードで増えている外国人労働者の住まいとしても使われそうです。
特区民泊の問題について質問しました。

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フェアな民主主義 奈須りえです。

2年海外で暮らしていた友人が、それまで住んでいた大田区に戻り、まちに外国人が急激に増えたことに驚いていました。

厚生労働省が公表した平成27年10月末現在の日本全体の外国人労働者数は90万7896人。前年に比べ120,269人、15・3%の増加で、平成19年に届け出が義務化されて以来、過去最高の数値を更新しているそうです。しかもそのうち約30%は東京都ですから、増えたなあという実感は数字にも表れています。

しかも、このデータは、事業者から提出のあった届出件数を集計したもので、「外国人労働者全数とは必ずしも一致しない」と書かれているように、実際の外国人労働者数はもっと多いと思われます。

増えた理由について厚生労働省は、留学生の受け入れが進んでいることに伴う留学生の「資格外活動」の増加、(留学生は、1週間に28時間以内で風営法対象外の職種ならなんでも就労できます。)や、「専門的技術的分野の在留資格の外国人労働者が増えている」ことをあげ、政府が進めている「高度外国人材」の受け入れが着実に増えている政策的な結果、であるとまとめています。

しかも、「高度外国人材」と言いますが、実際、政府は、国家戦略特区などにより入国審査要件、在留資格要件を緩和していて、かつては高度な技能を要する職種に限られていた外国人の就労分野は広がり続けています。しかし、高度外国人材の対象を恣意的に変化させることで当面の人手不足を乗り切ろうとする動きには危機感を覚えるという専門家の指摘もあります。

「骨太方針2016」には、永住権取得までの在留期間を世界最短とする『日本版高度外国人材グリーンカード』の導入が盛り込まれました。平成25年9月の国家戦略特区のワーキンググループの議事録には「日本に在留する永住権をとるためには、今なら10年ぐらい必要。専修学校の留学経験者は日本に渡ってきてそれから日本人学校、専修学校で4~5年、終わってそれから5年くらいすると永住権の条件を満たしてくるが、その間の5年をうめる制度を希望している」といった発言があります。仮にこの希望を満たす形で在留資格要件を緩和するなら、『日本版グリーンカード』の創設で日本に留学する外国人は永住権を取得できることになり、さらに外国人労働者が増える可能性が高まっている状況です。

数で見れば、日本の外国人旅行者数が2015年で1974万人、それに対して外国人労働者数は90万人ですから、旅行者の方が圧倒的に多いように見えますが、旅行者は一年中日本に滞在しているわけではありません。観光庁の出している外国人旅行者平均滞在日数6日〜7日の数字で評価してみると、街を歩く外国人のうちの旅行者数は、1日に換算すると32万人~37万人程度ではないでしょうか。

この数字からも、私たちが日頃接する多くの外国人が、旅行者ではなく、住み働く外国人であることが見えてきます。

イギリスのEU離脱も、アメリカのトランプ氏の当選も、厳しくなる国民生活の矛先が移民や外国人に向けられた結果であると評価している専門家もいることを考えれば、今後、私たちが考え取り組むべきは、訪れ、また帰っていく外国人旅行者だけでなく、働き暮らす外国人労働者の問題であることは明らかです。

区長は、自ら手をあげ国家戦略特区を進めるなど、規制緩和による外国人労働者の受け入れにも積極的ですが、外国の方を労働力として受け入れることは、その生活や人生を受け入れることです。厚生労働白書の平成24年度版は、産業資本主義が地縁・血縁を希薄化し、社会保障が地縁血縁を代替する形で資本主義社会や国民国家を支えてきたと指摘しています。今、国は、その希薄化した地縁の中で地域包括ケアなど社会保障を支えようとしているわけですが、外国人の方を受け入れるということは、さらに異なる文化や習慣を持つ方たちとコミュニティをどう作り上げるかという新たな問題を抱えることであり、言語、住居、教育、医療、子育て、介護、生活保護、年金といった責任を、社会保障の責任主体である大田区が、どのように果たすかという問題です。

そこでうかがいます。

来日し大田区に住み働く外国の方々に対し、大田区として、どのような問題意識をもっていますか。また、大田区として、東京都として、国としてなすべきことをどうとらえ、何が課題であると考えていますか。

2.外国人旅行者のための施設だと印象付けられてきた特区民泊ですが、やはり、外国人労働者の住まいとしても使われそうです。

昨年、8月27日、日本経済新聞が外国人の家事代行解禁で、パソナなど人材派遣事業者が外国人労働者を雇うとともに、労働者の勤め先での住み込みを禁じ「企業側が住居を確保する規定」を盛り込んでいると報道していたので、特区民泊が、この外国人労働者を住まいになるのではないかと心配していました。東京都のHPの解禁になった外国人家政婦の宿舎の説明には、「一戸の住宅を複数の外国人家政婦が宿舎として使う場合の費用負担」や「一人あたりの占有面積が社会通念上相当とされる程度の面積になるよう配慮しなさい」といった、住宅費を取りすぎないよう、宿舎に詰め込みすぎないよう懸念する記述も見られ、心配していた通りになっていました。

外国人労働者は、母国に送金するために、家族の元を離れ日本にまで来て働きます。いくら貨幣価値の差があって母国よりたくさん稼げても、日本は物価が高いので送金分残らなければ、働きに来る意味がありません。日本人と同等額以上の報酬額とありますから、最低賃金程度を支払えば良いということでしょう。高い家賃の東京でも、特区民泊を使えば、日本で働いて住んで送金が可能になるというわけです。

特区民泊は、低賃金労働力の確保ありきで、一人あたり居住面積や衛生基準など人権を守ってきた規制を取り払い、低価格の賃貸住宅を作ってしまったことになります。

政府が、簡易宿所をさらに劣悪な環境にした特区版ドヤを作ったと言えないでしょうか。

規制緩和せず、十分な居住面積の確保された住宅を外国人労働者に提供すれば、空き家対策にもなるはずですが、詰め込むのですからそう効果は期待できません。給与や年金の低下などに伴い、特区民泊が低所得者の住まい化されるのではないかと心配です。

内閣府は、ご丁寧に、「特区民泊があたかも外国人に制限されているような誤解が広がっているが、日本人でも外国人でも利用できるものなのに活用促進に支障が出ないか懸念している」と言っていますが、「簡易宿所より大人数の詰め込みで安く住める特区民泊」を日本人の住まいとして使って欲しいということでしょうか。誤解を与えたとするなら条例名「国家戦略特別区域外国人滞在施設経営事業に関する条例」に外国人といれた大田区にもその責任があると思います。

この、特区民泊で困っている区民の声をあちこちで聞くようになりました。ゴミ出しで困っている、何人もが出入りするがどのような人がいるのかわからない、事業者から十分な説明を得られず、大田区は「トラブルは民民で解決して、何かあったら警察を呼べ、苦情を事業者に言え」など不誠実なので、さらに不安が募るようです。区長は問題は違法民泊にあるという認識ですが、問題の一つは、区内の第一種住居専用地域以外のほとんどの用途地域で設置可能なことです。たとえば第一種住居地域は、3000m²までのホテルの建設が可能です。しかし、果たして、特区民泊を、「フロントがあり、消防や衛生の基準を守り、一人あたりの居住空間も確保された旅館業法を守る宿泊施設」と同等に扱って良いでしょうか。

第一種住居地域といえば、住居の環境を保護するための地域です。不特定多数の人の出入りがあるにもかかわらず、フロントもなく、防犯、防災、衛生規制も緩和されている施設で地域の住環境を保護できるでしょうか。

大田区は、「近隣住民への周知や説明、ごみの適切な処理、苦情対応窓口の設置、緊急時対応等、利用者だけでなく、周辺住民にとっても安全・安心な滞在施設となるよう、各ルールを設けていると答弁してきましたが」、私に聞こえてくる住民の評価は不安と不満ばかりです。しかも、特区民泊がドラマやマスコミなどで身近になったことで、「違法民泊」への抑止力となるどころか違法民泊を誘導するのではないかとも心配しています。

そこでうかがいます。

特区民泊を利用する外国人について、大田区は旅行者とみなしていますが、現実には賃貸借契約で、区内に滞在する旅行者とも住民とも位置付けられない外国の方たちが地域でともに生活する場面が増えることになっています。設けたガイドラインでは大田区民の安全安心さえ守られているとは言えないのが現状です。

これは、特区民泊事業者への大田区の指導が足りないからでしょうか。民泊事業者が指導に従わないからでしょうか。

そもそも、作ったガイドラインに不備があり、ガイドラインを改正すれば状況は改善されるのでしょうか。

防災や環境、地域コミュニティを維持し守ることについて、現状のガイドラインで、対応することは可能でしょうか。

大田区としての改善策についてうかがいます。

3.区長は、問題は民泊にあるという姿勢のようですが、特区民泊の問題の本質に目を向けるべきです。それでは、どうして、こうした住民生活を大きく脅かすようなしくみができてしまったのでしょうか。

この間、地方分権、地方分権と言われてきましたが、いまや、政治は政府主導、内閣主導の中央集権で進んでいます。

区民から不安の声が高まっている特区民泊は、国会で議決された国家戦略特区法に基づくしくみです。

これを全国の中でも大田区だけ、やると決めたのは大田区長です。大田区が、この規制改革項目を活用する事業を公表し、2015年10月の第四回東京圏区域会議で区域計画を決定、その1週間後の第16回国家戦略特区諮問会議を経てこの事業が全国初のケースとして認定されています。

大田区議会で条例案が可決したのが2015年12月7日ですから、この認定までの間、大田区議会は関与していません。法は、滞在日数の下限を条例で7日から10日の間で定めることを自治体に求めていますが、大田区で特区民泊することを決めたのは大田区長です。

大田区長は、全国の中で大田区だけ旅館業法の一部を無法状態にするという非常に大きな独断をしたわけですが、その責任と重みを認識しているのでしょうか。

こうした国主導の制度変更に大田区長だけが加担する形になっているのは国家戦略特区だけではありません。

羽田空港の現飛行ルートは、一朝一夕に出来上がったものではなく、戦前戦後を通じた長い歴史的な経緯の中で、区民と行政と大田議会とが国や東京都と、ある時は一致協力しまたある時は対峙し、作り上げてきたものです。

大田区も国も飛行ルートは、国が決めることだと言いますが、それでは、これまで、国が独断で決めてきたかといえば、そうではなかったことは大田区の歴史が証明しています。国が、区民と区議会と大田区との対話や歴史的経緯を尊重してきたから、沖合移転事業は始まり、海から入って海へ出るルートで飛んでいるのです。

ところが、松原大田区長は、今回の飛行ルート変更について、任意団体の長である23区長会会長の発言を重く受け止めると言います。区長は、信託を受けている大田区民より23区長会の会長の意思を尊重するのでしょうか。

区長は、政治家であると同時に、行政の長でもあります。行政はその継続性を守らなければなりません。区長が変わるたびに、歴史的経緯を軽んじれば、独裁が始まります。選挙で選ばれたからといって何をしてもいいわけではないのです。仮に変える必要があるなら、そこには、歴史的経緯と議会制民主主義に基づく適正な手続きが必要です。

そこでうかがいます。

教室型説明会もせず、騒音・落下物・大気汚染などについて心配な住民の声をきかず進む羽田空港飛行ルート変更、区長がやると決めて大田区だけが旅館業法の適用除外となってしまっている特区民泊の規制緩和など、住民の声ではなく、大田区長の独断で進む事例が目に付くようになっています。

① 区民への情報公開や説明責任、

② 区民との合意形成、

③ 万が一の責任の所在

についてどのように考えているのかこの場で区民に説明してください。

地方自治は、民主主義の学校と言いますが、特区民泊も羽田空港飛行ルート変更も大田区民の声を聞かず、国主導、区長の独断で進められ、主権者は不在で自治が行われていないのです。

4.特区民泊は国家戦略特区法に基づいたしくみです。日本国憲法第95条は一の地方自治体に適用する法律は住民投票しなければ無効であるとしています。しかし、国家戦略特区法は、手をあげれば全国の自治体が適用可能なので、憲法第95条の住民投票は不要であるとして住民投票していません。ところが、評価し、全国展開する段階では、法改正の手続きをとっています。

全国に法を適用するには法改正が必要であるなら、全国の自治体への適用が可能というのは矛盾しているのではないでしょうか。このことについて国家戦略特区担当の参事官にも確認しましたが、明確な説明はいただけませんでした。

大田区長として独断で決めるのではなく、住民投票して住民の声に耳を傾けるべきではないでしょうか。お答えください。

 

TPPや国家戦略特区などの規制緩和が大田区の施策・入札・契約などを通じ、 区民生活に与える影響と大田区のなすべき役割について

「TPPや国家戦略特区などの規制緩和が大田区の施策・入札・契約などを通じ、区民生活に与える影響と大田区のなすべき役割について」質問しました。秋の臨時国会で国会承認を得ようとしているTPPが地域経済や住民に与える影響について、今回は特に公共調達を事例に質問しています。

下線部が質問部分。
答弁は正確を記すために、議事録速報が上がってからとします。

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フェアな民主主義 奈須りえです。

大田区とは一体何をすべきところなのでしょうか。最近の大田区が行っていることは、本当に基礎自治体である行政が、子育てや介護などが足りていない中、最優先課題として行うべきものなのかと疑うものが目につきます。新しい大田区のイメージキャラクターを作り区歌があるのに区政70周年でイメージソングを作り、予算には全国初という文字が踊り、決算資料として出される「主要施策の評価」はいつの間に分厚い冊子になり、まるで民間企業のPRのようです。行政は宣伝しなければならないところだったのでしょうか。区民が毎日の暮らしの中で必要なセーフティーネットを張り巡らせる地道な事業こそが大田区の最優先課題ではないのでしょうか。

その一方で、長い歴史的な経緯の中で大田区民とともに行政大田区や、大田区議会が守り、積み上げてきた数々の区民生活を守るための法令などを「一部の経済利益」のために、緩和し、なかったことにしようとしています。羽田空港飛行ルート変更は、安全と区民の快適な生活を確保できない限り空港を撤去するとした空港撤去決議など大田区の歴史的経緯をからみればあり得ない話です。その撤去の決議があったから羽田空港は沖合に移転し空港跡地ができました。跡地開発さえできれば何のために沖合移転したかを忘れてしまうことの無いよう、区長には首都圏の空を守る気概をもって取り組んでいただきたいと思います。

この規制緩和のランドマーク的な施策が「国家戦略特区」です。

区長自ら手をあげ、主体的、積極的に進めていますが、国家戦略特区が何かといえば、区域を限定した規制緩和による経済政策です。

法治国家日本において、法令で作られた多くの「規制」は、私たちの権利=基本的人権を守るために存在しています。それを緩和すれば、法で守られている私たちの権利は無防備になります。規制緩和が進めば進むほど、無法地帯が広がり、弱肉強食で自己責任の範囲が広がる構図です。

大田区において旅館業法の適用除外を認めている「民泊」は、国家戦略特区のしくみを使っています。民泊で、大田区内では、旅館業法の適用を除外されるため、大田区は、民泊条例を設置した際にガイドラインを定め、消防への届け出や一人当たり床面積など、法が守ってきた安全や衛生、住環境が守られるよう努めています。

法令が求める安全、衛生、環境、雇用などの基準は、経済活動にとっては、コスト負担を強いられる邪魔な存在かもしれませんが、規制を緩和すれば、それまでその規制によって守られてきた区民に影響が及ぶということです。

 特区といえば、一般には開発途上国の経済政策ですが、国家戦略特区は先進国日本の首都東京含めた、大阪、名古屋、福岡など大都市圏がほぼ網羅されていて影響が大きく、「特区」とは言えない状況です。ILO(国際労働機関)は経済特別区を「外国投資を誘致するために特別な優遇策を付与された産業地区。地区に輸入された財は再輸出のために程度の差はあるが加工される。」と定義していますが、小泉構造改革特区以来、日本に設置されてきた特区は「規制緩和」に考え方が偏っている傾向があると郭洋春立教大学経済学部教授が指摘するように、規制を緩和し外国投資を呼び込むことが目的になっていて、特区内に輸入された財が加工されたのち再輸出されるといったことにはまったく触れられていません。

 しかも何のための規制緩和かといえば、2013年の日本再興戦略に「規制改革の突破口として国家戦略特区を使って世界から投資を呼び込む」と記されているとおり外国投資を呼び込むことが目的です。「日本再興戦略」改訂2015では「投資家の目を意識した経営が幅広く浸透し、企業の自己資本(株主資本)に対する当期純利益ROEの割合が10%を超える上場企業は、2年前の4社に1社から3社に1社になった。」と特区を評価しています。

そこで質問させていただきます。

多くの規制は国民・区民の権利を守るために存在しますが、区長は、国家戦略特区が、その規制を外国投資のために緩和する政策であることを認識したうえで手をあげているのでしょうか。

規制を緩和して外国投資家は利益を上げることができるかもしれませんが、権利を守ってきた規制を区民が失えば、区民生活に影響を及ぼします。
2014年4月の国家戦略特区ワーキンググループにおいて、民間有識者の「羽田空港の近くで『雇用ルールについての特例措置』や『医療サービスの提供』はあり得るのか。あり得るなら、外国人医師や病床規制もあり得るのか具体的に相談を」、という申し出に対し、松原区長は「ぜひお打ち合わせというか、そういう協議をさせていただければありがたい」とこたえています。

松原区長は、「雇用規制をさらにゆるめることや医療圏ごとに定められているベッド数を増やすこと、外国人医師に日本で医療行為を行わせること」について是非協議したいと答えているのです。

雇用規制の緩和で企業は経営の効率化をはかれますが、区民の雇用は不安定になります。空港の近くでベッド数を増やし外国人医師の診療を可能にすれば、高度医療、先進医療の拠点を作り、外国の医薬品や医療機器の売り上げを伸ばすことができますが、医療費が高騰することが予想されるだけでなく、周辺の病院経営にも影響を及ぼすでしょう。

 国家戦略特区は、経済政策のため、通常の法改正であれば行われる規制緩和の影響についての検証が無いばかりか経済利益をあげれば、雇用が不安定になっても、安全性が低下しても、効果があるとされ全国展開するしくみになっています。
そこでうかがいます。

・区長は、特区による規制緩和が、一部の投資家の利益のための経済政策であり、同時に、区民をはじめとした投資家以外の人たちの不利益につながるかも知れないことについてどのようにとらえ、国家戦略特区を区長の目玉の政策としているのでしょうか。

・また、区長は、特区の規制緩和によって区民の雇用や医療、安全や環境が守られなくなることについてどのように考えていますか。少なくとも、国が規制緩和の影響について事前に検証していない以上、大田区として規制緩和による影響を検証したうえで、区民生活に影響を及ぼす規制緩和策は行わない、必要な対抗策を講じるなどが必要だと考えますがいかがでしょうか。

こうした規制緩和による外国投資家のための経済政策は、区民生活だけでなく、経営者にも大きな影響を及ぼすととらえています。 そこで心配しているのが政府が今年の秋の国会承認を目指しているTPPです。TPPはモノの関税だけでなく、サービス、投資の自由化を進めるアメリカ、カナダなど太平洋12か国で結ぼうとしている国家間の経済協定です。

アメリカでは、いずれの大統領候補もTPPに反対の姿勢ですから、そう簡単にTPPが批准されることにはならないと思われますが、だからと言って、こうした国を超えた投資利益拡大政策がそう簡単にストップすることにはならないでしょう。同様の自由貿易協定は、TPPだけでなく、ヨーロッパを含めたTisaや二国間協定など様々な可能性があるからです。

今年2月に署名が行われたTPP協定について協定文の公開以降、日本、アメリカはじめ各国でも、国会議員や市民団体が分析と問題提起を続けています。それをみると、TPPが大田区内の事業者に与える影響が、いかに深刻か、規制がいかに区民生活を守っているのかがわかります。

今日はその中の政府調達と言われる物品購入や入札の影響について取り上げたいと思います。

たとえば、大田区では、建設工事や物品調達などにおいて、大田区内業者に限定した制限付き一般競争入札や指名競争入札を行っています。大田区内に限定しているのは区内産業育成の視点であり、その事業者が競争力を持った企業に成長発展していただくことが期待されるからです。区内の景気向上、雇用や受発注の確保という経済波及効果も狙っています。今回の補正予算に計上されているリフォーム助成もそうした視点で計上されているのでしょう。

ところが、TPPはこうした国や地域に限った制限も経済障壁とみなし、外国資本含め誰もが入札や契約に参加できる状況をつくるためのしくみです。一般原則として、外資と国内企業を区別し「現地調達」や「自国物品の購入や利用優先」をしてはならないとされています。

内閣官房のTPPについてのQ&Aでは、国と都道府県および政令市に限ると説明されていますが、協定文書には「協定締結後3年以内に適用範囲の拡大を達成するため地方自治体も含んだ交渉を開始する」「交渉開始前でも地方自治体を対象とすることについて合意できる」書かれていますから、当初から自治体を対象としているとみるべきで、国の説明のニュアンスとは、大きな温度差があります。しかも、批准後は政府調達に関する小委員会をおいて、対象機関の拡大、基準額の改定、差別的な措置の削減と撤廃を議題にしていくとしていますから、大田区の契約や入札は熾烈な競争にさらされる可能性が大きいということです。

大都市として一体的にみられることも多い23区が対象に加わる可能性は、他の自治体に比べれば高いとみるべきでしょう。

現時点での対象金額は物品で3300万円。建設で24億7000万円。建設技術サービスで2億4000万円。その他サービスで3300万円となっています。

今後のTPPの交渉で、地方自治体が対象になれば、今回の議案の防災毛布購入は消費税込みで9000万円を超えますから制限付き競争入札ができなくなり、たとえばアメリカ防災毛布という外資系企業が落札するかもしれません。大田区は、可燃ごみの民間委託の受け皿として一般社団法人を設立しようとしていますが、対象機関が拡大すれば、そこでの契約にも制限なしの入札をといった競争性を求められるようになるかもしれません。

対象が広り金額が引き下げられれば、区内事業者への影響は拡大し、区民生活にも影響を及ぼすでしょう。

受託会社が変わっても、現場で働く人は同じ、という話を聞きますが、外資が大田区の契約をとっても、働く人は同じで、賃金が下がったり下請け、孫請けの利幅が少なくなったりするのかも知れません。

今後は、水道、道路、建物などあらゆるインフラの施工・管理について民営化も視野にいれた外資との競争がおきる可能性が高いのです。TPPなど自由経済貿易で経済障壁が無くなったとき最も大きな影響をうける分野の1つがこの公共調達であると私はとらえています。

そこで、うかがいます。

日本政府は、TPPについて、秋の臨時国会での承認を目指していて、仮に承認されれば2年以内に発効する可能性があります。

私は、TPPは批准すべきではないと考えています。区長はこうした区内産業への影響を考えれば政府に対し、TPPに異を唱えるべきと考えますがいかがでしょうか。

異を唱えることをしないのであれば、少なくとも、TPP批准前までに、区内産業育成のために、制限付き競争入札などを行ってきましたが、それらをルール化条例化して、区内産業を育成するとともに区民生活を守るべきではないでしょうか。

準区内と言って大田区に机と電話を置いている事業者も区内ですから、外資も区内になりえます。

そこで重要になるのが、大田区という行政がなぜ区内事業者を優先しているのか、してきたのか、ということです。

区内で安定的な雇用を支え、区内調達で循環経済に資する。法令順守は当然のこととして、環境を守り、障害者雇用を支えるなど社会的責任を果たす。こうした事業者だからこそ、大田区民の税金を投入する意義を持つのではないでしょうか。

いま、規模の大きな事業者が大田区の仕事をとる。契約そのものの規模が大きくなっている。ように見えます。今回、解体と建設の一括発注議案が送付されていますが、最近の究極の一括発注といえば、点検を行わせ見つかった必要な個所の修繕までゆだねている本庁舎の耐震補強工事でしょう。大田区がTPPの対象になれば、契約金額の引き下げも気になりますが、こうした大きな契約が増えている状況は、大田区自ら外国資本に対して有利な契約を用意する形になっていると見ることもできます。介護保険の単価の改正により小規模事業者が厳しい経営を迫られているのも大規模資本優遇とは見られないでしょうか。

今や日本の大企業も大株主は外資というところが少なくありませんが、政府や大田区の外国資本優遇がこうしたところにも表れているのかもしれません。

しかし、日本の7割の雇用を支えているのは中小企業です。こうして大きな事業者に集約されたり、契約規模が大きくなれば、公共調達に限ったことではありませんが、淘汰されたり、下請けや孫請けが発生し、下請け孫請けの利幅が小さくなる可能性もあります。

日ごろの維持管理を怠り、まとめて大規模工事を大規模事業者に発注するより、手間がかかっても、地域の中小事業者にこまめに発注することで、長く大切に区民の建物の維持管理をすべき。物品調達すべきというのが私の基本的な考え方です。

グローバル化の潮流の中で、区民生活を守り、区民の雇用を守るのは大田区の責務です。

TPPという一つの危機を機に、少なくとも公共調達については、区民の税金で区内雇用を安定的に支える。区内調達で循環経済に資する。法令順守。環境配慮。障害者雇用。などを評価する政策入札・公契約条例のしくみを導入するなど、大田区の契約の在り方を見直すべき時期にきているのではないでしょうか。

TPPなどの貿易自由化により入札や契約を自由化すれば、税金の一部が外国投資家に流出し再投資される保証はありません。区民からお預かりした税金をどう使うべきなのか、区長の見解をお示しください。

Q4外国でも飛んでると言ってるけど? A密集市街地の低空飛行は世界の非常識

国交省はこうした密集市街地を飛ぶ例は外国にも国内にもあるとして、ロンドンのヒースロー、アメリカのニューヨーク周辺のJFK、ラガーディアなどの空港や、伊丹、福岡をあげています。

しかし、市街地までの距離が異なるうえ、緩衝帯が設けられたり、海や川を使っているなど、周辺環境も異なります。

かつて危険だといわれていた香港のカイタック空港は、廃止され、今は安全な島の空港に移転しています。そうした意味では世界の安全な空港への流れと逆行しているのが今回の飛行ルート変更です。

伊丹についていえば、危険だったからということで莫大な費用をかけ関西国際空港を作ったはずですが、「地元要望」で飛ばすことになっているという非常に特殊な事例です。

言ってみれば、移転させて成田国際空港を作ったにもかかわらず、羽田を再国際化させた事例とよく似ているかもしれません。

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 Q4海外でも密集市街地を飛行機は飛んでいるの?

国交省はこうした密集市街地を飛ぶ例は外国にも国内にもあるとして、ロンドンのヒースロー、アメリカのニューヨーク周辺のJFK、ラガーディアなどの空港や、伊丹、福岡をあげています。

A.市街地までの距離が異なるうえ、空港周辺には緩衝帯があり、海川などを利用して、離着陸が行われています。

飛行機事故は、クリティカルイレブンミニッツと言って、離陸後3分と着陸前8分に一番多いといわれています。
その事故の多い時は、万が一の事故の被害を最小限に抑える意味もあり、周辺に緩衝帯が設けられ、海や山、緩衝帯の上を飛んでいるわけです。

新飛行ルートは、着陸前の危険が大きくなる時に、東京の密集市街地を飛ぶ非常に危険なルートなのです。

国交省が、海外でも市街地を飛んでいると例にあげているニューヨークやロンドンは、市街地までの距離が異なるうえ、緩衝帯が設けられたり、海や川を使っているなど、周辺環境も異なります。

下図の緑の円、白い円がわかりますか?

10km、20km、30kmというラインがあります。
上のヒースロー空港からロンドン市街地までは20kmを超えていますし、その間には緩衝帯が広がっています。
以前に大田区の初代観光課長だった元JALの課長から参考図書とともに、海外では空港周辺に緩衝帯を設けるようになっているということを教えていただきました。

下はニューヨークですが、楕円の空港は海に隣接していて、海上などを使って離着陸しています。

伊丹についていえば、危険だったからということで莫大な費用をかけ関西国際空港を作ったはずですが、「地元要望」で飛ばすことになっているという非常に特殊な事例です。

言ってみれば、移転させて成田国際空港を作ったにもかかわらず、羽田を再国際化させた事例とよく似ているかもしれません。

《Q3》安全・騒音対策などは大丈夫?(万が一の補償は?)《A3》自己責任の構図 【よくわかる 羽田空港 ~新飛行ルートのここが問題~ Q&A 】

「安全性について検証していない」と国が言っている新飛行ルートですが、それでは、国はどう「対策」しているのでしょう。安全・騒音対策などについてみてみます。
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【いい加減な国の安全対策】

実は国も落下物があることは認めています。
成田市も対策を講じ、努力していますが、それでも落下物は0になっていません。

成田空港周辺では、開港以来158件の落下物が確認されていて、北風時の着陸では海で車輪を出す、南風の時は、安全な場所を選んで着陸時の車輪を出すよう対策が講じられています。
また、成田市長は、再三にわたり国交省や航空会社、空港に対して落下物の対策を要望しています。

にもかかわらず、今回の飛行ルート変更で国がやろうとしていることは、
◆航空会社に対する整備点検の徹底を指導することと、
◆国の職員による駐機中の航空機のチェック
です。

成田市で起きているこ落下物は、整備点検の徹底指導の不足から起きているのでしょうか。
★また、落下物は、着陸の際、車輪を出すときに起きることが多いといわれています。
今回の飛行ルート変更は国際便の増加によるもので、チェックすべきは、離陸国でのチェックですが、国内に駐機する航空機をチェックして、どう落下物を防げるでしょう。

 【平均をとる騒音基準で防音対策はできない】

国が行おうとしている防音対策では、新たな防音対策をすべき地域はありません。
学校と病院については例外として防音工事すると言っていますが、どうしてこんなことが起きるのでしょうか。

Ldenという時間帯捕正等価騒音レベルという特殊な数字を使っているからです。
これによって「補正」され、騒音の高い時間帯や低い時間帯が補正され、平均的な数字しか出てきません。
ですから、非常にうるさい時間帯があったとしても、その時間帯の騒音は防音対策されず我慢しなければならないことになります。
特に今回は15時~19時の24時間の中でいえば、4時間。しかも前後30分は調整が必要で実質3時間とも言われていますので、その間非常にうるさくなったとしても、Ldenでの数値では平均化され、防音対策は必要ないことになっているのです

 

【音の大きな飛行機は着陸料を高くし騒音の小さな機種に誘導】

現在でも、小さな騒音の機種ばかりが飛んでいるわけではありません。
航空会社は、迷惑をかけないために低騒音機を飛ばすというより、利益をどう最大化するかで機種を選ぶのですから、いったい着陸料をいくらにするのか示すべきでしょう。
明らかに低騒音機の方が有利である程度の着陸料でなければ、効果は無いでしょう。

【万が一の事故で補償されるのか】

 

しかも、気になるのは、万が一の事故の場合の補償です。
国は、落下物について原因航空会社が特定されれば、航空会社が保障すると言っていますが、特定されず、飛行機からの落下物と判明すれば、航空会社がつくる保険で担保すると言っています。

成田で航空機から落下したと思われる氷の塊が落ちたとき、油が含まれていないので航空機からの氷と決められないとしている例があります。
空から落ちてきた氷でも油が入っていなければ「理由はわからないが落ちてきた氷」になるのです。

航空会社が作る保険ですから、自賠責のようなものなのでしょうか。調べましたが補償のしくみなどはどこにも明らかになっていませんでした。

理由は分からないが落ちてきた氷、飛行機の部品かわからないが落ちてきた部品やパネルなど、飛行機から落ちてきたと証明できなければ誰からも補償されない ということです。

【行われない環境アセスメント】
しかも、今回は、滑走路の延伸や建設ではなく「飛行ルートの変更」だからという理由で環境アセスメントも行われません。


新ルートになって増える落下物や騒音の被害は飛行ルートの下に住む住民で、事故が起きても航空会社も国も補償しない構図。自己責任。
これで安全・騒音対策などは十分だといえるでしょうか。

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Q1 新飛行ルートでどう飛ぶの?
Q2 どこが問題なの?
Q3 国交省の安全・騒音対策などは大丈夫?(万が一の補償は?)
Q4 密集市街地の低空飛行は世界でも例をみないってホント?
Q5 国交省はなぜ必要だと言ってるの?
Q6 経済効果は本当にあるの?
Q7 誰が決めるの?
Q8 どうしてこんなことになってるの?
Q9 羽田空港の歴史的経緯ってなに?