財政の硬直化は、公債=借金だけじゃない 例外手法の債務負担行為で将来の財源まで食いつぶす

財政の自由度を示す
経常収支比率というのがあります。

 

自由に使える財源に占める
固定費=人件費や扶助費、公債費(借金の返済)の割合

これが大きすぎると
自由に使える財源が減り、
財政が硬直しているという評価です。

 

だいたい、70~80%が適正と言われています。

 

大田区は、ここ数年、
経常収支比率が低くなっていて
大田区は、成果が得られたと言っています。

 

ところが、一方で大田区は、
学校複合化など複数年にわたる
大規模な工事を行なうようになっています。

 

予算は、憲法で定められている、単年度主義という原則があります。

 

【日本国憲法第86条の解説】予算作成は単年度主義である | そうだ、憲法を知ろう (nannokaisha.com)

 

予算の単年度主義は、
予算は原則として会計年度ごとに編成され、次の会計年度以降の予算を拘束すべきではない、とする原則です。

出典:土居丈朗『入門財政学(第2版)』日本評論社

 

ところが、
大田区では、長期間にわたる工事を始めています。

財政の原則に反します。

 

しかも、
複数年度にわたる工事を行うということは
翌年度の税金が入ってくる前から

つかいみちを決めてしまうことですから
財政を硬直化させていることに
ほかなりません。

 

ところが、
経常収支比率をみれば、大田区の財政は
自由度の高い「良い」財政ということになるのです。

 

 

今年度予算は、3400億円でですが、
今年計上することで、来年度以降も行わなければならない工事を行う金額
=債務負担行為額は、
1000億円を超えてしまいました。

 

近年の経常収支比率の推移をみると、
下の折れ線グラフで分かると思いますが、
令和2年度から減っています。

 

 

それでは、債務負担行為の額はどうかと言えば、令和3年から急激に増えています。

 

 

経常収支比率と  債務負担行為の推移を比べると、

令和1年   85.9%    311億円

令和2年   85.3%    292億円

令和3年   82.5%    451億円

令和4年   80.0%    502億円

 

 

数字合わせだけで
区民生活への影響を見ず
大丈夫、健全、は困ります。

 

さらに、

令和6年度予算では、債務負担行為も増え、経常収支比率を引き上げる
区債(借金)の額も増えています。

財源の余裕も無いのに
将来の税収まで先取りしている予算です。

今年度の大田区の住民税増は、
外国人労働者の転入増を見込んだものです。

将来の住民福祉財源が足りなくなることは
無いでしょうか。

それとも、また、増税すればよいとでも思っているのでしょうか。

まさか、
日本の社会保障制度はご破算にして
ベーシックインカムでお茶を濁そうということなのでしょうか。

 

詳しくはこちら↓

大田区の令和6年(2024)度予算に、なぜ、奈須りえは反対したかご説明します – 大田区議会議員 奈須りえ  フェアな民主主義を大田区から! (goo.ne.jp)