「消費税増税中止を求める意見書」の提出を求める請願への賛成討論
「消費税増税中止を求める意見書」の提出を求める請願に紹介議員になり、賛成討論を行いました。
消費税は、低所得者層への負担が大きい、今の状況では格差がさらに拡大すると言った問題とともに、いまの大田区政での税金の使い方の優先順位からは、増税された消費税が区民の期待する社会保障に使われる確証が持てないからです。
以下、討論です。
30第61号 国に対し「消費税増税中止を求める意見書」の提出を求める請願は、紹介議員として採択を主張いたします。
この請願は来年10月消費税10%への引き上げ中止を求める請願です。
社会保障の財源不足が言われて、消費税増税が肯定されがちです。
しかし、私たちの社会は、低賃金化、雇用の不安定化が起きています。
資本主義経済では、働いて生み出された富は、働くものと、株主と、地主(地代)、政府(税金)に分かれます。
現在の私たちの社会は、当初所得の分配で、働くものと株主とので不公平が生じています。
しかも集めた税金を社会保障で分配する、所得の再分配もうまくいかなくなっていて、きちんと再分配されなくなっています。
結果、働いて得た富は、より株主など投資家に流れる仕組みになっています。
ここに消費税で課税すると、所得のより少ない人はさらに可処分所得が減ってしまいます。
しかも、社会保障で行う再分配を株式会社など営利企業が担うようになっているので、利益や内部留保という無駄なコストまで税負担しなければなりません。
社会保障分野に営利企業を参入させると、税金が非効率的に使われ、所得の再分配も非効率的になるのです。
提供される社会保障を担う、営利企業に雇われている方たちは低賃金なので、営利企業で社会保障すればするほど、格差が拡大します。
今、日本は、民営化がどれくらい進んでいるか、公務労働の割合がどれくらいか、一次産業がどれだけ確保されているか、個人商店がどれくらい残っているか、と言った、違いを無視して、国別消費税のパーセントを比較して、増税しようとしています。
社会の置かれている基盤が違うのに、むちゃな話です。日本は、公務員も先進国の中では韓国に並び世界で最低レベルですし、一次産業従事者も個人事業主も減っています。大半が誰かに雇われて働く人、株主に搾取されて働く人が増えているのです。
しかも、社会保障の自然増まで抑制しています。
こうした構造の中で、社会保障の責任主体は大田区に変わっているのに、大田区は、優先順位ではなく、バランスよく予算を配置すると言って、例えば羽田空港の跡地のように、社会保障より民間事業者に隣の国有地の貸出地代の9割引きという破格の安値で貸すための土地に165億円も払うような税金の使い方をしています。
しかも、その原資を積み立てたのは、三位一体の改革で、財源移譲されて特別区民税と特別公交付金が増収になった年の平成19年と翌年の20年の二年間で、60億円80億円と羽田空港整備基金に140億円も確保しました。
その後、待機児童数が増え続けても、バランスよく待機児対策に投入することなく、140億円は跡地購入費のためについ先日まで確保されてきました。
基金に積み立てることができたのは、保育が自治事務になって増税・増収したからなのに、社会保障ではない目的に積み立てるような使い方をしているのです。
こんな税金の使い方と優先順位では、消費税が増税されても、増収分で大田区に交付され約40~50億円の消費税地方交付分が社会保障のために使われるか心配です。
今年は、昨年に比べ当初予算で、福祉費割合で59.4%から57.7%に減らしましたが、補正予算で165憶円も福祉でない費目に使いましたから、それも併せて算定すれば、さらに福祉費割合は54.4%に減ります。
肝心の社会保障の責任主体が、今のような税金の使い方で社会保障に優先的に税金投入されず、バランスよくつかわれてしまうということは、社会保障以外にも使うと公言しているに等しいので、消費税増税は大田区政から見てもすべきではありません。
ぜひ、この請願に採択してください。